子育てに関する政策について | 育休・産休中ママのリキャリアスクール~キャリママ大学

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~以下、産経新聞より抜粋~


1人の女性が生涯に産む子供の数の推計値である合計特殊出生率は

平成17年に1・26にまで低下。


20年は1・37まで上昇したが、依然として人口減をもたらす危機的状況にあることは間違いない。


経済協力開発機構(OECD)は加盟国の2006年国内総生産(GDP)

に占める教育費の公財政支出割合について、

比較が可能な28カ国中、日本は下から2番目の3・3%だったとする調査結果を発表。


日本の政府は子供の教育に金をかけてこなかったことが明らかになった。

そうした状況の中、今回の総選挙で民主党がマニフェストで大きく訴えたのが「子育て・教育」の分野。




■民主党の少子化・子育てに関連する政策をあらためて確認してみよう。
 

まずは最も注目を浴びている「子ども手当」。

現行の児童手当は、月額で3歳未満が1万円、3歳以上は第1子、第2子が5千円、第3子以降は1万円で、

小学校を卒業するまで支給される。


支給を受けるに当たっては、所得制限もついている。
 一方、民主党の打ち出す「子ども手当」は、

所得に関係なく、中学校卒業まで子供1人当たり月額2万6千円、年間31万2千円を支給するというものだ。



現行38万円(10月以降は42万円)の出産一時金については、55万円に増額。


さらに、公立高校生の授業料を実質無料化し、私立高校生には年12~24万円を助成する-などとしている。


開始時期については、出産一時金と公立高の無料化については

来年度から実施し、子ども手当は来年度に予定の半額を、23年度からは全額を支給するという。


一方で、妻がパートタイムで働く家族にとって打撃となるのが所得税の「配偶者控除」と「扶養控除」の廃止だ。


民主党は2つの控除を廃止することで、「子ども手当」の財源に回すとしている。

その結果、「子ども手当」により、中学校卒業までの子供のいる約1100万世帯のすべてで手取り収入が増え、


子供のいない65歳未満の専業主婦世帯では、平均的収入(年収437万円)世帯で年間1万9千円の増税にな

るという。



単身世帯や子供のいない共働き世帯には影響はないと民主党は主張している。



■こうした政策はどのような観点から作られたのだろうか。
 

「『子ども手当』については、構想の段階で3つの点を念頭に作られた」

マニフェスト制作に携わってきた民主党の大塚耕平参院議員は、こう説明する。

「1つは、欧米に比べ、直接給付型の子育て支援が少ないため、

それを拡充しようという国際比較の観点。


2つ目は少子化が社会的な問題となる中、『子供を社会全体で育てていこう』という理念を実現しようという点。


そして、3つ目は、今の若者はお年寄りに比べ、年金制度など社会保障の面で手厚い対応は期待できない。

ゆえに世代間不公平を是正する必要があるという点。


『子ども手当』は、これらを考え合わせ、社会政策として掲げたものだ」

もっとも、最近は「子ども手当」の効果について、

民主党は生活支援や経済対策的側面を強調しているような気もするが…。


配偶者控除について

「『奥さんは専業主婦で家庭を守ってほしい』という考え方のもとにできた政策。

女性の社会進出を阻むハードルにもなっていた」と強調する。

子供がいる世帯に直接手当を支給することで生活を援助し、

消費を拡大する一方、税制面で専業主婦のメリットを取り払う=ハードルをはずすことで、

女性が労働力として社会に出ていくきっかけを作る-。

これが民主党の「子育て政策」のポイントのようだ。


■この政策が日本の少子化や子育ての問題を解消してくれるのだろうか。



「子育てに対する手厚い経済支援は、あっていい」。

 「結婚し、出産した女性が社会に出ていくためには、

子育てと仕事を両立できる環境づくりをすることが大切だ。

民主党の政策は、この点があいまいでぼやけている」


さらには、子供を「産む」という側面では、民主党の政策は大きな効果を与えないとする声もある。


明治大学の安蔵(あんぞう)伸治教授(人口学)は、

「子育ての経済的負担を軽減」することで「安心して出産し、

子供が育てられる社会を作る」(マニフェストより)とする民主党の主張に懐疑的な見方を示している。


それは「なぜ日本で少子化が進んでいるか」という問題につながるという。


 「そもそも、結婚した女性は、以前と変わらず子供を産んでいる」と安蔵教授。


日本の特殊合計出生率は1・37にとどまっているが、

これは、未婚・既婚を問わない出産可能な年齢の女性が、生涯で何人の子供を産むか、という数値だ。


安蔵教授は「1950年代末ごろに『子供の数は1家庭に2人』という『2子規範』ができて以降現在にいたるまで、

結婚している女性に限れば、出生率はそれほど大きな変化は見せていない」と指摘する。



■少子化・子育て議論の本質は「国家」や「社会」の在り方議論

実は「結婚さえしてしまえば、高度経済成長期とほぼ変わらない出生率が保たれている」という現状。


このことは、いくら「子育て」の援助をしたところで、少子化を食い止めることはできないことを意味する一方、

少子化・子育て問題の“本丸”は、「未婚者に、どうやって結婚してもらうか」にあることも示している。

では、なぜ現代社会では、未婚化・晩婚化が進んでいるのか。

「背景にあるのは、現代の女性の考え方や生き方」と安蔵教授はいう。
女性の高学歴化に伴う社会進出や経済的自立、結婚後の就業継続希望…。


こうした価値観や行動を受け入れ、それに適応した社会システムや家族の在り方を容認するのか、

伝統的な価値観に重きを置き、これまでの女性の生き方にこそ幸福があると考えるのか。


安蔵教授は「少子化や子育てを考えるということは、

国家や社会の在り方を考えていくことに他ならない」と強調。



「結婚や出産でキャリアを断たなければならないのならば、

結婚や出産を延期したり、あきらめることを選択肢とする女性が増えるのも自然の流れなのではないか」





■では結婚・出産後も自分のキャリアを捨てず、フルタイムで働きたいという女性はどうしたらいいのか。



夫婦で仕事をしている間は保育園を利用することが多くなるが、

待機児童が多い状況下、特に都市部では子供を預けるのも一苦労だ。



職場に復帰しても、男性と同じ立場に戻れるとはかぎらない。


男性同様一生懸命仕事をしようと思えば、保育園が終わる時間には帰れなくなってしまう。


頼る先として浮かんでくるのは、夫もしくは妻の両親となってくるが、

核家族化が進んだ社会で、親の世代が孫の面倒をみることが可能な世帯はどれぐらいいるだろうか。


そもそも、夫婦ともどもフルタイムで働こうとする夫婦が、

かつてのような3世代がともに暮らす「大家族」で暮らすことを望むのだろうか。

そう考えていくと、民主党が掲げるように「社会で子供を育てる」ためには、

まず国家や社会の在り方を考えていくことが必要であることが分かってくる。

北欧諸国では、女性が1人でも子供を育てることができるだけの手厚い社会保障制度がある。

まさに“国が子供を育てる”社会だ。


一方で、日本は「子供は家族で育てる」という伝統的な価値観も根強い。

「自分が教えている男子学生の多くも『家に帰ったら電気がついていて、みそ汁の香りがする家庭がいい』

という」と話す阿藤教授はこう続けた。

「現在の日本では、どちらの社会に振り切ることも難しいだろう。

多様化する社会ゆえ、政権政党も、

いろいろな層に受け入れられようと思えば思うほど、方向性はあいまいにならざるを得ない」



さて、あなたは、どのような「社会」の在り方を望みますか-??