以下、週刊ダイアモンドより
国が定めた設置基準を満たし、
公費によって運営される保育園を「認可保育園」と呼ぶが、
申し込みしながらも入園できない「待機児童」は現在2万5000人を超えている。
更に、厚生労働省の試算によれば
潜在的需要は80万人を超えるといわれている。
共働き世帯の増加が背景にあるが、
女性の社会進出の度合いを測る指数は日本は世界で54位でベトナムより低い。
子供がいても安心して働ける社会をつくるには、保育園の拡充は急務なのである。
認可外保育園は、公立認可保育園と社会福祉法人が運営する私立認可保育園以外のこと。
基本的に補助金はゼロである。
認可保育園には正社員夫婦が優先的に入園でき、
休職中や非正規雇用の夫婦の場合は優先度が低い。
総務相の労働力調査によると、
2008年から2009年にかけて女性の正規従業員は10万人減少する一方、非正規従業員は14万人増えている。
なぜ、保育園が増えないのか
そこには、少ない予算、硬直した制度、その制度を守りたい既存の保育園の存在がある。
予算についてだが、待機児童の解消のために年間の運営費だけでも
最大1兆4000億円が必要だが、この厳しい財政事情の下では予算枠を獲得するのがとても難しい。
次に、自治体による認可という問題がある。
日本全国の総数で見れば保育園の総数は足りているが
待機児童が問題となっているのはほとんどが都市部である。
よって、ニーズのあるところに適量を機動的に配置できないことが最大の問題であるといわれている。
私立認可保育園の運営主体の90%は社会福祉法人が占めている。
国は2000年に株式会社やNPOの保育園経営への参入を解禁したが、実際には2%以下にとどまっている。
なぜなら、既存の保育園業界が猛反発しているからだ。
社会福祉法人が保育園を新規に設置することを認可された場合、
設備投資のための施設整備補助費が公費として投入される。
国からの交付金を財源に、
各都道府県が設置する「安心子ども基金」から
3年間で2700億円程度が用意されているのだ。
さらに、社会福祉法人は厚生労働省所轄の独立行政法人医療福祉機構から低利で融資を受けられる。
社会福祉法人の法人税、事業税、住民税、消費税、固定資産税は非課税となっている。
とにかく優遇措置が目白押しなのである。
本来なら、保育園の設置主体は社会福祉法人だろうが
株式会社だろうが、子どものためを第一に考えるべきである。
そして参入規制緩和による質の低下が心配なら監査を強化するべきだが、
現状の監査では肝心の「保育の質」はチェックされていない。
ほとんどの自治体が保育を知らない市区町村の職員が担当しているため、
幼児の発達にとってその園が望ましい運営をしているかどうかの判断はできていない。
そして、最大の問題は
これらの監査の実施内容や判明した問題点を厚生労働省がほとんど把握していない点である。
仕組み上、各自治体に任されているため、把握できないのである。