ドクター・ストレンジ | 映画物語(栄華物語のもじり)

映画物語(栄華物語のもじり)

「映画好き」ではない人間が綴る映画ブログ。
読書の方が好き。
満点は★5。
茶平工業製記念メダルの図鑑完成を目指す果てしなき旅路。

★★★★☆

 運転中のスマホはダメ、絶対。という話。

 

 すげー面白かった。

 ただ、映画好きな方々からは、たぶん評判はあんまりだと思われる。マーヴェル作品の常であるが、ツッコミどころはいろいろあるからである。悪役のマッツ・ミケルセンがすげードン臭い奴であったり、主人公があっという間に世界を救う立場になったり、後味が悪かったり。ラジバンダリ。

 しかし、私は映画には常にエンターテイメント性を至高のものとして求めているので、その場限りの快楽があればそれで良いとすら極論的には考えている。その場限りの快楽とは、言ってみればディズニーランドのアトラクションのようなものである。例えば「トイストーリー・マニア」に感動やストーリー性を求める人はまずいないだろう。要は「楽しかった」か「楽しくなかったか」である。

 で、本作は非常に楽しかったわけである。街がグネグネ、グニャグニャして、その中で戦闘を繰り広げるのが楽しい。ただただ楽しい。それだけで良い。楽しければ良いのである。私は3Dが嫌いなので2Dで鑑賞したのだが、これは3Dで観れば良かったかなーとちょっと思うくらい、空間的視覚効果がふんだんになされていた。

 ストーリーとしては、天才外科医の主人公が、スーパーカーで山道の追い越し禁止道路を走行中に前の車を追い越しながらスマホ運転していて事故に遭うという言いにくいけど自業自得の悲劇に遭い、外科医の命である両手がマヒすることになるということから始まる。で、元恋人に当たり散らしているうちに「下半身不随だった男が今では歩いている」という情報を手に入れ、そこからチベットに行って、なんだかんだで魔術師集団に入信。修行開始で才能バリバリ発揮→調子が良くなってきたところで悪者の存在を知りビビる→嫌々戦ううちに最前線へ躍り出る→師匠死んだからその地位に代わりに付く、というある意味王道パターンを歩むことになる。最近のヒーローは、「悪を許さん! 正義の名のもとに!」というのは少なく、逆に「ビビりながら嫌々戦っているうちに戦いの最前線へと立つ」というパターンが多い。まあ確かに、普通なら最初からやる気満々ということはないと思うが。で、本作はまあ、大体そんな感じである。

 ストーリーはつっこもうと思えばいくらでもつっこみどころはあるのだが、そんなことはどうでもよくて、本作のウリは映像である。古くは『インセプション』等でもあった、街がグニャグニャと多重化するというか四次元化するというか、目が回りそうになるやつである。あれが素晴らしい。これを映画館の大スクリーンで鑑賞すると、まさにUSJのアトラクションなのである。これを体感するだけでも価値あることだと考える。

 私は刹那的な関係を楽しむタイプなので、こういう方が好きである(あくまで映画の話)。恋も映画も人間関係も悲しさにおぼれたりはしない。

 悪役にマッツ・ミケルセンを配していて、これがまたかっこよかった。かなりドン臭いのが否めない悪役だったが、マッツ・ミケルセンがかっこいいので、そういう要素がなんとなく曖昧になっているのである。俳優の善し悪しはこういう点でも大きい。すごくかっこいいとそれだけで悪役を全うしている気がしてくるのである。

 また、マッツ・ミケルセンといえば、私の最愛の人だった人が一番好きな俳優である。だから良いというのかと訊かれれば、「はいそうです」と答えざるを得ない。好きな人が好きな人を好きになるというのが好きだということではないのかね?(30代のキモい発言)。

 アベンジャーズとの絡みもあるようで、最後に「ハンマーさん」との対談がなされていた。

 

 ↓ハンマーさん

 

↓私の中のハンマーさんといえば(関係ない話)

 

 ハンマーさんにビールを振る舞っていたのだが、これが飲み干すと勝手にまたジョッキが満たされるという素晴らしい仕様で、飲み放題いらずでうらやましすぎた。魔術師になると家系におけるアルコールのエンゲル係数が減るという一点のみであってもぜひ魔術師になりたいと思った。ビールが飲みたい。