怪盗グルーのミニオン危機一発 | 映画物語(栄華物語のもじり)

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「映画好き」ではない人間が綴る映画ブログ。
読書の方が好き。
満点は★5。
茶平工業製記念メダルの図鑑完成を目指す果てしなき旅路。




★★★★☆
 ミニオンがラブ

 最初に言及しておくが「ミニオン危機一発」を「ミニオン危機一髪」と表記するのは誤りらしい。理由は知らないが。それこそ配給会社のミスかしら。
 さて、私は30を越えたいいオッサンなのだが、何を隠そう可愛いものが大好きである。リラックマは好きだし、ポムポムプリンとか超好きである(キモーい)。最近は楽天のキャラクター「お買い物パンダ」にハマり、LINEのスタンプで多用している有様である。私とLINEをする人は、30過ぎたおっさんからパンダを多数送りつけられる。もしUFOキャッチャーでぬいぐるみがあったら、もう大人の財力を駆使して必ず取ろうと思っているくらいである。そんな私であるのだが、このミニバナナみたいな生き物が活躍する本作は、映画館の予告編でよく観ていたので存在自体は知っていた。が、なんかちょっとキモイし、何言ってるかよくわからないから、全然興味はなかった。
 が。
 『アメリカン・スナイパー』を鑑賞して言葉にならない荒んだ気持ちになった私に、「そういえば予告のときになんか黄色いやつがいたな~」という天啓が降りてきた。
 あるいはそれは、傷ついた心を嫌そうとする自己防衛本能だったのかもしれない。
 あるいはそれは、元々内心では心惹かれていたのかもしれない(好きだと気づかない)。
 私はそのミニバナナ達が発する理由の分からない引力に導かれるように、本作をレンタルした。まさかこれが2作目だとはつゆ知らず。そう、主人公の「怪盗グルー」はすでに怪盗を辞めていたというね。その理由も不明だし。
 で。
ミニバナナ軍団は、私の傷ついた皮を一枚ずつ剥いていくかのように、私の心を解きほぐしてくれた。かわいいのである。そう、かわいいのである。全てがかわいい。
 ミニオンたちのポップでキュートなやりとりを観ているだけでもう十分なのである。目の前で飛び跳ねていたら、私はギューっと抱きしめていたことだろう。あるいは舐め回していたかもしれない。べろべろ。

 そして、ストーリーもまあまあ楽しい。「必然性」だとか「筋道」とかそういった小難しいことは抜きにして、観たままを素直に楽しむ心があれば、十分に楽しめる内容となっている。吹き替えも鶴瓶が担当していて、舞台がアメリカであるのに謎の関西弁を駆使していることをわざわざツッコむのは無粋というものである。どう考えても見かけがなんとなく似ているから選ばれたんだろうこともツッコむのは野暮というものである。
 ストーリーとしては、「かつての大泥棒が、秘密捜査組織にハンティングされ協力する」というよくあるといえばよくある話である。それと並行して、謎の組織がミニオン達と次々とさらっていくという話が展開され、ミニオンがやたらとかわいいのである。そう、ミニオンがかわいい。
 前作を全く観ていないので理由はわからないが、怪盗グルーは3人の身寄りのない女の子を育てている。「女の子をおっさんが養育している」という点で、アメリカという土地柄、一歩間違うとすぐに通報されそうなシチュエーションなのだが、そもそも「元怪盗」だったのだから、どちらにしても通報されるときはされるのである。そして、一緒に住むミニオン達がかわいいのである。
 ミニオンがかわいい。それだけでよいのである。それがずば抜けた映画なのである。か、かわいいよぉ……はぁはぁ。

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