今ガレージでサスペンション交換作業中のランクル100
リフトアップで重要な場所はいくつかあるけれど
実はいろんな大切な箇所が関係しています
まずはリアサスペンション
左がごく普通の2インチ(5センチ)アップのスプリング
右がジオラマサスの3インチ(7.5センチ)アップのスプリング
線形で2ミリ太いから車高が多く上がるジオラマサスの方が自由長が短く出来ている
リアには強いバネレートを入れたい
純正と同じバネレートだと、アクセルを踏んだときにリアに荷重がかかってリアが下がってしまう
(実際にはショックが沈むスピードに大きく変わるからスプリングだけの問題では無いけれど)
こんな時、フロントの伸び側のストロークがたっぷりあればいいんだけど、純正長のままでは役不足だから
フロントが持ち上がり、加速時にはフロントのトラクションが低下する
こんなセッティングの場合は、滑りやすい路面ではフロントタイヤが簡単にスリップを始める
標準のデフだと片側がスリップすれば片側には駆動は伝わらず、四駆なのに2WDになってしまう・・
じゃあフロントの伸び側を増やせばいいと思った場合、20mm程度長いショックが有利になる
純正ショックを装着した100をジャッキップするとこんな感じ
あと少し長ければ黄色の↓の隙間が少なくストロークが増える
この写真はショックは伸びきり状態だから
あと15mm~20mm長ければ、タイヤでは30mm40mmのストロークが稼げる
リアの沈み込みを遅くするにはビルシュタイン等のショックを装着+しっかりとした強いバネ
フロントのトラクションを確保するには、長いショックが必需品でノーズダイブを適度に押さえる力も必要
フロントのスタビライザーを取り外したら、舗装路のコーナーでイン側のタイヤが浮き気味になって
スリップする事も無くなる
いくら四駆といえども舗装路がガンガンとばせない車で、ダートや悪路が走れるとは到底思えない
低いスピードだけで走って考えるから気づかない事が多い
タイヤを押さえつける力が多いほどスリップが少なくなる
すなわち前に走る駆動力が高い
サーキットであろうと悪路であろうとこの当たり前の事は共通してる
柔らかいだけのバネは、乗り心地が一見良いとされる
しかし、それではふわふわするからショックを堅くっしたりとか・・
これでは乗り心地も良くならず、乗り味も良くならない
スプリングは堅ければ良いこともなく、あくまで最適な強さが一番
車がゆらゆら揺れてるオフロードマシンをよく見るけど
タイヤが空転したらその反動トルクで車が持ち上がるほど揺れているマシンもある
これだとタイヤは接地していても前には進む力が弱い
その車にあった最適なサスペンションセッティングが必要
単に高価な商品が良いのでもなく、カタログのうたい文句をそのまま信じる事もNG
バランスを取りながら、押さえるべき大切な部分はハズなさい
とっても奥深いサスペンション
パーツの交換は知識があれば誰でも出来ると思う
でもサスペンションは簡単には語れない
エンジン出力よりも、安心してアクセルを踏めるだけの足回りが一番大切
サスペンションセッティングは一人前に走れる事が最低条件
同じようなタイムで走れたとしても走り方の懐の深さで実力が大きく違う
取り付ける機械的な技術よりも、判定する能力を磨きたいものです
カッコばかりのショップではなく、独自の道を進んで行きます
走る理論や感性から、バランスや完成度を大切に
常にベストを考え、お客様には副作用の少ないよりベターな仕様を・・
それが会社の命と考えます
イコール僕の命かもしれません