あっという間に師走。

全ての仕事に必要ではありますが、指揮や指導活動にも、入念な予習復習が必要でありまして、平日はほぼそれに費やしております。

 

11月30日の奄美オーケストラ定期演奏会はブログでご報告したとおりですが、11月も中身の濃いひと月でありました。

 

1日にはワグネルのホルンセクション演奏会を日吉にて。仕事の少なかった(ほぼ無いに等しい)6月〜8月初旬にかけて編曲していたホルン12重奏版「魔法使いの弟子」を全体合奏で披露、指揮しました。



 

2日は、今月(12月)演奏会を控えている新世紀管弦楽団のリハーサル、夜にポルトフィルのリハーサル。

 

6日はブログにも書きましたサントリーホール小ホールでの堤さんによる「チェロ奏者のためのマスタークラス」を拝聴、演奏技術面でのヒントを沢山いただきました。



 

9日はブログにも書きましたクラリネット奏者春田傑さんをお迎えしてのポルトフィル第3回定期演奏会。小さな傷はあったものの、難曲であるレーガーの作品をメンバーの皆さんと創りあげることができたのは、得がたい経験でした。



 

10日はドルチェ楽器で開催されたマッテオ・トレンティン(リヨン国立オペラ管弦楽団首席オーボエ奏者)によるオーボエのマスタークラスを拝聴、音楽的な指示は観点がほぼ同じで、様々な事の再確認になりました。



 

13日はウィーン・フィル奏者によるコントラバス公開マスタークラスを拝聴、主にメンタル面からのアプローチの仕方など。質問コーナーではアマチュアオーケストラで活動されている方からなのでしょう、合奏でいつも言われることについてなど。個人的にはワルツでの弾き方が収穫。 



 

15日午後に2月に指揮する東京海上フィルのリハーサルのあと、羽田から福岡に飛び一泊、翌16日早朝に奄美に飛び、午前から夜まで奄美オーケストラの集中リハーサル。17日は鹿児島乗り継ぎで羽田に戻り、午後からの東京音大での指揮レッスンを受けておりました。



 

19日はさいたま市健康診査で近所の医院へ。大腸内視鏡検査を永らくしていないということで、来月に予約を入れました。

 

20日はみなとみらいへベルリン・フィルを拝聴。ペトレンコがベルリン・フィルのシェフになったときには、故湯浅先生含め我ら門下生一同大喜びでした。ペトレンコが探究心旺盛だったとの話を湯浅先生から何度伺ったことか。個人的にはヤナーチェクのラシュスコ舞曲が一番面白かったかな。ペトルーシュカも、やりたくなりました。



 

三連休は様々な団体さんで指導の毎日、25日は城谷さんが指導役としてのオペラの勉強会「Jの会」を見学拝聴。もっともっと勉強確認していかねば、と。



 

27日に奄美入り、27,28日と夜は奄美オーケストラのリハ、29日はホールでの一日リハーサル、30日が本番でした。(ブログに詳細あり)



 

10月下旬は掃除機をかけ終わった際に軽くぎっくり腰になり、コルセットしたまま仕事していました(笑)

11月は歯科の定期健診や上述した健診など。来月下旬は大腸内視鏡検査がありますので、飲み過ぎないで良さそうです。

 

 

 

そろそろ来年の活動予定も出そろうところですが、まだ4月第2週から8月下旬まで、殆ど確定事項の仕事が入っておりません。(おそらく現在のところ毎年この時期が一番時間が有りそうです)

演奏会指揮並びに合奏指導、分奏指導等、お気軽にご相談ください。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

阪本正彦

11月30日、晴天の中、奄美オーケストラ定期演奏会、終了いたしました。



 

創設から毎年欠かさず(コロナの年も)演奏会を続けられてきたこと、素晴らしいと思います。関係者の皆様方に感謝いたします。(コロナの2020年は練習も少なくなり、存続も危うくなりそうだったので、音楽で元気にしていくのが奄美オーケストラだからと背を押して、短時間のコンサートを行いました)

お客様も楽しまれた様で、沢山の運営資金寄付をしていただいたようです。ありがとうございます。



 

今年は春の転勤でのメンバーの入れ替わりが多そうだということで、春にプライベートで訪れ、メンバーの確認と選曲について話し合いました。

私からお願いしたことは、弦楽合奏を入れること、せっかくベートーヴェンの第九全楽章や5番の交響曲が出来るくらいのスキルがついてきたのだから、メンバーは少なくともそれを維持、成長できるくらいの曲は一つ入れましょう、と。エルガーのセレナーデ(第一楽章のみ)、メンデルスゾーンのメルジーネを選曲いたしました。

最終的に、エルガーは一人ひとりは完璧ではなくとも、合奏としては音も良くなり、流れも毎回対応力が上がってきて、指揮無しでも音楽的に演奏できるレベルになり、11月くらいから全楽章でもよかったなと思うくらいに。本番もとても素敵な演奏をしてくださいました。

メルジーネも、管はソロが多く、弦では♭が多くまた静かなレガートでの移弦も多いので苦労されていましたが、前日リハでは指揮無しで物語に沿う様に通る様に。

オーケストラとしての表現力が増してきているのを実感いたしました。2013年10月に初めて訪れた時の衝撃は忘れておりませんので(笑)、感慨深いです。日頃のリハーサルを頑張っておられる皆様、素晴らしいです!

 

その他の曲目は、オーケストラ側での選曲で、昭和100年を振り返る内容。コンミスのF先生が以前から取り組まれている弦楽器教室からの出身者の皆さんもメンバーとして参加できるような編曲ものもあり、次世代も育てているところです。中学三年の男子は全曲暗譜できていたそうです。今回インフルエンザで残念ながら参加できなかった小学生女子も、リハーサルではしっかり弾かれていました。

 

演奏会には鹿児島本土からの応援メンバーや、島内島外からも応援メンバーが参加してくださいました。教育や医療関係の方々が多く、長期のメンバー固定が中々難しいところではありますが、奄美出身者、勤務で滞在されていた方々が年に一度、演奏会を期に集って演奏会が開けることも嬉しいことです。





 

今回はホールの音響設計責任者であったAさんが前日ホールリハから付き添い、ステージ上での奏者の位置を確認してくださり、とても助かりました。当日GPで最終確認、演奏会を見守っていただきました。ありがとうございました。


(↑Aさんによる音響の確認作業中)

 

来春には恒例の移動がありますので、その頃にまたメンバー安否確認?のため奄美に参ります。

本当はホエールウォッチングにも行きたい…2月〜3月頃

 

#奄美オーケストラ

#定期演奏会

#奄美大島

#阪本正彦

ポルトフィルの定期演奏会から一夜明けた10日は、午前中は体力回復に努め、指揮レッスン(ブルックナー交響曲第5番ハース版にて受講中)の復習予習、午後に東京音大でレッスン受講。(ピアノ2台ですが)ブルックナーの音に近づいてきたと褒めていただきました。

指揮を生業にしているとはいえ、まだまだ研修は尽きず、また改善点もありますので、経済的にゆとりのない自分にとっては大変有りがたい研修制度です。

 



受講後は新宿へ移動し、ドルチェ楽器でのマッテオ・トレンティン(リヨン国立オペラ管弦楽団首席オーボエ奏者)によるマスタークラス&ミニコンサートを拝聴いたしました。

マスタークラス受講者は贅沢にも、プロ奏者お二人(榎かぐやさん、荒木良太さん)! 

トレンティンさんのアドバイスで、お二人とも表現がより豊かになっていく様は、興味深かったです。

歌劇場のオーケストラ奏者ですので、歌い方のアドバイス、また演奏お手本がお見事でした。観点がほぼ同じだったのが、収穫かもしれません。これからの指揮活動にも更に活かしていきたいです。

 

 

指揮、合奏指導等、日本全国どちらへでも伺います。お気軽にお問い合わせください♪

特に来年春〜夏頃が現在空いております。再来年以降も受け付けております。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

ポルト・フィルハーモニー管弦楽団第3回定期演奏会、昨日(9日)無事終演いたしました。 

 





お足元芳しくない中、ご来場くださいました皆様、ありがとうございました。スタッフ、メンバー共々、心より御礼申し上げます。

 

クラリネット協奏曲でご一緒した春田さん、素晴らしい演奏、ありがとうございました。ステージ上で一緒に遊び楽しんでいたように思います。



 

レーガーは難曲で、事故は少なからずありましたが、様々な変奏をリハーサルから経ていく過程で、オーケストラの実力が少しずつ上がってきている感がありました。ゲストハープは浅野華さん、ありがとうございました!



 

ベートーヴェンでは、メンバーがまだ若い方々ですので、勢いだけで演奏しないよう、お祭り騒ぎで終わらないように作り上げてきたものが、完熟ではないものの、幾つか実りを実感できたように思います。

次のブラームスへ進む道が見えてきましたね。

皆さん、ありがとう!

 

 

第4回定期は2026年4月4日(土)杉並公会堂にて、昼公演。

メインはブラームス/交響曲第3番♪

ピア二スト實川風さんをお招きしてリスト/ピアノ協奏曲第1番。

https://teket.jp/9404/59301

チケット発売中です!

 

第5回は2026年10月12日(月・祝)横浜みなとみらい大ホールにて昼公演。詳細はまた後ほど(ソリスト交渉中)。

 

 

 

今月は月末に奄美オーケストラの演奏会を指揮します。



来月は新世紀管弦楽団の定期演奏会を指揮します。



 

指揮、合奏指導等、日本全国どちらへでも伺います。お気軽にお問い合わせください♪

特に来年春〜夏頃が現在空いております。再来年以降も受け付けております。

どうぞよろしくお願い申し上げます。



備忘録

ドイツ帝国成立後の1873年に生まれたマックス・レーガーは、1916年に心筋梗塞により急死するまで、主にオルガン奏者、作曲家、指揮者として活動した。自らをドイツ三大Bの正統な後継者として位置づけることを好んでいたらしい。オルガン曲によって名声を得たが、作品にはフーガ変奏曲形式で作曲された作品が多い。
レーガーが生まれた頃、ブラームスはまだ交響曲を書いておらず、ブルックナーは交響曲第3番を書き上げ、2年前にはジークフリートやアイーダが作曲され、2年後にはチャイコフスキーがピアノ協奏曲第1番を書き上げている。
世界恐慌が過ぎ去った後、レーガーが13歳にして教会のオルガニストになった頃にはブラームスは既に交響曲第4番まで書き上げており、ドヴォルザークの交響曲第7番、マーラーの交響曲第1番、グリーグのホルベルク組曲も作曲されていた。ワーグナーは世を去っており、リストも亡くなった。1889年第4回パリ万博の頃、ブルックナーは2年前に交響曲第8番を書き上げており、ドビュッシーはまだ27歳。R.シュトラウスがドン・ファンの成功に続き、死と変容を書き上げた。
1905年にミュンヘン王立音楽院の作曲科教授に着任した頃、サロメが書き上げられた。薔薇の騎士は1910年、シェーンベルクのグレの歌が(長き中断を含んではいるが)1911年。

「モーツアルトの主題による変奏曲とフーガ」は1914年に作曲されたが、第一次世界大戦の影響で初演は翌15年1月となった。レーガー曰く「気品に満ち、俗世の苦しみから解き放たれている」らしいが、弾く方はそれどころではなく、当時の世相を表すかの様に細かく繊細な音符が並ぶ難易度の高い作品である。多国籍、多民族の融合、平和を曲で表そうとしたのかも知れない。

テーマは、モーツァルトのピアノ・ソナタ第11番の第1楽章の主題から。テーマは木管アンサンブルと弦楽によって交互に奏でられる。第1変奏は伴奏が森の中で鳥がさえずるかのように旋律の周りを遊んでいる。途中から高声部に旋律の反行形が第2変奏の予告として現れる。第2変奏はその主題反行形を主軸として、半音ずつ上昇していくオブリガートが乗せられる。第3変奏は拍子を移して主題が奏でられ、リズムの掛け合いがちょっかいを出されているようで面白い。第4変奏はブラームスの(「ハイドン・ヴァリエーション」)パクリそのもの?但し付けられているハーモニーは単純ではない。第5変奏はバス群が隠された旋律、(第2変奏での上昇オブリガートから)半音ずつの下降する旋律を軸に進む。人を食ったかのように何度も急ブレーキが掛かるが、そこも味わい深いところ。第6変奏は宮廷の庭を眺めているかのようなのどかさ。その庭では、子どもたちが花を積んだ籠を腕に、楽しくおしゃべりしているかのように思える。第7変奏は主題が元の形で出現、主題のリズムを入れ替えながら半音で降りていくオブリガートもあるが、この変奏での特徴は(最初はヴィオラ)時折聞こえる臨時記号で下げられた箇所の憂いがかったハーモニー。第8変奏は非常に緩やかな歌。実はこの中にR.シュトラウスの組曲作品4のフーガに出てくる旋律と酷似する部分が有る。気付くのが遅かったなぁ。フーガは気品有る対位法で、発展していった先が、ここまでの変奏と同じく全てを聴き取るのが大変な作品。
 
果たして日曜の本番でどのようにお聴かせ出来るのか、ワクワクドキドキ。