東京芸術劇場2026年度パイプオルガン講座
第99回レクチャー・コンサートを拝聴。
講師は東京芸術劇場オルガニストの徳岡めぐみさん、ジャン=フィリップ・メルカールトさん。
内容は、来月来日公演されるオルガニスト:トーマス・トロッターさん(英国バーミンガム市オルガニスト)に合わせて、イングランドでのオルガンの歴史、オルガン音楽の発展に焦点を当てたレクチャー。後半は徳岡さん、メルカールトさんお二人によるコンサートでした。
14世紀から17世紀半ばまでのイングランドの歴史を振り返りながら、時の国王による宗教政策の影響を教会も受け、オルガンもペダル(トーン)が無いものが殆どであり、オルガン曲も一進一退があり、最終的には1666円のロンドン大火によりイングランドには当時までのオルガンが一切残っていないことは初耳。イングランドで現存している教会オルガンは全てそれ以降の物(現存最古はおよそ1670年頃のアドリントン・ホールのオルガン)とのことでした。
その後パーセルやヘンデル、スタンリーなどのオルガン作曲家が活躍、1829年にはメンデルスゾーンがイギリスを初訪問があり、ベストや近年ではハウエルズ等がオリジナルだけでなくオルガンの機能を使いこなした編曲作品を多数残し、現在に至るそうです。
コンサートは前半はバロック・オルガンにてパーセル、スタンリー(金管アンサンブルでも映えそうな曲でした)の作品に続きヘンデル(デュプレ編曲)、バッハ。後半はモダン・オルガンでメンデルスゾーン、エルガー、ハウエルズの作品を。メンデルスゾーンのソナタ第3番(op.65-3)よりコン・モート・マエストーソは、序奏を抜けた後の主題が、フィンガルの洞窟や交響曲第3番(スコットランド)の主題と似ていて、イギリス初訪問の出来事が色濃く出ているように感じました。エルガーは、フレーズ終わりのエルガー節。ハウエルズのオリジナル作品「巨匠タリスの遺言」(10月にトーマス・トロッターさんがリサイタルで弾かれる作品)は、以前にも耳にしたことのある気がする響きで、その言葉に聴き入られなければならない世界へと誘われます。最後は再びメンデルスゾーン(ベスト編曲)のオラトリオ「聖パウロ」より序章。オルガンの持つ様々な音色を使い分け、オーケストラとコーラスが眼前に浮かび上がる素晴らしい演奏でした。
10月のトーマス・トロッターさんのオルガン・リサイタルも楽しみです!











