ベスト・アルバムのジャケット その31 | 愛は限りなく ~DIO, COME TI AMO~

愛は限りなく ~DIO, COME TI AMO~

一粒の雨にさえ心揺れることもある。いつもどんな時も心閉ざさずに…。

本日12月8日は矢沢永吉さんのベスト・アルバム「THE ORIGINAL 2」(1993年)が発売された日です。

しかし、このCDを私は持っていません。

ある人に贈るために購入したのですが、発売日が発売日だったので憶えていました。

クリスマス・プレゼントではなく、誕生日のそれとして買ったのも憶えているし、何の曲を友人が気に入ったから「THE ORIGINAL 2」を選んだのかもきちんと記憶しています。

まあ、個人的な話はこの辺で。

 

ベスト・アルバムに題名を付けて連作とするのは、今井美樹さんの『Ivory』と同じで好ましいです。

しかしながら、前作「THE ORIGINAL」(1990年)には題名とは裏腹に“THE BORDER”と“FLASH IN JAPAN”と本人作曲でない作品がふたつも入っています。

だから『オリジナル』と呼ぶのは抵抗がある…というのは、勿論冗談です。

どちらも矢沢さんへの書き下ろしであり、カヴァーではないから、永ちゃんの持ち歌と言えるでしょう。

 

ジャケットは上半身裸になって浜辺で大の字になった、いかにも夏仕様ですが、夏に出たベスト盤ではありません。

ブックレットの中身はレンタル店で確認しました。

サイクリングを愉しむ写真が載るなど、非常に明るい表情が印象的です。

もし、トロピカル色の濃いオリジナル・アルバムだったら、この装丁でファンの人も充分納得したのでは。

 

 

1. ニューグランドホテル

2. ラスト・シーン

3. 夢の彼方

4. Let's Make Love Tonight

5. アゲイン

6. くちづけが止まらない

7. BIG BEAT

8. FLESH AND BLOOD

9. 東京

10. 黄昏に捨てて

11. DON'T WANNA STOP

12. 夜間飛行

13. DIAMOND MOON

14. 心花(ときめき)よ

15. “カサノバ”と囁いて

16. Anytime Woman

17. 愛しい風

 

 

本ベスト盤の趣旨は前作から考えて、シングル集なのは明らかです。

で、1991年から1993年までに出たシングル曲と、前作から洩れた(収録しきれなかった?)曲を入れるだろうと私は予想していました。

ところが、わずか3年で17曲とは多過ぎると思いつつも、当時調べてみたら、1枚のアルバムから複数のシングル曲を出していたんですね。

もっとも、“夜間飛行”や“DIAMOND MOON”はアルバム曲です。

恐らくファンから人気のある作品だと判断して収録されたのでしょう。

それはわかります。

 

ただ、私が期待していたのはそこではありません。

ここまで申せば先はわかりますよね?

アルバム未収録シングル曲を当然入れてくるだろうと普通は考えるじゃないですか。

“ルイジアンナ”(再録、1988年)、“六本木ショット”(1989年)、“バラードよ永遠に”(1989年)、“I LOVE YOU, OK~1990 Version~”(1990年)、“Sail Away”(1992年)、“Anytime Woman~English Version~”(1992年)の6作のこと。

かろうじて“SOMEBODY'S NIGHT”のB面“アゲイン”だけは収録されましたがネ。

 

当然、これら6曲を入れれば、1枚のCDに収まらないでしょう。

そうなると、必然的にアルバム曲は落とさねばなりません。

先に上げた2曲に加え、“Let's Make Love Tonight”と“カサノバと囁いて”の合計4曲は残念ながら見送り…。

それでも仮に入りきらないとなると、アルバムから切られた2枚目、3枚目のシングルB面曲も対象にせざるを得ませんか。

 

“Sail Away”なんて忘れられてしまうには非常に勿体ない作品だと思います。

アコースティック・ギターのイントロからはちょっと想像ができないヴォーカル・メロディですが、懐の深い永ちゃんの声を100%生かした名曲です。

珍しくドラムが入らず、コンガがその代わりを果たしています。

しかし、トロピカルな雰囲気の曲にあらず。

歌詞の一節『夜霧が残る桟橋』とあるように、非常に寂しくて身を切るような寒ささえ感じられます。

それはエレクトリック・ヴァイオリンの音色からも感じられる。

サビでの押し寄せる波の如きシンセサイザーも良いですね。

 

同曲は“Anytime Woman”のB面として世に出ました。

同名のアルバム自体はジョージ・マクファーレン・プロデュース、ロンドン録音・制作です。

でも、エレクトリック・ヴァイオリンと言えば米国人のジョン・マクフィーしか考えられません。

ベース・ギターはジャズ・ロホリー(ロックリー)と思う方も居られるかもしれませんが、ジャズ・ロホリーならサビやフィル・インでもっと派手にスライド(グリス)を披露するでしょう。

とは言え、“Sail Away”のベース・ラインは非常に美しい音色とフレーズですよ。

ヴァースこそ音数が少ないものの、サビではヴォーカルとデュエットするかのような演奏はなかなかの聴き物。

ジョージ・ホーキンスさんによるプレイ?

 

コンガもまた見事な演奏ですが、一体誰が担当したのか?

時期的にみてボビー・ラカインドがプレイしているとは思えません。

なぜならボビー・ラカインドさんは当時既に体調を崩されていたからです。

 

 

 

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Ibaraqui, le 8 décembre 2018