転機となったflow into space Live | 愛は限りなく ~DIO, COME TI AMO~

愛は限りなく ~DIO, COME TI AMO~

一粒の雨にさえ心揺れることもある。いつもどんな時も心閉ざさずに…。

事情により1日遅れとなりましたが、1993年の10月18日(月)すなわち今からちょうど25年前には、今井美樹さんの大阪公演を見ていました。
会場はフェスティバルホール。
今井美樹さんにとっては、この『flow into space Live』で初めてフェスティバルホールの舞台に立ったことになります。
1987年はサンケイホール、1988年夏のツアーは厚生年金会館大ホール、そして同年冬のクリスマス・コンサートは大阪国際交流センター、1990年は通常通り厚生年金会館でしたが、1990年はどうしても都合が付かず1日もライヴが見られませんでした。
 
そして1991年の「Lluvia」発売後のツアーは開催されず、1992年は「flow into space」が12月に出たこともあり、ツアーは1993年に回されました。
よって、私からすれば1989年の『MOCHA』ツアー以来4年振りに見る今井美樹さんのコンサートになります。
ただし、毎回見に行かれている人にとっても、1990年の『retour』ツアーから3年空いており、そんなに大騒ぎする話ではないかな…。
とは言え、『retour』ツアーでは“瞳がほほえむから”(1989年)が初演され、1980年代の曲が大体的に披露された最後のライヴでもあります。
 
 
1993年10月18日(月)フェスティバルホール

1. Lluvia ☆
2. ひとりになってみよう ☆
3. 夢の夜 ☆
4. 素敵なうわさ ★
5. The Days I Spent With You ★ 
6. amour au chocolat ★ ※
7. ?
8. 空に近い週末 ※
9. PIECE OF MY WISH
10. 半袖
11. Blue Moon Blue ★ ※
12. Anytime Manytimes
13. 初恋のように
14. ふたりでスプラッシュ
15. SATELLITE HOUR ☆
16. 幸せになりたい
17. Bluebird △
 
~ENCORE~
 
18. 瞳がほほえむから
19. flow into space ★
 

☆…「Lluvia」(1991年)収録曲
★…当時の最新アルバム「flow into space」収録曲
△…ツアー直前に発表されたシングル曲
 

今井美樹さん…リード・ヴォーカル
 
鈴川まさきさん…エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター※
浅田猛さん…ベース・ギター
青山純さん…ドラムス
小森茂生さん…キーボード(ピアノ、エレクトリック・ピアノ)
岸利至さん…シンセサイザー
北川晴美さん…バッキング・ヴォーカル
 

ご覧のように、ツアーが行われなかった「Lluvia」からも数曲歌われ、最新作「flow into space」(1992年)と同じ扱いであるのが嬉しい。
また、“PIECE OF MY WISH”(1991年)の初演ツアーでもあり、さすがにこの曲での盛り上がりは格別でした。
「retour」も「Lluvia」もシングル曲は含まず、アルバムと無関係なシングル曲があそこまで支持されたのは凄い。
それは“瞳がほほえむから”にもあてはまりますね。
そして“瞳がほほえむから”も“PIECE OF MY WISH”も以降ライヴでは必ず披露される曲となったのはよく知られています。
 
その一方、80年代の曲はすっかり落とされてしまい、“ふたりでスプラッシュ”、“初恋のように”、“Anytime Manytimes”それから“Boogie-Woogie Lonsome High-Heel”のB面曲“空に近い週末”といったやや渋めの曲が残りました。
“野性の風”や“静かにきたソリチュード” “キスより吐息より” “彼女とTIP ON DUO”は聴けなくなり、それだけでも随分と時が過ぎたようにも感じられた。
もっとも、もう一生聴けないと決まった訳ではなく、あまりの変化に少し戸惑っただけで、コンサート自体は素晴らしい内容でした。
 
それまでと大きく違う印象を受けたのは、曲もさることながら髪形も。
今井美樹さんの象徴でもあった長い黒髪をバッサリと切り落とし、ショートで舞台に登場しましたからね。
勿論、髪形の変化は「flow into space」のジャケットを見て知っていたものの、まさかあのままで歌うとは思っていませんでした。
だってアルバムが出てから私がコンサートを見るまではだいぶ時間が経っていたでしょ?
それと、髪をショートにしたのに伴って衣裳も非常に落ち着いてきました。
白や黒を基調にするのは、本ツアーが原点ではありませんか。
途中細身のパンツ(黒)にシャツ姿で歌いましたが、あれはちょっと中性的に見えてなかなか新鮮でした。
かつての白いシャツとジーンズの組み合わせとは異なった意味で。
 
音楽にも当然変化は見られ、1曲目にソフトな“Lluvia”を歌ったのも意外に映った。
なるほど「flow into space」の1曲目もジャズのスタンダード曲のような“Blue Moon Blue”だったので、変化の兆しはありました。
しかし、アルバムを多少スローな曲から始めるのは、「Bewith」(1988年)の“夏をかさねて”にもあてはまり、そんなに驚かなかったですが、まさかライヴであんなソフトな曲から始まるとは予想できませんでした。
ちょっとしたことですが、仮に“SATELLITE HOUR”で幕を開けていたら、2曲目と3曲目がアルバムの順番通りなので、それによって従来の弾(はじ)ける感覚を残せたと言えるでしょう。
つまり、「Lluvia」の1曲目から3曲目がそのままコンサートで再現されるからです。
 
いや、ポップな感覚はむしろ本編最後に発揮された形です。
“SATELLITE HOUR”~“幸せになりたい”~“Bluebird”と続けて歌われ、この辺は現在と違っている。
徐々に加速がついて行き、最後の“Bluebird”で終わったのは良い想い出です。
その中で“幸せになりたい”は今も歌われている定番曲。
そして同じく“The Days I Spent With You”もほぼ毎回披露され、どちらも先日のコンサートで聴けました。
 
“SATELLITE HOUR”は2015年のライヴで演りました。
のみならず、2008年のツアーでは確か「Lluvia」の曲順通り、“SATELLITE HOUR”~“ひとりになってみよう”と続けて歌われたほど。
もしかしたら、新作のお披露目にあたる1993年の本ツアーでも、アルバムの順番に倣って展開する方法を考えていたのかもしれません(笑)
実際、アルバムを聴いていると、1曲目から3曲目までは明らかにライヴを想定した作りになっているとも受け取れます。
 
“Blue Moon Blue”は先ほども申し上げたように、ジャズのスタンダード曲に日本語詞を付けて歌ったカヴァーと言われても通じるでしょう。
それまでには見られなかった傾向の作品だし、コンサートを見る前は『ライヴで歌うかどうかは微妙』と思っていたものの、当日の雰囲気からすれば不思議と合致していました。
美樹さんの外見が変わっただけでなく、客層の多くも学生から社会人になったのではありませんか?
良い意味での落ち着きが、コンサート会場全体から漂ってきたことを今も憶えています。
MCの『今年で私は30歳になりました』との言葉がそのままライヴに反映された稀有な公演とでも言おうか…。
 
 

 

 

 

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Ibaraqui, le 19 octobre 2018