ファン心理 | 愛は限りなく ~DIO, COME TI AMO~

愛は限りなく ~DIO, COME TI AMO~

一粒の雨にさえ心揺れることもある。いつもどんな時も心閉ざさずに…。

昨晩、友人から電話をもらいました。

事務的な連絡だったはずが、やはり話題(余談?)は音楽の話。

まず、山下達郎さんの新作がようやく9月に出るとの知らせを受け、

思わず飛び上がったのは言うまでもありません(^^;。

でも、今回この話はしません。


友人(ここでは仮にYさんとします)が「複雑な心境だ」と何度も漏らし

ていたのが、クイーン来日の知らせ。

ポール・ロジャースとクイーンのメンバー、ブライアン・メイ、ロジャー・

テイラーという編成…皆さんもよくご存知だと思います。


以下、Yさんの意見です。

<今回、スポーツ新聞に出た公演日程に大阪が入っていないのが

気になる。だが、大阪で行われるにせよ、なぜか今回胸がときめか

ない。現在の編成でのライヴは音源も映像(引用者註 ブートの意

味)もチェックした。概してブライアンとロジャーに安定感を欠く演奏

が多々ある。ポールは以前同様にしっかりしている。しかしいくつか

は、やはりポールのスタイルと合わない曲も少なくないように思う。

その一方で再びクイーンの曲を、半分とはいえ残りのメンバーと大

好きなポール・ロジャースの歌で聴けるのは貴重だ。今回の復活が

なければ、このままクイーンの曲を生で体験できなかった可能性が

あるし。だから何だかんだ言っても、来日すれば行くだろうなあ…。>


うーん、わかるような気がする。

私自身はポールはともかく、クイーンはあまり知りません。

でも70年代、彼らが日本で特別な人気をさらったという事実は知っ

ています。

つまり、当時の日本人はクイーンに特別な愛着を抱いていました。

決して海外の大物としての人気ではなく。

このあたり、KISSにも当てはまるかもしれませんが、音楽性やファン

が持つイメージはかなり異なっていたのでは。

しかも、フレディ・マーキュリーという人は歌唱力だけではなく、その

存在自体も特別だったと思います。


ポールは彼らと比較すれば、日本での知名度は高くありません。

若い頃にもう少し来日していれば…。

でも、クイーン・ファンの大半はポールを高く評価しているし、中には

かなり好きな人もいらっしゃるでしょう。

問題はそこではなくて。

クイーンのヴォーカルをフレディ以外の人が務める点。

そこに引っ掛かりを感じるのも無理はありません。

実際、Yさんはポールの大ファンで、来日公演にも行き、CDもその都

度買っていますが、それでも今回は手放しで喜べない、と。

「いっそポール単独で来てくれた方がよかった」。


ところで、ポールとクイーンとの結びつきだけど、個人的な交流は別

として、作品上はというと―。

1993年に出た「マディ・ウォーター・ブルーズ」

この作品で、ブライアン・メイが1曲ギターで参加しています(^_-)。

同作は題名通り、マディ・ウォーターズのカヴァー・アルバムで、他に

デイヴ・ギルモア、バディ・ガイ、ブライアン・セッツァー等が参加。

そして、ジェフ・ベックも極上のブルース・ギターを披露しています!

しかも、通常ギタリスト1人につき1曲のところ、ジェフのみ3曲参加で

すから、いかに彼が特別かよくわかるというものでしょう。

ちなみにジェフの弾いているマディの作品は、“ローリン・ストーン”

“グッド・モーニング・リトル・スクール・ガール”“アイ・ジャスト・ウォン

ト・トゥ・メイク・ラヴ・トゥ・ユー”

どちらかと言うと、ストラトの甘いトーンを基調とした演奏が聴けます。

親指の爪ではなく、指の腹で弾いているのかな?


ポール・ロジャース
マディ・ウォーター・ブルーズ

ポール・ロジャースの洗練された声質は、当初ソウルはともかくブル

ースに合うのかと思っていましたが、それは杞憂に終わりました。

エリック・クラプトンとはまた違った良さが味わえます。


Ibaraqui, le 16 juillet 2005