by Paul Auster
298ページ
邦題もそのまま「ムーン・パレス」。
新潮文庫から出てます。柴田元幸さんというヒトが訳しています。翻訳版も大好きです。
主人公はM.S.Foggという青年。
わたしの印象は、村上春樹作品に出てくる「僕」をアメリカ人にしたらこんなんかなー、というものでした。
内向的で、本が好きで、地味に反社会的で、(性欲以外には)ストイックで(笑)…。
特に日本語で読むとそう感じる。翻訳者の問題かも?
お話はこのM.Sの一人称形式で進行。
内容的に大体3部構成となっていて、↓な感じです。
1.「いきなり!黄○伝説」もビックリ! 超極貧生活で主人公三途の川を渡る(←渡りません。アメリカ人だから)の巻。
2.とんでもじーさんの生い立ちの巻。
3.ついに主人公の秘密が明かされる! 「えっ! ○○○○ってM.Sの○○だったの!?」の巻。
平易な文章なのに、どうしてこんなに複雑な物語が書けるのだろう? それでいて、本筋はとてもシンプル。ネタバレになるから書かないけれど、一言で話の筋を説明することも可能。根や幹がとても堅固で枝振りの良い巨木のような作品だと思います。ついでに笑えるし。
中盤に銃を打ち合うシーンがありますが、その描写を読んだとき、わたしの頭の中で確かに銃声が轟きました。本を読んでいてこのような体験をしたのは、後にも先にもこれが初めてだった!
面白さ:★★★★★
英語の読みやすさ:★★★★☆
変態的な爽やかさ:★★★★★