久々に歴史小説にハマった。
歴史小説といっても隆慶一郎の作品は(もともと脚本家出身ということもあって)かなりエンタテインメント性が高い。
最初に読んだのは『一夢庵風流記』。
- 一夢庵風流記 (新潮文庫)/隆 慶一郎 ★★★

- これは『花の慶次』というマンガの原作にもなっている。前田利益(慶次郎)というカブキ者の戦国武将の、破天荒っぷりを描いた作品。慶次郎の命を狙っていたはずの忍びが、いつの間にか慶次郎に男惚れして家来になってたり、秀吉の命令に逆らったのに逆に「骨のあるやつ」と気に入られたり、前田利家の愛妻まつと熱い愛を交わしたかと思えば、朝鮮で王族の末裔と恋に落ちたり。マンガっぽくて実に痛快。
次に読んだのは『吉原御免状』。
- 吉原御免状 (新潮文庫)/隆 慶一郎 ★★★☆
- 宮本武蔵に「二十五歳になるまでは決して山を出るな」と、人里はなれた山中で育てられた剣豪の主人公、誠一郎。武蔵の死後、江戸の遊郭・吉原を束ねる人物をたずね、そのまま吉原で暮らし始める。次第に明らかになる誠一郎の正体、吉原の成り立ちに秘められた謎、そして最後にたどり着いたのは御免状という書状に隠された、幕府を揺るがす秘密だった・・・。
- この本には、傀儡子(人形遣い)、山伏、陰陽師、説教師、猿楽師、楽人、遊女、巫女などなど、当時定住地を持たないジプシーのような存在だった人々が生き生きと描かれていて、読んでいてとにかく楽しい。隆慶一郎はこのような人たち(「道々の輩(みちみちのともがら)」と呼ばれる)を描くのを終生のテーマとしていたようだ。
そして、絶筆となったこの作品(未完)がまた傑作なのである!
- 花と火の帝(上) (講談社文庫)/隆 慶一郎 ★★★★
- 今度は天皇の駕輿丁(天皇が乗ってるカゴをかつぐ人=これも広義の道々の輩)が主人公。徳川秀忠の恐るべき陰謀と、後水尾天皇の悲壮なまでの決意がぶつかる。またこの主人公がすごいんだ。5歳で自ら天狗に弟子入りしちゃうんだから。マンガっぽくて、キャラの立ったキャラクターが入り乱れながらも、確かに歴史のうねりを感じる一級の歴史小説でもある。最後まで読みたかった~。
BGM:They don't care about us/Micheal Jackson