「前に書いてた本のブログまた書いてよ」
という、とってもとっても奇特&貴重な方のリクエストにお答えして、またぼちぼち本のブログを再開することにしました。
まずは2009年の読書を振り返って。
総読書冊数:130冊
[2009年のベスト10冊(順不同)]
歴史の小咄/司馬遼太郎
・・・司馬遼太郎と日本史学者・林屋辰三郎が歴史について延々と雑談(?)を繰り広げる対談。
「蘇我氏は高句麗人だった!?」「日本人のメンタリティは鎌倉時代に確立された」「前方後円墳は盾を伏せた形(=不戦、平和の象徴)で、唐へのアピールである(実際、唐から船で来るときに前方後円墳が見えるらしい)」などなど、面白い説が続々出てきて興奮の連続。
サクリファイス/近藤史恵
・・・自転車レースを題材に、事故と過去の事件をめぐる謎を追う話。自転車レースという競技そのものがとてもドラマチックで面白いのに(これだけで一冊本が出来そうなぐらい)、衝撃的な事故の衝撃的な真相が解き明かされていくところがたまらない。個人的には恋愛話はなくてもよかったなあ。
ハゲタカ/真山仁
・・・私の企業小説に対する食わず嫌いを解消してくれた本。なーんだ、企業小説ってすごい面白いじゃん。でも、それもこれも鷲尾、リン、アランなどの登場人物のキャラが立ちまくって魅力的なおかげ。なんといっても、船場の大店の息子で元ピアニスト志望の人(=鷲尾)があくどい企業買収しちゃうんですから。
1Q84/村上春樹
・・・村上春樹にしては珍しいぐらい読みやすくて、一般向けの小説。これまで村上春樹を敬遠していた人はこれを読むとちょっとイメージが変わるかも。とっても読みやすいけれど、気がつくと話はどんどん深いところに入っていって、いつの間にか主人公(青豆)の孤独に自分がシンクロしていく感じ。
自壊する帝国/佐藤優
・・・外交官としてソ連に駐在していた佐藤氏が、ソ連が崩壊していくさまを描いたドキュメンタリー的小説。彼が向こうの大学で知り合った学生が思わぬところで独立運動に関わってきたり、彼とソ連の重鎮との手に汗握るやりとりなど、客観的レポートではなく、彼の日々の生活、揺れ動く感情を通してソ連崩壊の様子が感じられたのがとても面白かった。
青い城/モンゴメリ
・・・カナダ版負け犬小説。地味でネクラで、男の人とろくにしゃべったこともないまま結婚適齢期を過ぎた箱入り娘の主人公が、ふとしたことから不治の病にかかっていると勘違いし、とんでもない行動にでる。そのとんでもない行動が、とんでもなく感動的な結末を呼ぶ。これぞまさに現代版シンデレラ・ストーリー。
アフリカ・レポート/松本仁一
・・・中野美奈子アナがシエラレオネを取材したドキュメンタリーをテレビで偶然見たのをきっかけに、この時期アフリカ本(主に松本仁一もの)を読み漁った。植民地から独立した後のアフリカの病巣がいかに深いか、そのアフリカに対してJICAをはじめとする団体がどのような手を差し伸べているのか、そして今、中国人がどのようにアフリカへ進出しようとしているのか。現地に駐在した松本氏ならではの体験や説得力ある考察、それからアフリカ独自の慣習など、新鮮なことばかりだった。これについてはまた時間のあるときにゆっくり書いてみたい。
BOX!/百田尚樹
・・・ボクシングという競技はもともとドラマチックで好きなんだけど、これは「あしたのジョー」に次ぐ傑作。傑出した才能を持った天才型ボクサーが努力型ボクサーに追いつかれたとき、どのような行動に出ると思いますか?ふてくされて辞めてしまうか、努力型をしのぐ努力をしてトップに返り咲くか。この小説はどちらでもなく、その第3の選択肢に私はクリティカルヒットをくらいました。高校生の青春小説としてもおすすめ。
タイム屋文庫/朝倉かすみ
・・・会社を辞めて、タイムトラベル小説だけを集めた古本屋兼カフェを開店するアラサー女性。一歩間違えたら自分がやりかねないシチュエーション(笑)。そこに集う人々、古い恋の思い出と新しい出会い、近所のレストランでの料理修行。大きな出来事が起こるわけじゃないけど、心があったかくなるお話。
一夢庵風流記/隆 慶一郎
・・・マンガ「花の慶次」の原作らしいです。前田慶次郎(利益)というとんでもないカブキ者の破天荒な一生を描いたお話。「蒼天航路(三国史のマンガ)」の曹操を見ているような、男の子があこがれそうな痛快な話です。これを読んだことが隆慶一郎にはまるきっかけになりました。が、またそれは別のお話。
BGM:Wild horses / Susan Boyle