また観てしまった、「花とアリス」。
ずっと前にルームメイトがDVDを買ったときに、一度観ていた。
花とアリスは親友どうし。憧れの先輩が頭を打って意識を失ったのをいいことに、花は「私、先輩の彼女だったのに、忘れたんですか? 記憶喪失になっちゃったんですね」と先輩をだましてしまう。この少女マンガみたいな設定が秀逸。
ものすごい起伏がある話でもなく、感動で涙するわけでもないけれど、中高生のころの気持ちに帰ってしまう作品。思い込みが激しくて、ささいなことに傷ついて、自分のまだ見ぬ能力をあると信じていながら、現実には何もできない自分に苛立ってばかりの、そんな時代。肥大した自意識に振り回され、夢と妄想で膨らんでいた時代。
あのころは、なんだかすごくたくさん時間があったんだよなあ。花もアリスも映画のなかで、どうってことのない時間ばかりを過ごしている。でもそれがひどく懐かしい。中身のない話をしながらの下校とか、憧れの先輩の後をつけてみたりとか。
あらゆるところがいびつだったのに、思い返すととてつもなく美しい何かが混じっていた気がする。不安定なものしかもてない美しさがあった気がする。
このDVDを貸してくれたルームメイトとも、そろそろお別れ。大家さんが帰ってくるので、3年にわたる気ままな同居生活も終えなくてはならない。私たちは別に結束が固かったわけではないけれど居心地よかったし、ここから巣立っていくのはなんだか青春との決別であるような気がして仕方がない。もういいかげん、大人にならなくちゃいけないのかな。
