- 玄田 有史
- 希望学
「希望学」という学問ができたらしい、ということは同僚から聞いていたのだけれど(テレビをほとんど見ず、新聞も取っていないという編集者にあるまじき生活を送っている私にとって、同僚と同居人はかなり貴重な情報源である)、本が出たのを最近知ったので読んでみた。
ついに「希望」が研究されるようになったか・・・。なんだか社会の発展(退廃?)が行き着くとこまで行き着いた感がなくもない。「希望」を失った現代社会において、希望の意味とあり方を問う学問。
ざっくり研究結果を抜き出すと、
「家族から期待されていた人は希望を持ちやすい」
「友達が多い人は希望を持ちやすい」
「希望を持っている人の方が幸福度が高い」
「挫折経験のある人の方がない人よりも希望を持っている」
「やりがいのある仕事を経験したことがあると答えた人のなかで最も多かったのは、かつて希望する仕事があったが、その後断念して他の仕事についた人である」。
最後の結果について補足説明をすると、希望の職があってそれを達成した人よりも、希望の職につけずに軌道修正というプロセスを経て違う職についた人の方が仕事にやりがいを感じている、ということらしい。挫折によって自分の適性などをより的確に知ることができたとも推測できる。
この軌道修正のプロセスにおいて、他者の関与を受けることが必要である、と筆者は述べている。確かに孤独に挫折してるのって辛いもんなあ。玄田有史は、この「他者の関与」は家族・友人などの強いつながりに限らず、かえってウィーク・タイズ(日ごろあんまり深くかかわっていない人たち)における一言などがとても重要だ、と言っている。つまり、あんまり親しくない人の言うこともちゃんと耳に入れとけよ、ってことだ。確かに、遠くから見た方がはっきり見えることもあるだろうな。
BGM:SAKURA/いきものがかり