二年間の休暇 | ほんのにちようび

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心に残った本のあらすじと感想をつづります。

(時に映画、マンガ、音楽などについても)

ジュール ベルヌ, 太田 大八, 朝倉 剛
二年間の休暇(上)
福音館書店 ★★☆

[あらすじ]

夏の休暇を、船でニュージーランド一周をして過ごす予定だった15人の少年は、子どもたちだけ船で待機しているところを波に流されてしまう。その後、船は嵐に巻き込まれたすえ、無人島に漂着した。その島の周囲はいっこうに船が通らず、助けを求めることもできないまま、彼らはその島に住み着くのだが・・・


「十五少年漂流記」という名で知られている作品の完全版。この本を読んで多くの人が考えるのは、おそらく「自分が遭難したらどうなるだろう?」ということではないだろうか(違うかな?)。私が読みながら一番考えたのはそのことだった。主人公である15人の少年たちは、ほら穴に住み着き、島に地名をつけながら地図を完成させ、いかだを作り、猟や採集をし、家畜を飼い、青空学校を開き、大統領を選出し、人が乗れる凧を作り、侵略者を殺す。ただ生き延びているだけではない。そこには新たなコミュニティが形成されていくのだ。さらには、15人のあいだのいさかいや、人種間の差別的な感情も余すところなく描かれている。コミュニティ形成の過程は読んでいてわくわくするが、ときに(特に侵略者を殺戮するところなんかは)背筋が寒くなるような場面もある。


現代では、いろんなものがあまりに便利になりすぎて、生きる力が失われていっているように思う(前に感想を書いた『カヌー犬・ガク 』でも、作者が同じようなことを言っていた)。私がもし同じ状況下に置かれても、きっと彼らのようには生きられないだろう。何をどのようにとって食べたらいいかわからないし、道具を作り出す方法も知らない。でも、実はちょっとこういう体験をしてみたいとも思う。自分の生きる力がどこまであるか試してみたい。そういうテレビ番組とかつくらないのかな。昔の電波少年とか、そういうニュアンスがあったのだろうか。



なお、月のなかばの非常に中途半端な時期ですが、「海外名作児童書強化月間」と称してこれから少し集中的に海外児童ものを読んでいこうと思います(ほとんど読んだことがないので)。おすすめがある方は、ぜひ教えてください。

今控えている作品は、「長くつしたのピッピ」「やかまし村のこどもたち」「不思議を売る男」「ふたりのロッテ」。


BGM:この坂道の途中で/UA