女の子ものがたり | ほんのにちようび

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心に残った本のあらすじと感想をつづります。

(時に映画、マンガ、音楽などについても)

著者: 西原 理恵子
タイトル: 女の子ものがたり
★★★☆

とにかく、うまい。正直、この人の作品はそんなに好きじゃないんだけど、この作品の独白シーンにはやられました。


[あらすじ]

おじいちゃんの家へ引っ越してきたなつみ(サイバラ)。やがて、きいちゃん、みさちゃんというふたりの女の子と仲良くなったが、汚れた家に住むきいちゃんと、いじめられっこのみさちゃんは、どちらもなつみには「親友」だと思えなかった。ある日、3人は「親友」をつくるために、海へ出かけることにした…。

西原理恵子の自伝的コミック「上京物語」の続編。さらにさかのぼって、少女時代を描いている。「昭和」が感じられるような、周囲の人々の暮らし。家庭にも友人にもめぐまれず、次第にぐれていく主人公。こうやって書くと、どこにでもよくあるような話だ。しかし、主人公の独白が入ると、とたんに感情の色彩が鮮やかに浮かび上がってくる。

引っ越して、新しい学校へ行く当日、

「あさから しんぞうが ふたふたするいちにちだった」

とうつろな目でひとりお茶を飲むシーン。

初めての登校日、お弁当の時間に急に泣き出してしまった理由を母親に尋ねられ、

「ごはんだから クチをあけなくちゃいけなくて くちをあけたらなみだがでたの」

と心の中でつぶやくシーン。

海を見て、前に住んでいた場所を思い出すシーン。

「かえりたい。 私は6さいなのに もうかえりたかった」

うーん、こうやって抜き出して書いてもいまいち良さが伝わらない感じがするのは、彼女の絵がそれだけ素晴らしく、かつ不可欠だということだろうか。


BGM:美しい夜/Natalie Wise