航路 | ほんのにちようび

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心に残った本のあらすじと感想をつづります。

(時に映画、マンガ、音楽などについても)



著者: コニー ウィリス, 大森 望
タイトル: 航路(上)
ソニー・マガジンズ ★★★

WEB本の雑誌の新刊採点http://www.webdokusho.com/frame-shinkan.html で好評だったので、手にとってみました。

[あらすじ]認知心理学者のジョアンナは、臨死体験の際に人々が感じる音や映像の原因と働きを解明するために、日々病院で臨死体験者の聞き取り調査に奔走している。彼女の仕事をいつも邪魔するのはマンドレイク。彼は自らの臨死体験本でベストセラーを飛ばした作家で、臨死体験を超常現象だと信じてやまず、ジョアンナにもそれを信じ込ませようとする。そんな彼女たちのもとへ、臨死体験を研究している医師がまた一人現れた…。

訳者の大森望さんはどこかで見た名前だと思ったら、「文学賞メッタ斬り」で
かの名剣士トヨザキ氏のお相手を務めたお方。(概して訳が読みにくいせいで)海外ものが苦手な私でもすらすら読める、読みやすい文章はさすがでした。
冒頭のプロフィールからしてなんとなくアメリカのドラマのノリ。全体を通してそのノリが続くので、ぶあつい上下巻もそれほど気にならなかった。

あらすじに続けてもう少しだけ内容を書くと、新しく来たドクター・ライトという医師は人為的に臨死体験を引き起こして脳の働きを解明しようとしており、ジョアンナと共同研究をすることになる。だが、実験でトラブルが続出し、被験者が不足してしまう。そして、ついにはジョアンナ自らが人為的に臨死を体験することに…と続く。

途中、「まさか、こんな非現実なオチで最後まで突き進むんじゃ…」と不安になったが(もちろんそれは杞憂だった)、そんなくだらない予想がかすんでしまうほどの出来事が後半で起こる。これには本当にびっくりした。

登場人物のキャラクター設定がしっかりしているので、人物の行動やせりふが生き生きしていて楽しい。いろんな方向へ拡散していった話が、ラストに向かって一斉に収束していくのも気持ちよく読めた。


BGM:If it makes you happy/Sheryl Crow