2月の読書記録 | ほんのにちようび

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心に残った本のあらすじと感想をつづります。

(時に映画、マンガ、音楽などについても)



最近読んだなかで、気になったものや面白かったもの。

・春、バーニーズで/吉田修一 ★★☆  
 生意気な言い方だけど、この人うまくなったなあと思った。話に安定感がある。どうやら、冒頭のオカマの話には前編があるらしいので、探して読んでみたい。


となり町戦争/三崎亜紀 ★★★  
 戦争に対する、新しい感覚を示してくれた作品。私の周りでずいぶん話題になっていた。戦争の気配がどこにもないのに、いつの間にか報道される死者の数のみが増えていく日常。気づかないうちに自分が戦時下にいて、感覚もないまま人が殺されていったら…。
 物事が無感覚、無感動になっている現代の、薄い膜がはったようなリアルな非現実感を「戦争」という出来事に集約して表現している。

・明日の記憶/荻原浩 ★★☆  
 彼の作品は、どんなテーマを描いていても独特の「軽さ」がある。それは「文豪」と呼ばれる人々が備えている「軽さ」とはたぶんちょっと違うのだけれど、深刻なテーマでもどこかに笑うポイントがあって私は好きだ。これは若年性アルツハイマーの話。

猫:最近物忘れがひどくなってきた管理人にはひとごとじゃない話ですわね。


・東京物語/奥田英朗 ★★★☆  
 奥田英朗の引き出しの多さにはびっくり。「最悪」や「空中ブランコ」とはまた全 然系統の違う、回顧的な青春物語。自分とゆかりのある土地や関連のある職業が出てくるせいかもしれないが、ときどきどきりとするほど自分の心情に近い描写があって、かなり共感できた。特に最後のBachelor Party(新郎の独身最後の夜に催される男だけのパーティー)の場面は圧巻。彼の作品のなかで一番好きかもしれない。  


・夜のピクニック/恩田陸 ★★★  
 夜を徹して80キロという距離を歩き通す一大イベント、「歩行祭」。そして、主人公の女の子とクラスメートの男の子の間に隠された関係。この2つが冒頭で出てきて、「もう、これは面白くならないわけがない!」と期待をしすぎてしまった。青春期の不安定さがもたらす煌きのようなものは伝わってきたが、ちょっと文体(特にせりふ)に感情移入できない部分があったり、稚拙と思えるような心理描写でちょっとさめてしまった。


・漢方小説/中島たい子 ★★★  
 冒頭のテンポのいい文章ですっかり引き込まれてしまった。元恋人の結婚報告を聞いたショックで、ロデオ並みの痙攣がとまらなくなってしまう女性の話。ゆる~い感じでちょっとにんまりできるほのぼの話。ラストの持って行き方がもう少し違ったら、もっと良くなったと思うんだけどな。


BGM: Moments in Love/The Art of Noise