牧野城は国道20号が上野原の町を出て西に向かうところの北側の山上にある。反対側には大正時代に建てられた八ツ沢水力発電所があり重要文化財となっている。この山では複数の時代の遺物が交錯している…
歴史などはまったく不明、このあたりを押さえていた小山田氏の城と考えられているぐらい。東西に伸びる険しい尾根を堀切で区切って曲輪を並べた、素朴な連郭式山城の趣。
すぐ西隣の四方津御前山砦に登ったあと、尾根続きにアタックすることも考えたが道がヤバそうなので一旦下山し、車で登城口に移動して登り直した😅
なお、四方津御前山砦からこの城へ続く尾根の様子は対岸の栃穴御前山砦へのアプローチで一望することができる。
登城口近くの国道20号上り線側に駐車帯があるが、不法投棄を防ぐためか狭められている。長時間の登城はちと怖い💦
登り口には巡視路の表示。
ここから斜めに東に向かって登ってゆく。
尾根下まで来ると、ヘアピンカーブが連続。
ここには法面防護もある。
尾根には、堀切のように見える切通し。
ここで複数の巡視路が交差する。
まだ城域ではなさそうで、これは発電所や送電鉄塔関連のものだろう。何しろここの水力発電は大正三年(1914年)に竣工という土木の大後輩になる。
ここからは、切通しの左側から休憩車で登ってゆく尾根道に入る。
少し登ると送電鉄塔が立つ。


この鉄塔のすぐ奥に、最初の堀切🙌
ホント浅い堀切だが、城外側は土塁で縁取られているし、南に竪堀も落ちている。
🌿🌿に埋もれながら浅い薬研のV字が見えている😮
間違いない✨
城外側の土塁は、こんな感じ🌿
堀切を越えると、急傾斜の尾根を階段道で登りはじめる。
ごく短いが、かなりの急登💦
登りきると、さっきまでの尾根と幅がほとんど変わらない平坦地に出る。
とくに北側斜面が急傾斜。
その奥まで行くと、さらに主郭の方に向かって登り坂になる。
その裾に…堀切やね😮
この堀切、尾根線を土橋で渡っていたタイプなのか、底から見るとめっちゃ浅い💦
かなり下まで降りて、やっとV字のようすが分かった…
南北両側に、しっかり竪堀も落としている。
南側は巡視路になっているようだ。
北側は、やや右にカーブしつつ降りている。
ここからは巡視路から外れるようで、道が少しラフになる。
両側がえらい急傾斜で落ちていて、尾根は幅2メートルぐらいに狭まっている。
登りきると、小さな岩峰みたいなやつ。
向こう側はえらい急登、そして裾が切れ落ちてる…
ここは、ハッキリ掘り込まれた堀切だった✨

この堀切から次の曲輪までの登りは、かなり危ない。
急傾斜なうえに掴まる立木などが少なく、落ち葉が積もっている場所は滑る。
両側の斜面もかなり急傾斜で、滑落すると登り返せなくなるかも知れないほど…
曲輪の直下の岩壁はかなり立派だったのだが、往路ではこれが精一杯だった😅
身体や目が慣れたか、復路では真正面にへばりついて、コレ😅
縦に節理っぽいのが入って石垣みたく見える。
上の曲輪は、バドミントンコートを2面タテに並べたぐらいの広さか。
基本は尾根天端を削平したものだろう。
その奥の一段下には、ごく狭い平場。
この段の先へ、アオダイショウ君🐍のお出迎えにビックリしつつ降りてゆくと…
立派な堀切…
び…美形〜🤩
薬研の底が少し丸まった、お椀形をした立派な堀切が横たわっていた。
尾根が狭いので、両側の竪堀はすぐに終わる…
まだ城域は先まで続いているようだが、ここから先はヤブが深いようだ。
主郭と西隣の曲輪にそれぞれ生えた大木の根元にはオオスズメバチも巣を作っていて、両方とも働き蜂たちが忙しなく働いていた🐝🐝
この先に進むと何が潜んでいるか分からない雰囲気🥶
山ヤさんたちの山行記録ではここから先へ進んで四方津御前山砦へ出たものもあったが、ワタシは普段着に徒手空拳。
地形も険しいようなので危険と判断し、ここで引き返すことにした。
とりあえず、ハチたちは向かってこなかった😗
烽火台がいくつか並んでいる桂川沿いの峡谷の入口を守る城として相応しい、素朴ながらしっかり築かれた山城だった。八ツ沢水力発電所がつくられた時に東側の山稜がボコボコにされたが、城の周辺は生き残っている。
現地には案内もなくほとんど知られてもいないようでもあるが、甲州街道が整備される前の貴重な遺物。なんとか日の目を見てほしいところ。
★牧野城
山梨県上野原市八ツ沢
国道20号の駐車帯利用になるが狭められているので注意。城内に入ると道が険しい。
山城
(2024年11月11日 記)