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金田一城は金田一温泉のあたりより二戸市方面に少し戻ったあたりの西側の段丘上にある。

2本の空堀で南から上館、中館、下館の3つの曲輪に分かれ、それぞれ四戸氏、切円氏、金田一氏が居城としていたとされるが、詳しい歴史は不明とのこと。 九戸政実の乱の頃は四戸氏と九戸氏が姻戚関係にあったが内訌によって敵対する南部信直の陣営に鞍替えしたらしい。後に豊臣秀吉の厳命により南部氏が破城を実行した対象に含まれていたところを見ると、破城はこの頃だろう。

 

岩手の北の方の遠征二日目、またも本降りの☔でせっかく乾かした靴もあっという間にびちょびちょという中だったが、せっかくここまで来て怯んでもいられないので、ええいままよの気分で傘差して出陣💨

 

現在位置(Googleマップで)

見学するときは、郭内にある長寿寺の駐車場を使わせてもらえる。すぐ南に墓地が隣接している。

すぐ隣が段丘崖のようになっているが、これが上中下と並ぶ上館の切岸になる。

 

車道を登ると上館に出る。

畑や墓地になっていて、城の面影は見えない…

 

ここにも駐車場がある。

そして、その脇にこの城のシンボルのような「べこ石」がある。

確かに大きな牛ぐらいはある巨岩。

 

その向こう側に説明板が立っている。

城の歴史が主で、縄張りなどについての説明は無い。

 

このあたりから西側の墓地の縁を通って西の森の方へゆく道が伸びている。

ここへ入って森の前まで来ると、南に折れて溝のようなところに入ってゆく。

 

道は50メートルほどで北の方へ出てゆく。

その南側は、どうやら上館の西側を区切る空堀のようだが、激ヤブで全貌が掴めない😂

 

結局この城の縄張りは見た目でしか分からなかったのだが、結果的にこの道は空堀だったらしい。

が、この空堀はそんなものではなかった…

道が南に折れるところの北側、植林地の中に灌木のヤブが濃厚に茂っているところだが…

 

慎重に降りてゆくと…

 

美形な薬研V〜ぃ🥳

 

そこには、幅10メートルちかく、深さ4メートルほどもある鋭い空堀が走っていた。

そして、道が入ってくるところは外側に折れていた🤯

 

ここは、郭内の道と空堀の間に曲輪を置くスペースを取っていたかも知れない…

南の方へ少し入って、確かめてみるか…

 

南へ進んでゆくと、次第に底が高く、掘りは浅くなってくる。

 

そして100メートルほど南で、ヤブに覆い尽くされて視界が取れなくなった💦

 

ここで左側、道のあった方に登ってみた。

廃屋らしい小屋が立っているし、ヤブが濃く女郎蜘蛛の巣も至るところに張られていたが、間違いなく削平された空間。

 

そして外に出てみると、上館からずいぶん北東に入ったところに出た。

道は通っていたが、上館が帯状らしい森の向こう側に見えた…

 

事ここに至って、ようやくこの城の縄張りを掴んだ😂

ここが中館。

そして、先ほど道から離れて南進していたヤブだらけの堀が上館と中館の境界。

先ほど辿ってきた空堀の北側に、下館があったのだな…

 

図に描き込んでみると、だいたいこんな感じか。

南の方は確認する時間が無かった(郭内からは行けなかった)のでよく分からないが、段丘崖に守られているような感じか。

(電子国土webの図上に筆者作図。

 ログなど取っていないので位置や形は正確でない

 

道は下館に通じているようだが、鉄パイプで柵されて入れない。

今は畑になっているようだ。

 

…となると、あの濃厚なヤブに包まれた上館と中館の間の空堀も、見ないわけに行かない💨

堀の中だけ樹木やヤブが旺盛で断面を見られる場所はなかなか見つからなかったが、何とか覗き込むように撮った2枚…

 

 

ホント、ヤブの間からちょこっと覗いてるだけ…😂

しかし、目の当たりにすると、その巨大さに驚くだろう。

 

幅20メートル、深さ7メートルちかくあるか。

小田原の小峯御鐘ノ台大堀切に匹敵するサイズだろう。

 

で、農道が通ってた溝も確かに空堀の跡で、南へのカーブのあたりで分岐していたのだろう。

いやいや、コレ埋もれさすのは勿体無いわい…

 

せっかくここまで見届けられたので、他に城塁らしいものを見られる場所がないか、道のめぐっている上館を中心に回ってみた。

城の東側に隣接する長寿寺側の切岸はどうか。

こちら側には斜面を行き来する階段があって、降りると右隣に忠魂碑が立っている。

 
その背後…
植栽はされているが、塁壁になる斜面がしっかり見えている。

 
南の方も見たかったが、車道は墓地のすぐ先の太陽光発電所までで終わっていて、あとは草地だった。
ザーザー降りの☔の中、突っ込みたくはない場所…

 

ここは、これにて。

 

退散っ💨

 

ともかくも、ヤブに突っ込んで空堀の位置を見届けるまで縄張りが理解できんという、ちょっと勿体無いような城だった。

城内を横断する巨大な空堀とか、防御の要たる段丘崖を利用などして侵入者からガッチリ守る切岸などを持ち合わせている城なので、ここは立ち入れるところを丹念に回って目に焼き付けたい城だろう。

 

★金田一城

岩手県二戸市金田一舘

郭内にある長寿寺墓地の駐車場が利用できる。曲輪を仕切る横堀はヤブの中が多く、北館は立ち入り不可。

丘城

 

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(2024年9月30日 記)