・発生時刻 2024年8月25日 13時頃
・場所: 塔ノ原城(安曇野市)
・事象: 危険生物(キイロスズメバチか)襲撃
登城口からのアプローチが比較的長く、森林やヤブが多い信州安曇野の塔ノ原城にて、ほぼ全城域の探索を終えて退散しようと主郭北東の帯曲輪を歩いているところで、キイロスズメバチの威嚇を受けた。
差していた傘にかなり執拗に取り付かれたが、幸い傘を差していたワタシへの攻撃は無く、傘をたたむとハチも飛び去ったため怪我等は無かった。
★状況
城までのアプローチがヤブや倒木で覆われた尾根の細い踏跡だったので、特にハチやヘビに注意しながら慎重に進み、11:30頃に城内に到達した。
城内はかなり深い樹林で下草は少なく、快適な探索を楽しんで帰途につこうとしたところで雨が降ってきたので、持っていた白いビニール傘を差したところ、1匹のキイロスズメバチらしい昆虫が威嚇するように周囲を飛び回り始めた。
傘はそのままにしつつ頭を低くして飛び去るのを待ったが、しつこく近くを飛び回り続けた。
傘を持つワタシに向かってくる様子が無さそうだったので首をすくめながら観察したところ、ハチは傘に止まったり周りを飛んだりしていて、ワタシではなく傘に向かっているようだった😮
傘を尾針で刺したかどうかは分からなかった。
傘に向かっていることを見て取ったので、羽音が遠のいたスキに傘をたたむとハチもそのまま来なくなり、その後登城口に戻るまで再び襲撃してくることは無かった。
★原因
襲撃してきたのがスズメバチに似たアカウシアブだとしたら、攻撃してくる目的は吸血なので傘に執拗に取り付くようなことは無いはず。
写真は撮影できなかったが、このことから襲撃してきたのはキイロスズメバチで間違いないだろう。
黒いものに対して攻撃的だとか、手で払ったりすると攻撃されたと見做して襲ってくるとか、スズメバチの攻撃を誘う要因はいろいろ言われているが、今回は白い傘に取り付いていた。
白髪交じりに黄緑色のTシャツという出で立ちで、その傘を差していたワタシは見向きもされなかった。
首をすくめてそぉっと歩いていたのが奏功したのだろうが(飛んでくるハチを確認するために周囲をキョロキョロ見渡す事もしていない)、深い樹林内にあって白い傘が揺れていたのが非常に目立ち、それが攻撃を誘引した可能性が高いと思われる。傘をたたむとハチも飛び去ったことがそれを裏付ける。
白い服を着ているとスズメバチに襲撃されにくいと言われているが、色云々より目立つ格好や動きで巣や個体に近づくのが最も危険と言えるだろう。
付け加えると、スズメバチが威嚇してきても巣や個体に危害を加えるような動きをこちらが見せなければ、いきなり刺しては来ない可能性が高いことも言えるだろう。
★対策
スズメバチらしい羽音は山城歩きではけっこう聞くので、活動期に入山する限り遭遇することは避けられないだろう。
よってスズメバチが活動する時期は山城歩きを避けるのが一番なのだろうが、そこまで恐れなくても慎重に対応することで襲撃をやり過ごすことが出来る可能性は、かなり高いと思われる。
よく言われることだが、スズメバチを見つけたり羽音が聞こえたりしたら出来るだけ動きを見せないようにしつつその場を離脱することが最優先だろう。姿勢を低くする、傘を差していたら羽音が遠のいたスキにたたむ等。
手で払うなどの動きを見せるようなことは絶対にしないことだろう。
今回傘をたたむとハチはすぐ飛び去ったので、静かにその場を離れれば追ってくることは無いと思われる。もし執拗に追ってきて手などに止まるような時はハチではなくアブと思われるので、そこまで見極めてから追い払うようにすれるのが良いのだろう。
アブに襲撃された経験は新潟・鈴ヶ滝でのメジロアブ1度のみなので、アブ対策の知見は無い。
一番恐ろしいのは、ハチの巣に気づかず近づいたり踏んだりしてしまうことだろう。幸いこのような事態に陥ったことはないが、こうなるとインシデントでは済まないだろう。
ハチの羽音に十分注意するとか、地面の見えないヤブへ突っ込むのを出来るだけ避ける等しか無いだろう。
今回、スズメバチが攻撃しにくいと言われる白い色の傘に取り付いていた様子を観察できたのが興味深かった。
(2024年8月28日 記)