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茶臼山城はJR篠ノ井線明科駅から北東にすぐ、激しく蛇行する会田川に三方を囲まれた山上にある。近くに篠ノ井線旧線の遊歩道などもあるが、一般には全く知られていないようす。

海野一族から出た塔ノ原氏が、対岸の こや城とともに築き、麾下の青木氏を置いたとのこと。

 

この日は降りつ降らずみの空模様で、何とかなるかと雨具無しで登り始めたら本降りになってしまい、駆け足の登城になった。それを補うためにほぼ1ヶ月後、ようやく秋の気配が漂い始めた9月下旬に追試😅


車での訪問なら潮神明宮の駐車場利用が良いだろう。城の方まで入ってしまうと車を停める場所は無い。

明科駅から徒歩も可能。


会田川右岸の道に入って、川沿いに東の方へ。

この道はいまは松本市の会田への古い道らしい。

途中、会田川の向こう岸に鋭い尾根が見えてくる。


川からそびえ立つ崖がすごいな…😮


あの尾根上も「こや城」なる城で、以前は城山公園にもなっていたらしい。

今は崩落が進んだためか立入禁止となっているので、対岸から見るだけにする。


ここは後日、北の麓から偵察してみた。
JR篠ノ井線の真下から会田川にかかる橋を渡ると、正面に見事な城塁✨
(2024年9月28日撮影)

左の方へ入ってゆく道があったので少し入ると…
迫力ある北面の切岸😮
(2024年9月28日撮影)

斜面上はヤブが少ないので、なんか登れそうな感じもする…
が、正面の入口が規制されているので、裏側から入り込むのもまずいだろう…
よって、こや城は追試でもパス💨


集落を過ぎると舗装がなくなって土の道になり、少しゆくと会田川沿いに出る。


少し進むと、虎口のように掘り込まれて城内に入れるらしいところがある。


ここが大手らしいので、冬季ならここから入るのが良いのかも知れない。

が、今は蒸し暑く小雨もシトシト。

中を覗き込めば背丈ほどもある🌿🌿

☔の降るこの日はとても踏み込めなかったが、後日コソッと入ったところ。

チカラシバの猛烈なヤブの向こうに、そそり立つような切岸が見える😮

(2024年9月28日撮影)


なおもずっと進むと、川が東へ直角に蛇行したところで城の方へ登ってゆく。

(2024年9月28日撮影)


本来の道とは異なり、トラクターとかが通れるよう改変されたところだろうが、いまはここが唯一の登道。

途中、川沿いの方に一番下の曲輪らしい平場が見える。


登りついたところは、城内最大で南側一帯を占めている曲輪。

居館跡のようだ。

登りついた南側はやや低く、北側が高い。


西側、会田川沿いの斜面の急傾斜っぷりが、城の矜持を今に伝えているか。


曲輪の西側には畑もあるが、だいぶ荒れているようす。

この畑の東側に、わずかに掘り下げられた竪堀状が登ってきているのが見える。

(2024年9月28日撮影)


先ほど会田川沿いに見えた虎口状から登ってくると、ここへ登ってくるのかな?

🌿🌿でとても踏み込めないが、左側の土塁上から入れそう💨

斜面に出るところはラッパ状に開いていた😮

(2024年9月28日撮影)


ここで動線は途切れているように見えるが、よく見ると西に直角に折れて、細いバンド状で斜面にへばりつきながら下っているか…?

(2024年9月28日撮影)


こんなところは進めないので、曲輪に戻る。


ここから先に道らしいものはなく、主郭へは斜面の登れそうなところを選んで直登するしかないだろう。

東の方へ行くと🌿🌿が少なくなっているので、こちらへ移動。

曲輪の真ん中あたりに、高さ1メートルちょいぐらいの盛り上がりがあった。

これは矢塚らしいが、向こう側のヤブの中に埋もれかけてる…💦

(2024年9月28日撮影)


曲輪の東端に出ると、会田川に面した斜面が直線的でかなり鋭い傾斜を持っていた…

縁がわずかに盛り上がっているのは、このまま主郭へ登る斜面に繋がっているところを見ると、土橋だったのか?


ここから正面の斜面を登ってゆくと、上に主郭がある。

東の裾を細い道がトラバースしてゆくが、ここを行くと主郭をスルーして北の城外へ出てしまうような雰囲気…


この道は、後日辿ってみた。

この日は雨も強くなってきたので、ここは斜面を直登して、主郭だけ見て帰っても良いか…

下の方にちょこっと踏跡があるだけで上は登りやすいところを探しつつだが、滑落するような危険は無い。


途中までは土も見えて容易に登れたが、てっぺんが見えてきたあたりから急にササヤブが濃くなってくる💦


そして、主郭はこの有り様だった😂


一面、人の背丈に近いぐらいのササヤブだった😂

こりゃ、中へ突っ込んでも何も見えんわ…

主郭に到達した記念だけ撮って、この日はさっさと退散っ💨



最初に訪れたこの日は雨具を持たずに入城したところで本降りの☔になってしまったので、主郭を確認しただけで消化不良に終わってしまったが、1ヶ月ぐらい経ったところで再訪し、他のところにも入ってみた。


というわけで、ここからは追試編😅


まずは主郭に登り始める脇、川沿いの斜面を進む経路へ💨


この経路、直進すると畑に入ってしまうようだが、畑が見えてきたあたりから上の方につづら折れに登る踏跡があり、登ってゆくと少し上で斜面を北にトラバースする経路に出る。


上や下に踏跡の分岐がいくつも出ているが、水平か若干上り気味に進む方へ辿っていけばOK。

ヤブもないし傾斜も登れないほどではないので、経路を見失ってもひたすらトラバースで行ける。


進んでゆくと、斜面が北に回り込んでゆくようになる。

主郭の北端に入ったようだ。

行く手に、大きな堀切らしいものが見えてくる😮


行ってみると、それは小学校の25メートルプールの長辺より幅がありそうな、大きな堀切だった。

しかし、めちゃくちゃ浅い…

広角レンズのワイド端ちかくで、やっと底あたりが写野に収まる感じ。


少しでも見栄えの良い場所を探して、いろんなところから📸

真ん中から西の方。


反対側からも…


ここはもともと三重堀切だったらしいが、畑にするために底が均されたのだという。

この上に広がる主郭の斜面も、どこからでも直登出来そうな傾斜の緩さ…🤔


そしてやっぱり主郭は壮絶なヤブで、とても踏み込めなかった💦


まぁ背後の堀切まで埋めて畑にしたような有様だから、主郭上も耕作されてたのだろう。
土作りや施肥などでヤブが育つ下地が出来てたか…?

もう一つのやり残しは、主郭の西側の裾に広がる副郭らしいところ。

ここへ行く動線らしいものも無さそうなので、主郭南側の斜面の中腹あたりをトラバースしてゆく。

南側よりは斜度が急だが、踏跡らしいものがところどころにある。

トラバース中に振り返ったようす。

(2024年9月28日撮影)


西の方へそのまま進むと、何となく上の方に平場らしいものが見えてくるので、そちらへ登る。


登りついた副郭、フットサルぐらいなら出来そうな広さ😮

主郭に比べればヤブも少なく、奥まで見通せる。

(2024年9月28日撮影)


曲輪を囲う土塁や虎口などは全く無い。

ここは西側の斜面が鋭くて見事✨

(2024年9月28日撮影)


主郭への動線になってたようにも見える尾根が、南東の方から登っている。

(2024年9月28日撮影)


登りついた主郭は、ここだけ地面が見えていた😮

灌木は茂っていたが、葉がぜんぶ落ちていた…

こう見ると、周囲に土塁などは無いがしっかり削平された曲輪だったことが見て取れる。

(2024年9月28日撮影)


さて、見るものは全て見たので、退散っ💨


土木工事の跡はほんとに素朴で、半ば埋められた三重堀切の他はわずかに掘り下げた程度の虎口や、加工の跡があまり残らないだろう切岸ぐらい。

とにかく会田川が蛇行して南と東が段丘崖、という立地を上手く活かしているような感じだった。


★茶臼山城

長野県安曇野市明科東川手

駐車場無く、城下まで入ってしまうと転回も不可。手前の潮神明宮駐車場利用が無難。

山城

 

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(2024年9月29日 記)