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市場城は四日市の中心地からは北西にだいぶ離れた、新名神高速と東海環状道の新四日市JCTの西北西約3km弱、朝明川左岸に広がる台地の上にある。

このあたりの在地領主であった朝倉氏が南北朝時代あたりに築城したとのこと。この朝倉氏は後に越前の戦国大名となる越前朝倉氏と関係があるらしいが定かでないという。

 

新四日市JCTすぐ北の東海環状道東員ICが最寄りで、四日市の中心地からは国道365号を通っての訪問となろう。県道14号から市場町公民館を目指して路地に入る。

車は公民館前の広場に停められそうだが、児童公園のようになっているので注意。

 

現在位置(Googleマップで) 

公民館横の交差点に御影石の標柱が立っている。

ここを墓地の方へ進む。

 

突き当り正面に濃厚な竹ヤブ、左の方に墓地が見える。

どこが城内外の境目かが分かりにくい城だが、正面の竹ヤブは城内になる…

 

左に曲がって墓地の横。

小さな駐車スペースっぽい場所の隅に説明板が立っていた。

 

人がいなければ墓地に車を停めても良いだろうが、2〜3台分とそれほど広くないので、墓参の邪魔にならないよう気をつけたい。

説明板の絵は簡素だが、かつてはこの辺り一帯に土塁をめぐらした大規模な城であったことが見て取れる。

 

主郭に行く前に、周囲の名残が残るという場所へ、少しだけ…

まずは墓地の北東から真っすぐ北へ伸びる道。

 

ここは往時は空堀だったらしい。

今は底が舗装されているが、左側

 

右側

 

どちらも、ちゃんと盛られた土塁になっている。

右側の竹ヤブは中が曲輪らしいけど、めちゃくちゃ濃厚なうえに外から入られないよう倒竹で塞がれてもいたので、外から様子をうかがうだけにした…

 

サッと見られそうなところは、これぐらいらしい。

 

というわけで、墓地の右側から主郭方面へ💨

いきなり濃厚な竹ヤブを覗き見てしまったので不安になったが、ここは手入れされていて安心😊

 

入ってゆくと、左側の土塁がけっこう重厚😮

 

少し進むと右に折れる。

往時は直進方向も動線だったらしく空堀状が伸びているが、今はヤブと倒竹で塞がれている。

 

折れた先には…

 

これまでに何度と無く目にした、空堀を渡る土橋と奥の虎口の絵でないかい?😮

 

両側の空堀は、えらい荒れようだった…

しかし左側は特に、ものすごい大きさの断面🤯

あまりにもデカすぎて、写真では何がなんだか分からないぐらい…😂

 

右側もボサボサだが、キレイな形の薬研堀✨

 

これを手入れするのは、いかにも大変そうだ…😢

地元に力を、と祈らずにおれぬ光景…

 

土橋を渡ると、すぐに標柱が見える。

御影石でできた立派なものだ✨

 

井戸と言うからと思って進むと、なるほど直径2メートル弱の穴。

覗き込んでみたら、底が見えないぐらい深い😱

ロープで仕切られているので踏み込まないように⚠

 

この奥が主郭の虎口になるが、前がテニスコート半面くらいの曲輪になっている。

 

正面には段差があり、奥が高くなっている。

最初は土塁に見えたが、奥が天端と同じ高さの平面で、すでに主郭らしい。

 

主郭へは、右の土塁裾が横堀状になって主郭へと登ってゆくので、ここから入る。

だいぶ荒れてるな…

 

そして、主郭。

ソフトボールぐらいなら出来そうな広さらしいが、この通りの荒れっぷり…😮

奥まで見通せない…

 

虎口右側の土塁に登ってゆく道が、先ほどの標柱のところから出ているので、登ってみる。

登り着いたところは、櫓台のような広い平坦地だった。

 

「50m 市場城跡」という小さな札が掛けられた木がぶっ倒れて、札も落ち葉に埋もれかけている…

ともかくも、ここからまだ先に進めるらしい。

 

正面には城址碑。

主郭は左側かなり下だが、ここが見学の順路に想定されていたのだろうか。

 

その先も、土塁の天端を進んでゆく。

落ち葉は積もっているが、人が歩けるよう手入れをされた雰囲気がある。

 

って、外側を這う空堀…

 

めっちゃデカいやん🤯

 

小田原の小峯御鐘ノ台大堀切を上から見ているよう、と言ったら、大げさか?

そう言いたくなるぐらいの、巨大な空堀に守られていた。

 

そして、主郭の反対側まで回り込んだところで、土塁は堀切のようにスッパリ切られていた。

 

虎口や〜🤯

 

そう。

主郭には南北2つの虎口が開口していた。

北側のそれは、南側とは打って変わって狭く、薬研に穿たれた堀切と間違えそうな鋭さだった。

 

しかも、外から主郭を覗き込もうとしても、土塁の切り口が微妙に左カーブしていて、見通せなくなっていた😮

これは、目立たない防御の工夫か✨

 

外を這う空堀も、コレまた巨大😮

 

ここから土橋状を越えると、すぐ外に車道が通っている。

しかし、わずかな竹ヤブの中にゴミや廃車体が打ち捨てられていて人の土地感イッパイなので、ここで引き返して墓地の横から撤収したほうが良いだろう。

 

遺構の残りはとても良くて、丘の上のかなり広い範囲に土塁や空堀をめぐらせて平坦地のハンデを何とか克服しようとした苦労が滲み出ていた。

惜しむらくは、遊歩道沿い以外の場所が見るからに大切にされていないっぽいことだろう。

こういうもののを維持することの大変さ、難しさが垣間見えるような気がした…🥺

 

★市場城

三重県四日市市市場町

現地では朝倉城と呼ばれる。入口付近の公民館の広場に駐車可とのことだが積極的に案内されていないので注意。

平城

 

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(2024年3月13日 記)