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柴小屋城は柴小屋館、小斎城などとも呼ばれる。

阿武隈川が宮城県内に入ってすぐ北に大きく折れる丸森町の北のほう右岸側の山稜に構えている。

陸羽街道の通る中通りよりも海岸沿いからの方が近い。

この一帯をめぐって伊達氏と相馬氏が争った城のひとつで、当初は相馬領だった。


丸森町の観光案内所のwebサイトに記事があり、道順も動画で紹介されている。

こういう城はたいてい私有地で自由に入れるかも分からず、車を停める場所にも困ることが多いので、このように紹介されているのは有り難い😊


まずは小斎物見櫓を目指す。県道28号のこの場所から細い道を登って行き、終点まで進むと小斎物見櫓が立っている。

2013年に建てられた。


傍らの説明板には、この一帯をめぐる伊達氏と相馬氏の争いの経緯などが示されている。
物見櫓の由来については書かれていなかった…

城への入口は、道を挟んで反対側。
案内看板のところから道が伸びている。


よく整備されている城だが、初夏の今はさすがに草木の生命力の旺盛さに敵わないか、道はしばらくの間生えてきた🌿🌿で緑一色になっていた😮


道は階段なども整備されている。

植林の中に入ったり、🌿🌿の中を進んだりしながら、東へ東へと進む。


森の中の小径を数分も進むと、「古舘窯跡」という看板やら説明板やらが、並んで立っている😮

よく見れば、看板の背後に丸い穴…


九世紀ごろのものという。
城にとっては大先輩…😮

反対側の斜面。
最初は、この裾に窯跡があるのかと思った…😅

ここは平安時代から土木の跡を残すような造作が行われていたか、としばし感慨。
どれが窯だか分からなかったクセして…😮‍💨

しばらく進むと、正面が大きく盛り上がっているところで、裾に「空堀跡」という看板が現れる。
見ると、右の方から幅4メートルほどながら深さのある空堀が入ってきている😮

やった最初の遺構だぁ〜🙌

城道は、空堀の中央やや西寄りを渡っている。
往時は土橋で渡っていたのかもしれないが、今は崩れて面影が無かった…
城道から西の方は、全体に大人し目…

空堀の東の方を指して、「金澤大明神」なる案内が立っている。
相馬の麾下にありながら伊達への寝返りを企んでいた城代斎藤為信のもとに城番として派遣され、寝返った為信に討ち取られた金澤美濃を弔ために祀られたのだという。

折角なので、空堀に潜り込んで見に行ってみることにした。
空堀の東の方は、カーブしながら次第に竪堀状になって下っている。

降りた先には、帯曲輪のような平場が広がっていた。
🌿🌿が旺盛なだけでなく、土が柔らかいな…

ヤエムグラの茂れる草むらを進んでゆくと、奥の方に白い棒のようなものが立っているのが見えてくる…

近づいてゆくと…

これは、ちょっと衝撃的だった😨

そんなに古くなくまだきれいな御影石の鳥居が、真ん中でバッサリ折れて1本だけになって残っている…
足元には、倒れた片側が石塊になって散乱している…

12年前の震災で倒壊して、そのままなのか…?
ちょっと痛々しいな…

倒壊した鳥居の奥に鎮座していた本尊は、城址にありがちな祠サイズだった…
しかし、きれいに手が入っている。

鳥居は倒壊しても、訪れる人はあるらしい。

伊達と相馬の対立の中での不幸な出来事を静かに語り継ぐ、小さな大明神だった。

では戻って、城内に突入💨

空堀を渡って少し登ると突き当りになっていた。
右が城内への道、左は「杢郎道」とある。

杢郎道の奥には城代佐藤家代々の墓があるらしいが、時間もおしてきたので行かなかった。

これまた魅力的な杢郎道…✨


城内へは、突き当りを右に折れて登る。
途中、こんな細い帯曲輪が斜面に張り付いていた。

その前で折り返して登ると、城道が右にカーブする外側に小曲輪が広がっていた。
この上には大きな曲輪があって、その馬出らしい。

上の曲輪に登りつくところには虎口らしい造作は無く、斜面を上に登っているだけだった。

ここを登り切ると、城内の西端を占める大きな曲輪に出る。
東西50メートルぐらいありそう😮

北側がササヤブになっていて詳しいことは分からなかったが、曲輪を守る土塁などは無いようだ。
今は森林公園の広場みたいな雰囲気だが、往時立ってたのは長屋か、兵舎か、それとも家臣の屋敷だったか…?

この曲輪の向こう側は、10メートルぐらい一気に下っていた。
堀切状ではなく、下も広い曲輪らしい。

降りてゆくと、奥行き10メートルほどの平場の向こう側に土塁…
今はこの土塁を越えて奥に進むが、往時は左側のヤブの中に眠る虎口を通ることになっていた。

土塁を越えると、斜面の懐に小さな曲輪。
道は草むらの中を進み、奥で右に曲がって斜面に取り付くようになっている。

登ってゆくと、虎口とも空堀とも見える狭い切通しに引き込まれる。
寄せ手の立場になると、見るからにヤバそうな雰囲気…😨

この奥には、恐るべき仕掛けを造り込んだ空間が広がっていた…
そして主郭はまだ遠い…


丸森 柴小屋城 その2に続く)

 

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(2023年8月9日 記)