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城内最西端の曲輪から谷を越えて登ろうとすると、狭い堀底のようなところに通されるようになっていた。

 
上には小さな曲輪がある。
その虎口までが、また急な登り…
 

ここまで登って振り返ってみると…

 

それは…

 

寄せ手にとってはこの世の地獄と恐怖するに違いない光景だった😨

 

一列縦隊で進まざるを得ないような細い通路がカクンと折れ曲って、先は急な登り…

上の曲輪の虎口や右側の土塁上からは、雨あられの如くに矢弾が降り注ぐ…

後方から弓矢で援護射撃しようにも上の曲輪は見上げるような高さにあって、矢勢が相当に削がれるだろう…

 

この恐るべき防御の要となる、登りきったところの曲輪…

 
なんか、狭くね?😮

 
そこは背丈ぐらいの土塁に囲まれた、バドミントンコートぐらいの狭い空間だった。
土塁には漫画チックな説明板。
 

ここに駐屯して寄せ手を攻撃できる兵力は、せいぜい数十人といったところだろう。

背後の堀切を通して兵士や武器弾薬を移動・輸送し、最前線になったときに損害を抑えつつ出来るだけ長時間持ちこたえられるように築いたのだろう。

ここを突破されると二の丸が目前なので、守る側も必死…

 

えげつない防御遺構に漂う、この緊張感…

 

この小曲輪の背後は、これまた大きな堀切😮

 
底まで降りて、右側を覗き込むと…
最狭部はやっぱり、このカタチ✨
 
緑ばかりで土の曲線がどうも埋もれ気味なので、中へ潜り込んで逆光で…
 
堀切からは、土の急斜面に手すりの付けられた道を登る。
崩れかけている場所もあるので足元注意⚠
 
この上は搦手門。
登ってゆくと門らしい雰囲気になってくる。

 
入ってみると、奥の曲輪よりも一段低くなっていて、門の後ろに枡形が控えていたらしい。
 
枡形から登ると、そこは二の丸。
ここまでで、これだけ大きな曲輪は2つ目😮
今は森林公園の雰囲気…
 
一番奥まで行くと、本丸との間の空堀になる。
そのドンづまりに「陸橋跡」という案内が立っている。
ここに木橋を渡して往来してたのね…😮
 
見下ろしてみると、幅は10メートルほどながら、両側が鋭く切り立った横堀が抉られている😮
反対側も、橋を架けた跡のように見えなくもない。
 

降りて行って堀底に立ってみたが、上から見た印象よりだいぶ🌿🌿

傍らに立っている案内にも『空堀跡』とだけあって、ここはどうやら動線ではない様子…


本丸へは、この空堀を南の端まで行って、斜めに登ってゆく道へ入る。
斜面に切り込みを入れただけのように見える、かなり急傾斜の道を登ってゆくと、上の方に坂虎口…

入ってみると、向こう側の本丸から一段下がったような空間に通される。

奥まで入って振り返ると、そこは立派な内枡形だった。
こんな枡形があるということは、この切岸に切れ込みを入れただけのような急傾斜の道が、大手道だったのね😮

こんな枡形を備えた虎口があるのに、堀切に木橋を渡していたのか…?🤔
思うに、平時は木橋を架けて往来し、もし二の丸まで占拠されそうな事態になったら木橋を落として寄せ手を堀切に潜らせて、上から攻撃しつつ城を脱出したりする時間稼ぎをしようという意図だったのか…
もちろんワタシの妄想でしかないけど…

本丸にはいろいろな物が立っている。
まずは城址碑

そして神社

説明板には「八重垣神社」とあった。

神社の正面には、立派に掘り込まれた虎口状…
西の方にも立派な虎口があったが、ここにも…

少し降りてから振り返る
かなりの急坂…

一段下の帯曲輪らしいところまで降りると、そこに年季の入った鳥居…
八重垣神社への参道はこちらで、小斎小学校方面から登ってきているらしい。
先ほど登ってきた西からの道が大手道らしいが、こちらは搦手か、それとも神社を建てたときのものか…

ここから本丸の東側に回り込むところに立つ説明板…

東側には大きな曲輪が広がっていて、ここには馬屋があったらしい。

馬屋から立ち上がる、本丸の切岸
鋭くて、高さもある😮

奥の、三の丸との間に空堀があるというので、🌿🌿の生える曲輪を進んでいくと…

あった!

で、向こう側の三の丸…

なんか、🌿🌿で向こうが見えなくね?😨

適当なところから空堀に降りる。
幅はそれほどでもないが、深く掘り込まれた立派な空堀✨

奥の方、竪堀になって斜面を降りるようになるまで、しっかり掘り込まれている。

そして、この空堀の南端近くには、なんと三の丸の標柱🤯

さらに驚いたことには、この標柱脇の切岸に、三の丸に登る動線らしいものが刻まれていた🤯
ここから登ってみたが…

🌿🌿で向こうが見えないやん…

というわけで、これ以上進むのはやめて、撤収〜💨

 

とにかく主郭まわりの空堀が鋭い。

そして所々に散りばめられた技巧的な土木遺構…

土木の跡を見たい城ヤにとっては最高だろう🙌


伊達氏と相馬氏の抗争など、幾多の刃にまみれていたのだろう…


城から下りてきたときは、はや日没が30分前まで迫っていた💦

次第に暗くなる中、展開されたラストシーン…

 

【完】

 

★柴小屋城

宮城県伊具郡丸森町小斎北向

小斎物見櫓の駐車場を利用可。

山城

 

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(2023年8月16日 記)