都道府県別索引へ 千葉県の索引 

 

万喜城は大多喜の街から東に10km弱、蛇行する夷隅川に程近い丘陵地帯の一角を占めている城で、最高点に立つ天守閣ふうの展望台を中心とした、かなり広大な城域を持っている。

応永年間に摂津国から土岐氏が移ってきて居城にしたと伝えられる。戦国時代を通じて土岐氏が居城としていたが、天正十八年(1590年)に小田原合戦がらみで徳川方の本多忠勝に攻め落とされ、その後1年間ほど忠勝が駐留した後に廃城となったらしい。


丘陵の尾根線の各所に堀切や段郭などを設けて城壁に仕立て、その間の谷戸などに曲輪を配置したタイプの城で、房総半島では多く見られる。

 

この城は広すぎて、どう歩いたら良いかが分かりにくい…

昨年も同じ時期に挑戦したのだが、日没1時間前に訪れて時間が取れず、おまけに突入したヤブの中でズボンの裾を枯れ木に引っ掛けて破かれ、やむなく撤収という惨敗を喫していた。


この日は一年ぶりのリベンジ、の意気込みで臨んだ、んだが…💦

展望台横の広場には沢山の人がいて、奥の妙見台方面への立入禁止を突破するのは気が引ける…


今回も敗北確定やん…😅


そこで、右隣の倉の台に登ってみた。

前回は全く注目していなかったけど、🌿が刈り払われて土の曲線がよく見える。

登り口が、早速虎口ふうになっていた😮


横の斜面も切岸加工されている。

登って振り返っても、いい造形してる✨

倉の台はかなり広い曲輪だった。
武器庫があったのではないかと言われているとか。
ただ、🌿ボーボー…

続いて、駐車場の横の高台の、祠のある曲輪へ。

北側に土塁が盛り上がっている様子。


次に、公園のある主郭部と北側に伸びる尾根との間にある堀切状を見に行ってみた。
車道を駐車場から降りてゆくと、すぐ右に広がっている。
堀切というよりは平坦な曲輪で、水の手もありそうな雰囲気だった😮

主郭部の切岸が高いが、他に遺構は無かった…

さらに、この北隣の曲輪から北に伸びる、浅間台の方に向かってみる。

先ほどの窪地のすぐ北側で、車道のすぐ脇から歩いて入れるが整備の手は入っていないので、歩くにはそれなりの心得が必要だろう。


奥に入ると、東端に土塁がある。

末端の方は数十センチの高さだが、北に進むほど高くなる。

曲輪の北端の方では、こんな辻山のような高さになる😮
裾に打ち捨てられているのは森林整備の案内で、城の説明板ではなかった…
ここが城の一部と認知されるようになってから、まだ日が浅いらしい😢

北隣の郭8は一段低くなっているが、東端の土塁は曲輪からの高さが10メートルぐらいありそう😮

しかも、外側は岩盤城らしくほぼ垂直のガケになっている🥶


天端をさらに北に進んでゆくと、百メートル行かないぐらいでプッツリ途絶えていた。
三方がガケのような急斜面で、とても降りられないので引き返すしかない😨
ここには石仏が…

この土塁から下の曲輪には降りられないので、車道まで戻って入り直すことにした。
最近出来たばかりのトイレの少し上あたり、道と曲輪が同じ高さになるあたりから入る。

曲輪は、やっぱり植林地そのものだった😨
ヤブではないが、整地はされていないので歩きづらい。
ここを東に向かって進む。

少し行くと一段高くなって、その奥が東端の土塁になっている。
土塁の下は段郭らしい。

段を登って土塁の下を北に進むと、トイレの方に向かって急峻なルンゼ状が落ちている😮
竪堀…にしても急すぎるような…

ここからさらに一段上に登ると、先ほど行き詰まった土塁の切れ目に出るんだが…

土塁の切れ目ってより、堀切やん🤯

ここは向こう側に回ってから逆光で見たほうが…✨

ここは堀切というより動線のようで、ここまで登ってくる所も、何となく動線を表すように掘られている。

裏へ回ると、🌿🌿はかなり強盛だが、一段下がったところが何となく曲輪のようになっている。

外側もちゃんと土塁に守られている😮

本来もっと緩かった斜面を切岸加工で鋭くし、出てきた土を盛って曲輪にした場所かもしれない。

広範囲の山稜を加工して 城壁に仕立てたような城では、尾根下に帯曲輪が続いている城が多いが、ここはとりわけ大規模なようだ😮


この南東側には、相当大きな竪堀状が落ちているが、これは竪堀にしてはあまりに大きすぎるか??


切れ目の向こう側の土塁にも登ってさらに北にも入ってみたが、少し先で急激に落ちて終わっていた。


堀切や先に伸びる尾根などは探し出せなかったので、ここまでで探索を終えることにした。

今回見ることができたのは主郭部から離れた一部分だけだったが、山稜を相当大規模に加工して城郭に仕立てた様子は十分に見て取れた。
今回入れなかった妙見台から南側には、さらに峻険なところが大規模に広がっているとのことで、さすがに名門土岐氏の本拠地だっただけのことはある。
美濃守護家と違って、上総の土岐氏は北条氏の麾下に入り、侵入してきた里見の軍勢を三度も敗走させるなど溌剌とした動きを見せているが、その力のほどが窺える名城といえるだろう✨

それにしても、立入禁止になっている妙見台方面に入れるのは、いつになるだろう…😢
 

★万喜城

千葉県いすみ市万木

公園内に駐車場有。近年駐車場への車道途中にトイレも完成。

山城

 

都道府県別索引へ 千葉県の索引 

 

(2022年3月7日 記)