青木宣篤選手 の走行データを解説したいと思います。
本庄サーキット をGSX-R1300隼でレッスン中に走行したデータです。
比較データは当日参加の生徒さんのデータとさせて頂きました。
赤は青木宣篤選手 青は生徒さんのデータです。
■1コーナー
最終コーナーを抜けた後は、アウトに寄りコース幅いっぱいを使いましょう!

旋回(コーナリング)半径を大きくすることで、曲げるための走行抵抗を
減らしながらも、アクセルを開けていく!
明らかに青木宣篤選手の走行軌跡の方が大きな旋回半径を示して
いますよね。
このときのコーナリング半径はどうか??

デジスパイスのフリクションサークル(摩擦円)で確認すると

な、なんと!!37mも差があるんです。
たかが半径150mほどのコーナーでこんなに違うんですよ!
速度が乗るコーナーは如何に大きな走行ラインを走れるかがタイムを
出す秘訣です。
※そんなこと分かってるよね。
■1ヘアピン
本庄サーキットでタイム差が出やすいのは、1ヘア、2ヘアなんですよ~。
低速コーナーをどの様にクリアするか!
なんです。
1コーナーからメインストレートで思いっきりアクセルをあけます。。。(当たり前ですよね!)
右コーナーに向かってのターンインです。
特に大型バイクの場合は、俗に言う『V字コーナリング』を行います。
早めにターンインを開始します。
じっくりですよ~~~じっくり。。。ね。
※今回は割愛しますが、ブレーキを残しながら、フロントに加重を掛けて・・・・のコーナリングです。
突っ込みすぎないでね。

進入を見ると、明らかに青木選手の方が早めにターンインを始めていまよね。。。
これです。
斜めにクリッピングポイントに向かっています。
普通のアウトインアウトのライン取りとは違いますよね。
クリッピングポイントでは、明らかに赤の青木選手のバイクは曲がっていません!
青の生徒さんのバイクは青木選手よりは出口に向いています!
青木宣篤選手危うし!
拡大するとこんな感じです。

しかし、ここで青木選手は一気に向きを変えるこができるんです。
なぜなんでしょう???
クリッピングポイントの速度です。

2台のボトム(最低)速度がほぼ同じなんです。
GPライダーと生徒さんが・・・・・・ (驚)
実は、普通のライダーは世界の青木宣篤選手よりコーナリングの
ボトム速度は高いんです。
そうなんです。
ここが大きなポイントです!
クリッピングポイントで従来より速度を落として、一気に向きを変えてしまうのです。
向きが変わってしまえば、バイクを起こして一気に加速です。
そうなんです。
ご自身のクリッピングの速度をちょっと落とすだけで、今まで以上の立ち上がり加速を
味わうことができるのです。
1ヘアの速度は約40kn/hです。
この限界速度をたとえば5km/h落とすとどんなことが起こるでしょうか?
そうです、余裕をもってバイクを一気に出口側に向けることが誰でも容易にできます。
逆に今までの速度では一気に向きを変えることができません。
結果として、バイクを起こすことができず、少しずつ加速するも
アンダーステアが発生し、なかなかフル加速に移れません。

結果として、次のバックストレート前にもう一つ左コーナーを作って
しまっています。

このように、『V字コーナリング』をするには、クリッピングポイントの
速度を従来の『アウトインアウト』より落とすことが必要になります。
今日の勉強はこの辺で・・・・
では、また。。。