グルー継ぎが求められているからこその葛藤 | モダン金継ぎ【グルー継ぎ】はありのままの姿を認めて大切にするハンドメイド

モダン金継ぎ【グルー継ぎ】はありのままの姿を認めて大切にするハンドメイド

ハンドメイドだからできる、暮らしの中から楽しみながら持続可能な社会を実現すること。
無理するのではなくて、頑張るのでもなくて、ゆるく、楽しく、それでいて、ちゃんと未来の子供達に今よりもっと良い社会を残したいと考えるためのブログです。

グルー継ぎという新しいハンドメイドを作ってから

5ヶ月が経ちました。


それまで12年間、wGlueという接着剤を使って

色んなものを修復してきて

その実力と可能性は自信があったけれど、

それをハンドメイドとして世の中に打ち出す意味を

まだ自分の中にしっかりと落とし込めないまま

勢いだけで準備をし、リリース。


案の定、頭の中はそのことで埋め尽くされ、

5ヶ月間、寝ていても寝ていない感じ。

ずっと頭の中の脳細胞がぐるぐると

まわり続けています。


もっと、もっと。

グルー継ぎというハンドメイドを正しく表現していかなきゃと

焦りと、違和感に苛まれていました。


それでも、ありがたいことに企業からたくさんのオファーをいただけるようになり、

あれよあれよという間に

百貨店や企業イベントでグルー継ぎのワークショップをさせて頂きました。


そして常にワークショップは、

満席になる反響ぶりに

本当に驚いています。

それと同時に、やっぱり!

という思いが頭をかすめる


グルー継ぎは求められている。


来られた時は、少し薄汚れて、シミのある割れたり欠けたりした食器を

申し訳なさそうに袋から出された方が、

2時間後、愛おしそうにその食器を手の中に収めて、

心からの笑顔で「かわいい」「ステキ」と、褒めたたえられる。


誰でもない、ご自身が一番

自分の作品を素晴らしいと、評価される瞬間に

毎回立ち会わせてもらえる

なんという幸福感。


グルー継ぎのコンテンツの素晴らしさは、ここにある。

誰もが幸福になれる。

嫌な気持ちが全くない。


壊れてひっそりと隠されていたものを、自らの手で修復して

メインの存在に格上げする。


人も同じ。

メインの存在に格上げできるチャンスはいつでもある。

その表れのようなハンドメイド。


今回の銀座でのグルー継ぎワークショップを経験して

少しだけ頭の中が晴れてきた気がする。


モヤモヤした何かを消し去れるまでは

少し時間はかかりそうだけれど。