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デジタル一眼レフを使っていて、ライブファインダー(つまりは背面の液晶ディスプレイ)を使用している時の撮影のタイムラグが気になるという人は多いのではないだろうか。
そのため、デジタル一眼ではつい、ファインダーで撮影してしまうという人も多く、メーカー各社はこれを改善するために様々な技術を投入している。
キヤノンの新機種『EOS70D』は新技術の投入で、ここの改善に力を入れたという話を聞き、借りてみた。
なお、今回、借りて試した製品は、発売前のもので、実際の製品とは異なる部分があるかもしれないのであらかじめお断りしておく(※発売予定日は8月29日)。
■外観の特徴は?
この『70D』は、『60D』の後継的なポジションとなるのだろうか?
そのボディーは「Kiss」シリーズよりも上位機種となるため、「Kiss」よりもボディーは大柄で重い。
しかし、大柄とはいっても、右のグリップ部がより大きく、ホールドしやすくなっているため男性ならかえって持ちやすく感じるだろう。
本体の重量は単体で約755gだが、個人的にはこの程度の重さがあったほうが撮影時に安定する印象だ。
背面に搭載するディスプレイは、3.0インチで横に開くタイプで、回転するので様々な角度で撮影しやすい。
ディスプレイの表示クオリティーもコントラストが高い印象があるかが、キヤノンらしく落ち着いた色合いだ。
ちなみに使用できる記録メディアは、SD、SDHC、SDXCで高速転送ができる「UHS-I」規格にも対応している。
このUHS-I規格では、対応するメモリカードであれば、高速にデータの書き込み、読み込みが可能になる。
例えば、UHS-I対応の東芝のSDHCカード「EXCERIA Type2 UHS-I 95MB/S」だと、最大転送速度が読み込みが95MB/s、書き込みが65MB/sという驚異的な高速性能を持つ。
一般的なクラス10では読み書きが最低10MB/s以上だから、どれだけ高速かがわかるだろう。
大量の画像転送には便利だ。
ちなみに、今回は「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM」レンズキットをお借りしたが、広角から若干までの望遠をカバーする。
日常的な撮影なら、これ1本でカバーできそうだ。
レンズを装着しない状態の本体。
レンズを装着したところ。
ディスプレイは横開き。
■新技術「デュアルピクセルCMOS AF」とは?
この高速性を実現している新技術は「デュアルピクセルCMOS AF」と呼ばれる。
これは撮影に使う映像素子を、そのままピント合わせにも使ってしまうというものだ。
ピント合わせに使う、ってどういうこと? と思われた方もいるだろう。
これは、1つ1つの映像素子が2つの位相差AFセンサーにもなるというもので、デュアルピクセルという名前はここからきている。
位相差センサーで高速なピント合わせを行ない、そのまま撮影できるため、シャッターを押してからピント合わせ、撮影の時間をファインダーとほぼ同等に高速化できたという。
実際にライブファインダーを使って撮影した場合のレスポンスは、確かにファインダー並みに速く、ストレスがない。
このレスポンスであれば、ごく気軽にライブビューで撮影できそうだ。
個人的なデジカメの使い方として、発表会などで椅子に座った状態で撮影を行なうと、人の頭が邪魔になるので光学ファインダーで撮影するのは難しい。
そのため、カメラを上に持ちあげて撮影する機会が多いので、このレスポンスのよさはとても有難い。
イベント撮影や運動会などでもライブビューでのこの優れたレスポンスが威力を発揮することだろう。
また、動画撮影時のフォーカスもよりスムーズになり、動きへの追従性が増している。
動画をよく撮影するという人にもメリットが大きそうだ。
■気になる画質は?
僕が使ったのは製品発売前の機材であるため、画質に対し細かく評価することは控えたい。
だが、キヤノンの映像補正エンジン「DIGIC5+」に対応しており、破綻の少ない安定した映像だと感じた。
連射可能速度は約7.0コマ/秒と高速であるため、シャッターを押してから撮影が終了する時間も短く、「バシャッ!」という音が小気味いいが、シャッター動作による振動をほぼ感じることもなかった。
これは、シャッターチャージモーターを浮遊支持にしていることも関係しているかもしれない。
このシャッターを切った時の音とフィーリングは、撮影者が時間と空間を真剣で切り取ったかのように感じさせてくれる鋭いものだ。
このあたりの演出がキヤノンならでは、と言えるだろう。
■スマホからのコントロールにも対応
この『70D』はまたWi-Fi機能を搭載し、スマホとダイレクトに接続してリモートコントロール撮影することができる。
また、カメラ内の画像をスマホで見ることができるのも便利だ。
Wi-Fi経由でリモートコントロール撮影できるアプリ「EOS Remote」。
設定でWi-FI機能をオン・オフできる。
リモート撮影しているところ。
■『EOS70D』はどんな人におすすめのカメラ?
『EOS70D』の動作性は下位機種の『EOS Kiss』と比較すると、速くてスムーズだ。
しかし、価格もそれなりにするので、写真を真剣に撮りたいという中級者以上向けのカメラといえる。
また、ライブビューでの撮影のレスポンスに優れるので、ライブビューで撮影するシチュエーションが多い人に向いている。
『EOS70D』はバリバリ写真を撮りたい人から、子供の運動会のような混雑の中をライブビューを使って撮ることが多い人まで、幅広いユーザーにおすすめできるデジタル一眼だ。
■製品情報
http://cweb.canon.jp/eos/lineup/70d/index.html
http://www.toshiba.co.jp/p-media/sdhc/index_j.htm
(文/一条真人)

ITジャーナリスト。雑誌「ハッカー」編集長などを経て現在にいたる。
著書50冊以上。近著は「3年後に後悔をしない仕事の法則」 (Kindle版)。
IchijoMasahto。本名:OSAMU SAKATA
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