ビットコインのベーシストレードとは?
1. はじめに
最近、仮想通貨市場で注目されている「ベーシストレード」について聞いたことがありますか?
これは、現物市場と先物市場の価格差(ベーシス)を利用して利益を得る投資手法です。特にビットコインを活用したベーシストレードは、機関投資家やヘッジファンドが積極的に取り入れており、大きな収益を生み出しています。
初心者の方にもわかりやすく、この仕組みを解説していきます!
2. ベーシストレードとは?
ベーシスとは?
ベーシスとは、現物市場と先物市場の価格差のことを指します。通常、先物価格は現物価格よりも高くなることが多いですが、市場の状況によっては逆転することもあります。
ベーシストレードの基本戦略
ベーシストレードは、この価格差を利用して利益を上げる投資手法です。
-
現物(スポット)価格が先物価格よりも低いとき → 先物をショート(売り)し、現物をロング(買う)
-
価格差が縮小したタイミングでポジションを解消 → 利益を確定
3. ヘッジファンドの戦略
多くのヘッジファンドは、ビットコインのベーシストレードを活用し、以下のようなポジションを取ります。
-
ETF(現物)をロング(買う)
-
CME先物をショート(売る)
-
短期米国債よりも高い利回りを狙う
この戦略の狙いは、安定した利回りを得ることです。短期米国債の利回りよりもベーシスが高ければ、この手法で効率的に利益を出せます。
4. 価格変動とヘッジファンドの行動
ビットコインの価格が下落するとどうなる?
ビットコインの価格が下がると、先物市場と現物市場の価格差(ベーシス)も縮小する傾向があります。この影響で、ヘッジファンドは以下のような動きをします。
-
現物(ビットコイン)を売却 → 損失を最小限に抑えるため
-
CME先物を買い戻し → 価格差を活用して利益を確定するため
5. なぜファンドは利益を確定するのか?
① ベーシスが米国債の利回りに近づくと、リスクが増す
ベーシスの値が小さくなり、短期米国債の利回りとほぼ同じになった場合、わざわざビットコインを使った取引をするメリットがなくなるため、ヘッジファンドはポジションを解消し始めます。
② 市場が開いている間にポジションを解消し、確実に利益を得る
米国市場が開いている時間帯は、流動性(取引量)が高く、希望する価格で売買しやすいため、ヘッジファンドはこの時間に取引を集中させ、利益を確実に確保します。
③ 価格変動が大きいと、ファンドは早めに利益を確定
相場が大きく動くと、ベーシスが急激に変化する可能性があります。ファンドにとって確実な利益を得ることが最優先なので、価格が大きく変動する前に取引を終わらせるのです。
(補足説明)
ビットコインETFの利回りが米国債の金利を上回ることもあります。特に、ビットコイン価格が上昇している局面では、ビットコインETFのリターンが米国債の利回りを大きく上回る可能性があります。例えば、2024年にはビットコイン価格が年初来で55%上昇し、同期間にブラックロックの長期米国債ETF(TLT)が8%下落したため、ビットコインのリターンが米国債を大きく上回りました。
ただし、ビットコインETFは高いボラティリティ(価格変動性)を持つため、リターンが大きく変動するリスクがあります。一方、米国債は比較的安定した利回りを提供しますが、リターンはビットコインETFと比べて低くなる傾向があります。投資を検討する際は、自身のリスク許容度や投資目的に応じて、これらの特性を考慮することが重要です。
6. まとめ & 投資初心者へのポイント
-
ベーシストレードは「価格差を活用したアービトラージ戦略」
-
相場が安定していると利益を出しやすいが、変動が大きいと影響を受ける
-
初心者は、まず市場の仕組みを理解し、少額で実践するのが安全
ベーシストレードは、比較的リスクを抑えた戦略ですが、相場の状況によっては思わぬ損失を出す可能性もあります。初心者の方は、まず少額で試しながら、しっかりと相場の動きを観察することが大切です。
ビットコイン市場の仕組みを理解し、戦略的に投資を進めていきましょう!