ふたたび、引き篭もりの生活が始まった。
この生活が11月いっぱい続く。
だから、夜中は映画三昧で気分転換。

というわけで、これを観た。



「the THEORY of EVERYTHING / 博士と彼女のセオリー」

なんの先入観の前知識もなく、レンタル屋で「神のサイコロ」的に選んだ。

痛かった。胸が、心が、いたい・・・。
難病に罹る夫とそれを支える妻の、愛情と人生の葛藤の物語。
記憶から離れない、美しい作品のひとつに出会った。

物理学者ホーキング博士を演じたエディ・レッドメインの演技もさることながら、
その妻ジェーンを演じたフェリシティ・ジョーンズにも喝采だ。

何度も観たいというよりも、余韻に浸っていたい映画だった。

音楽もとても効果的な旋律で、深く染みこんでくる。

サントラ「the THEORY of EVERYTHING」 音楽:ヨハン・ヨハンソン

映画を観終わった後、さっそくAmazonでサントラを注文。
早く届かないかな~。

ヨハン・ヨハンソン・・・ちょっとオッカケしてみるか・・・。


ところで、この原題の「the THEORY of EVERYTHING」がいい。
物理学で言うところの「統一場理論」、あるいは「統一理論」だ。

ホーキング博士といえば、
ブラックホールやビッグバンなどの宇宙理論で有名な博士。
宇宙開闢のその瞬間を探求する理論物理学者だ。

浅い知識しかないが、
アインシュタインの「相対性理論」と、
ボーアやハイゼンベルクなどの「量子力学」を統合する、
究極の理論が「統一理論」。
正確には自然界の4つの力を統合する理論で、
重力と電磁力が結ばれれば、統一理論は完結する。
だが、この力の統一は、
物理学者にとっての最大の難関であり終着点でもある。
「弦理論」や「超弦理論」を提唱する人たちもいる。
4次元でも頭がこんがらがるのに、
10次元以上の世界なんて・・・。

ベンローズやホーキングが「相対性理論」の破綻を証明したことで、
宇宙の始まりのその時、その空間と時間と物質の立証が、
全ての物理学者の究極のテーマとなったわけだ。

宇宙は膨張を続けるのか、収縮に転じるのか。
収縮の極限は何事なのか。
時間をどこまで戻せるのか。

その課題を投げかけたホーキングの存在は大きい。

そのたったひとつの美しい方程式はどこにあるのだろう。

そして、創造主たる「神」はあるのか。


でもその前に、
「私たちが創ったものがある、あれを見てごらん・・・」
と、意思伝達装置が語る。

設計図の脚本が美しい。

そして、邦題を「博士と彼女のセオリー」としたセンスも光る。

この他にも何枚もDVDをレンタルしてきたが、
しばらくこの作品の余韻に浸っていたい。

返却日がうらめしぃ~・・・。


設計図が届かないので、毎日暇なの。

世間は大型連休とやらで、

どこに行っても人だかりだから、

外に出かける気もないし。


だから、好き勝手に音楽つくっちゃうの。

趣味が仕事になったようなもんだから、

仕事がなくなれば、ただの趣味に戻るの。

ただ、それだけなの。




前売り券GET!



昨日から始まった「春画展」の前売りペアチケット。

必ず行く!って宣言したけど、

いつ行けるか、わかんない。

行けるかどうかも、わかんない。

「前売りペアチケット」だけど、

誰と行けるかも、わかんない。

ひとりかもしれない。

いつもの自分だと・・・結局だれも誘えずに・・・

たぶん・・・ひとり・・・になっちゃうのかな・・・・。

じゃぁ、最初から1枚だけでいいのにね。


12月の江戸での仕事の折、在江戸の知人に声をかけてみようかな・・・。

仕事のついでじゃ・・・やっぱり、行けなくなっちゃうのかな・・・。




すこし穏やかに、のんびりしたいな。

独りにも慣れたけど、

秋の日がな一日、

お弁当食べながら、格安高速バスに揺られちゃって、

艶な春画に胸キュンキュン魅せられちゃって、

夜は江戸前喰らいながら、冷酒のまったりホロホロ酔って、

・・・・・・・・・・

そんな隠微な一泊ツアー

だれか一緒に行かない?


・・・・・・・だれも行かないよね。

あのね?・・・あのなぁ?・・・あのよぅ?・・・あんなぁ?・・・あんねぇ?

あんねえ・・・・か。

穏やかな時間がほしい。

ベランダに咲く、緋ネム。・・・毎日、たくさんの花を咲かせてくれる。





めまいと吐き気がとまらない。

原因はなんとなくあるようなないような。



中沢啓治さんの「はだしのゲン」の中で、
母の君江がゲンに語る「おそろしくて大事なこと」という話がある。

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ゲン 「ひどいことしていたんじゃのう、特高警察は。

君江 「そうよ、すべての自由をうばっていったのよ。父さんは大事な人間を殺されたと泣いてくやしがっていた・・・。いまに戦争に反対していたことが、かならず正しかったとわかるときがくると・・。そのとおりになったね。日本中焼け野原にされ、食い物もなんにもなくなり、何百万人の日本人が殺され、父さんたちも原爆で殺され、もうあんな暗黒のおそろしい時代に日本をしてはいけんね・・・。警察や憲兵を使って、自由にしゃべったり映画や演劇や本を見ることができないようにする法律をつくらせたりしては・・・。元(ゲン)、昭(あきら)・・・、これから未来があるんだ。戦争をよろこぶ世の中にしてはいけんよ。

ゲン 「わかっとるよ、母ちゃん。

君江 「うちはおまえらが心配なんだよ。また戦争にまきこまれはしないかと。また戦争をよろこぶ流れがおきてしまったら、もうおそいのよ。つぎつぎと治安維持法みたいな法律をつくられ、完全に逃げられないようにされ、人間がただの戦争する道具にされるんだから・・・。いつも戦争をおこそうとするくわだてをはやく見破って、みんなで声を張り上げ反対してふせぐのよ。国のためだと言って戦争して、かげでもうけるやつがいつもおるんじゃけえ。

ゲン 「お母ちゃん、わしゃぜったいに戦争させんわい。どんなえらいやつがきれいなことを言っても、わしゃだまされんわい。わしゃこの目でみてきたんじゃ、ピカで虫けらのように殺されていく戦争の本当の姿を。すべてがすべてがなくなるんじゃ。ほいじゃが戦争はおそろしいとわかっていても、反対して平和を守り抜くことは大変なことじゃのう。

君江 「ほうよ、それがいちばん大事でおそろしいことよ。人間はすぐ苦しかったことをわすれるけえね。


中沢啓治著「はだしのゲン 第二部」 中央公論社刊 より抜粋
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このめまいと吐き気の借りは、必ず返してやる。