めまいと吐き気がとまらない。

原因はなんとなくあるようなないような。



中沢啓治さんの「はだしのゲン」の中で、
母の君江がゲンに語る「おそろしくて大事なこと」という話がある。

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ゲン 「ひどいことしていたんじゃのう、特高警察は。

君江 「そうよ、すべての自由をうばっていったのよ。父さんは大事な人間を殺されたと泣いてくやしがっていた・・・。いまに戦争に反対していたことが、かならず正しかったとわかるときがくると・・。そのとおりになったね。日本中焼け野原にされ、食い物もなんにもなくなり、何百万人の日本人が殺され、父さんたちも原爆で殺され、もうあんな暗黒のおそろしい時代に日本をしてはいけんね・・・。警察や憲兵を使って、自由にしゃべったり映画や演劇や本を見ることができないようにする法律をつくらせたりしては・・・。元(ゲン)、昭(あきら)・・・、これから未来があるんだ。戦争をよろこぶ世の中にしてはいけんよ。

ゲン 「わかっとるよ、母ちゃん。

君江 「うちはおまえらが心配なんだよ。また戦争にまきこまれはしないかと。また戦争をよろこぶ流れがおきてしまったら、もうおそいのよ。つぎつぎと治安維持法みたいな法律をつくられ、完全に逃げられないようにされ、人間がただの戦争する道具にされるんだから・・・。いつも戦争をおこそうとするくわだてをはやく見破って、みんなで声を張り上げ反対してふせぐのよ。国のためだと言って戦争して、かげでもうけるやつがいつもおるんじゃけえ。

ゲン 「お母ちゃん、わしゃぜったいに戦争させんわい。どんなえらいやつがきれいなことを言っても、わしゃだまされんわい。わしゃこの目でみてきたんじゃ、ピカで虫けらのように殺されていく戦争の本当の姿を。すべてがすべてがなくなるんじゃ。ほいじゃが戦争はおそろしいとわかっていても、反対して平和を守り抜くことは大変なことじゃのう。

君江 「ほうよ、それがいちばん大事でおそろしいことよ。人間はすぐ苦しかったことをわすれるけえね。


中沢啓治著「はだしのゲン 第二部」 中央公論社刊 より抜粋
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このめまいと吐き気の借りは、必ず返してやる。