豊洲市場移転問題「海水で洗わないとボウフラが…」というのなら | 安濃爾鱒のノート

安濃爾鱒のノート

これは web log ではありません。
なんというか、私の「ノート」です。

 東京で、中央卸売市場を 築地から豊洲へ移転するか否かで議論になっているらしくて、兵庫県民である私には、全く利害関係が無い話なのですが、野次馬根性で、双方の主張を読んでみたところ、豊洲移転反対派の主張に理解できないものが幾つか見つかりました。
 例えば、

「豊洲市場では、洗浄に海水が使えないので、コバエやボウフラが発生してしまうぞ」

という主張がシツコク述べられています。
  しかし、塩分濃度が 約3%程度(かそれ以下)の濾過海水には、殺菌消毒能力はありません。
 他の水産を扱う中央卸売市場では、既に 洗浄に水道水を用いていますが、それによって衛生面で支障が生じた例はありません。
 洗浄に海水を使ってないからコバエやボウフラが発生している、なんていう中央卸売市場はありません。
 鮮魚を扱うところでは、大量の水を使って洗浄し かつ その後 水溜りが残らないようにしなければなりません。もし水溜りが残っていると、そこで雑菌が繁殖しますし、ボウフラが湧く恐れもあります。もし 今 築地市場の人たちが「今は海水で洗浄しているからボウフラが湧かないが、水道水を使うようになればボウフラが湧く」と言っているとしたら、彼らは、現状、洗浄した後、水溜りが残るようなことをしているということになり、その水溜りで雑菌が大量発生している筈で、現状の築地市場は非常に不潔であるということになります。(海水で洗浄した後出来る水溜りはボウフラは湧かなくとも、海水に殺菌消毒力は無いので、雑菌が湧いているのです)

 もし、「現状、築地市場では、海水で洗浄しているからコバエやボウフラが発生していない。もし水道水で洗えばコバエやボウフラが発生する」というのが本当なら、現在、築地市場では雑菌を大量に繁殖させているということであり、もしその原因が築地市場の構造上の問題であるのなら、築地市場は、構造上 衛生面で 重大な欠陥があるということであり、直ちにその利用を止めて 中央市場機能を新施設へ移転するべきです。また、もし、「現状、築地市場では、海水で洗浄しているからコバエやボウフラが発生していない。もし水道水で洗えばコバエやボウフラが発生する」というのが本当で、つまり、現在、築地市場では雑菌を大量に繁殖させているということで、それが特定の業者の掃除のやり方に問題があるというのなら、そういう衛生上大きな問題の有る業者は、全て、直ちに、日本中の中央卸売市場から追放するべきです。

 また、ネット上に流されている「豊洲市場耐震強度疑惑」に対して、以下のような意見があり、私には、こちらの方が説得力があると思います:
 「日建と関係ない構造計算の人たちがタレ込んできた内容では、あの図面だけで断定はできないが、もしもあの水平力の計算が特定の計算方法でアウトだと言い切るなら、大口のビルや地下駐車場つきのショッピングモールなどが違法になる建物続出してしまうのでは」(山本一郎氏) 「豊洲市場設計者の日建設計は日本最大の組織設計事務所(車でいえばトヨタ)。仮に豊洲市場で構造設計に不備があれば、最大の問題は法的にクリアしていないことではなくて、すでにクリアしていること。審査機関、行政はもとより、各種設計団体、研究者の常識が覆る。個人的にはこのネタは相当怪しい。」(Crocan氏)
 既に上に書いたコバエ・ボウフラ云々の件もそうですが、豊洲移転反対派が挙げる主張の方に非科学的非論理的・信憑性の低い話が目立ち、《 移転派の主張に『最初に移転ありき』》 というより、反対派の主張が「反対の為の反対」のように思えます。
 この他に、建築費用の高騰や利権疑惑などの問題もあるようですが、それら自体はしっかり調査すべき問題だと思いますが、それが豊洲移転に反対する理由になるとは思えません。

 

   ーーーーー杉浦 憲二 (Sugíura Kenji) ーー sui generis ーーーーー