最近、縁あって、vegetarianism や vegan の人のサイト・ブログを見て回っているのだが、
ベジタリアニズム (vegetarianism)
「菜食主義」、健康・道徳・宗教等の理由から動物性食品を配する主義・思想。
以前の健康だけに重点をおいた菜食主義と差別化するため、
昨今では英語のベジタリアニズムを好んで使用する傾向が見られる。
それを実践する者はベジタリアン(vegetarian、菜食主義者)と呼ぶ。
ヴィーガニズム(veganism)
衣食を含むあらゆる目的のために動物を殺すことがないよう、
動物製品を一切使わないようにする思想・主義である。
例えば、肉食をしないばかりではなく、衣類に皮革・毛皮を用いることに反対。
薬品を開発するための動物実験にも反対、という人もいる。
それを実践する者はヴィーガン(Vegan)。
で、そういう方々のご意見を見て回って勉強をしてみて、基本的には、大いに参考になり、大変勉強になったと思っているのだが、一点だけ、気になるところがあった。
例えば、ベジタリアンに対する典型的な質問(か?、嫌がらせか?)の一つに
「動物を殺して食うのは駄目だと云いながら、植物ならいいのか?」
というものがある。
( もし、私がこちらの立場の人間なら、
「動物を殺して食うのは駄目だと云いながら、
植物ならいいのか?
それじゃ、
『ジャップは鯨を殺して食う野蛮人だ。
ケシカラン。
牛・豚・鶏は殺して食うためのものだ』
と云っている、狂気のアーメンの連中と
目糞鼻糞ではないか」
と云うだろうな )
この問いに対する回答例が、私には、ちょっと気にかかる。
この手の問いかけ(というか、イチャモン)に対する私の反論は以下のようなになる:
1970年代に、
Frances Moore Lappé
( フランシス・ムア・ラッペ )
が、著書:
"Diet for a Small Planet"
『小さな惑星の緑の食卓』
で、
タンパク質を得るためには
畜産は効率が悪い
と執筆した。
畜産には、動物の飼育が伴うが、穀物や牧草を家畜の飼料に回して得られる食肉より、同じ土地面積に、人間が直接食べる農作物を作付けした方が、遥かに多くの人を賄う分の食料を生産できる。飼料の生産のために消費される化石燃料(後述の温室効果ガスを参照)や水資源も節約できる。
畜産物 1kgを生産するために必要な穀物等の量
- 牛肉:11kg
- 豚肉: 7kg
- 鶏肉: 4kg
- 鶏卵: 3kg
農畜産物1kgを生産するのに必要な仮想水
- 米 : 3.6トン
- 大麦: 2.6トン
- 小麦: 2.0トン
- トウモロコシ: 1.9トン
- 大豆: 2.5トン
- 牛肉: 20.6トン
- 豚肉: 5.9トン
- 鶏肉: 4.5トン
- 卵 : 3.2トン
牛肉を食うということは、牛を殺して食う、というだけではなくて、その牛を育てるために消費した大量の牧草も間接的に殺して食ったのだ。
それもかなり効率が悪く。
牛肉 1kg を食うということは、牛を育てるために使った 11kg の穀物を消費したのだ。
もし、農家が、牛に食べさせるための大量の穀物を作って、それを牛に食べさせて牛を育てる変わりに、
その農地・労力・水を使って人間が直接食べる穀物を作れば、10倍以上の食料が得られるのだ。
逆に云えば、牛を牧草を育てるかわりに直接人間が食べるための穀物を育ててそれを食べれば、牛のみならず大量の穀物(植物)も節約できるのだ。9割以上の節約が出来るのだ。
牛肉を食べる代わりに穀物を食べるということは、牛と大量の植物の命が殺されずに済むのである。
穀物を食べるというこは、牛を食べる場合と比べ、10割の牛と9割以上の植物の命が殺されずにすむのだ。
「動物を殺して食うのは駄目だと云いながら、植物ならいいのか?」
という問いに対しては、
「動物も植物もなるべく殺さないための菜食主義なのだ。
菜食主義とは、動物を10割殺さず、植物を9割以上助けるための手段である」
と回答すればいいのではないか、と私は考えているのだが。
# ところで、杉本彩さんが、この方面で大変活躍されていたとはしらなかった