一般的に、資格は取ったところがスタートラインと言われます。
それは技術士も同じです。
でも、同じ言い回しではありますが、実際の中身には違いがあるかもしれません。
通常、資格は受験時に知識などの要件を満たしていれば合格します。
まずは知識量を十分に増やし、試験の合格を以って資格や免許を与えられ、実務はそれ以降にしかできない場合が大半だと思います。
資格の取得以前に実務を行う事は無免許であり、一部の例外を除いては不法行為だと思います。
ところが技術士は、資格取得の要件として実務経験を求められます。
つまり、無免許状態で実務を積んでいることが前提です。
ここが多くの資格とは大きく違います。
そうですね。
例えが大層になりすぎるので気後れしますが、解りやすさのためにあえて。
例えば、ノーベル賞学者はいつからノーベル賞学者であったかと言う問いに似ています。
ノーベル賞の多くは数十年前の研究論文に対して与えられます。
ノーベル賞学者になるのは受賞後ですが、研究者としての実力は数十年前にノーベル賞級になっていたというわけです。
技術士も、仕組みとしては同じような感じかもしれません。
技術士に認定されるのは試験に合格した後ですが、
実務上で技術士相当の実力を以って社会に貢献するは、試験で認定される以前です。
既に技術士になっていることを試験で追認してもらう。
それが技術士なのかもしれません。