#がん治療研究
白髪が増えるのはがんを防ぐため? 東京大学などが老化とがん化の分岐点と仕組みを解明/大学ジャーナル
●東大がん研究の視点から「白髪」を研究
●白髪ができるのは「がんになる前に危ない細胞を排除している証拠」と言える
https://univ-journal.jp/991936/?cn-reloaded=1
【記事の概要(所要1分)】
東京大学などの研究チームは、白髪が「がんを防ぐための体の仕組み」であることを明らかにした。
髪の色をつくる色素幹細胞が傷つくと、体はその細胞をがん化させないために自ら老化させ、排除してしまう。
すると色をつくる細胞が減り、白髪が生えるという。
一方、紫外線や発がん物質のような強い刺激があると、この仕組みがうまく働かず、傷ついた細胞が残ってがんになる危険が高まることも分かった。
つまり白髪は、体が「がんになる前に危ない細胞を処分している」サインでもあるという。
研究チームは、老化とがん化の関係を理解する新しい手がかりになるとしている。
----------------
今回の研究は、「なぜ白髪ができるのか」ということを、がんの研究の視点から調べたものです。
髪の毛の色は、「色素幹細胞」という小さな細胞がメラニン(髪の黒い色)を作ることで保たれています。
ところが、この幹細胞がダメージを受けることがあります。
たとえば紫外線、化学物質、加齢などによってDNAが壊れてしまうということです。
普通、DNAが壊れた細胞は「がん化」してしまう危険があります。
ところが、私たちの体にはそれを防ぐ仕組みがあって、危険な幹細胞を自分から老化させて働けなくするのです。
すると、そのDNAが壊れてしまった細胞は増えることができなくなり、結果として色素幹細胞が減って白髪になります。
つまり、白髪ができるのは、がんになる前に危ない細胞を排除している証拠ということです。
白髪=体がちゃんと防御反応を起こしている、というわけです。
ただし、紫外線や発がん物質などが強すぎると、この排除の仕組みが壊れてしまい、傷ついた細胞が残ってしまいます。
そうすると、がんの元になる細胞が生き残ってしまいます。
研究チームは、こうした幹細胞の「老化」と「がん化」の分かれ道を分子レベルで解明したことで、将来のがん予防や老化研究に新しい道が開けるとしています。
どうして白髪が出来てしまうのかの一つを明らかにした研究として興味深いものですが、がん化の危険性が年齢と共に高まっていることの証拠とも言えないかなあ、とふと思いました。
まあそれは、あまりに悲観的な見方であり、白髪が増えた=がんにならないようにちゃんと体機能しているんだなという認識でよいのだと思います。