物心ついた頃からずっと野球漬けの日々で

学生時代はまさに『野球命』だったという父

 

「プロ野球選手になる」ということが

現実味を帯びてきてからは

明けても暮れても野球という

野球一色の生活になっていったそうです。

 

 

そして高校時代、

投手として頭角を現した父の元には

プロ野球の球団スカウトが

度々やって来たと言います。

 

 

もちろん娘の私は

写真でしか見た事がありませんが

長身で逆三角形体型という

日本人としては珍しい

恵まれた体格をしていた父は

エースで4番というオーラを放ち

写真の中でひと際光り輝いていました。

 

 

恐らく当時の父は

プロ野球選手として生きていくことしか

考えていなかったと思いますし

自分が思い描いた大きな夢や目標に向かって

突っ走っていたのではないかと思います。

 

 

ところが、そんな父の夢は

ある日一瞬で消え去ってしまったのです。

 

 

それは飲酒運転の車が

練習を終えて帰宅途中だった父を

跳ね飛ばしたから。

 

 

命だけはどうにか助かったものの

全治6ヶ月の重症

 

右腕からは砕け散った骨が

飛び出していたそうです。

 

 

 

そしてプロ野球選手になる夢が完全に絶たれてしまった父は

その夢をキッパリと諦め全く別の道を生きていくことになります。

 

 

まだ見ぬ将来の我が子に

敵わなかった自分の夢を託して。