今月中旬、結婚記念日を迎えた私は、プレゼントを時計にしたのだった。
パートナーにとっては、”ほぼ” 初腕時計で、仕事とプライベートのどちらでも使えるシンプルなデザインを選んだ。
時計を購入したのは、チューリヒにある時計店、CHRIST の一つ。チューリにはCHRIST の独立店舗もあるし、百貨店の中にも入っているから、あちこちにある。
実はこの時計、数回身につけた後、ベルトの紐の一部が千切れてしまったのだった。ほら、穴に引っ掛けたあとに通す、あの部分だ。最初は硬くてイラっとする部分。
私は思った。「たった数回身につけただけで破損とか、どんだけクオリティ低いん・・・。」しかしそれと同時に、「アイツ、力任せに引っ張ったに決まってる・・・」
我がパートナーは、ものを優しく扱うタイプではない、典型的な男タイプ。さすがにパソコンなどの精密機械を投げたりはしないが(←ここまで来たら家庭内暴力であろう)、この時計も、最初は皮にしなやかさが無く、思うようにベルト部分が曲がらず、ちょっとイラっと来たのかもしれないと想像した。
だから、問い詰めた。
「あんた、壊したやろ。力任せに引っ張ったな!」
即ノーと否定した。パートナーからすると、とんでもない言いがかりであろう。全力で否定する姿に、私もちょっと反省。
普通にはめようとしたら、ぺろっと出てきたんだと。
ここで初めてこの時計メーカーのクオリティを疑う。日本じゃ何でもクオリティが高く、買ってすぐに壊れるってことをあんまり体験してこんかったもんやから、どうしても「壊したもんが悪い」的発想でものを見てしまう。
てなわけで、交換に行くことに。
CHRISTでは、購入してから8日間交換が可能。この時、15年間勤めているというおばちゃんが対応してくれたのだが、記念日のプレゼントにするという話をしたら、いつ渡すのかと聞かれたので答えると、「それじゃあ、今日の購入日じゃなくて、渡す日から8日間(交換可能)にしておきましょう」って、めちゃくちゃ柔軟な対応(←現代語でいうところの、神対応?違)を取ってくれて、私はもう1人で感動しちゃった。
そのちょうど8日目にあたる日。
たまたま出かけたついでにチューリヒまで足を伸ばし、ベルトの一部分が千切れた時計を持ち、再度店舗へ出かけた。ラッキーな事に例のおばちゃんを発見し、ことの成り行きを説明したところ、レシートと保証書確認してから二つ返事で「それじゃあ、新しいの持ってくるね」と言って、すんなり真新しいものと交換が出来た。



ベルトの色感が違うから迷っていると、「この部分を付け替えることも出来ますよ」ってもう、サービスの至れり尽くせり・・・
私が持参した商品は不良品として送り返す、と上司に話してた。たぶん8日以内に持って行ったから何を言わずとも交換してくれたのかもしれないが、「できません」の言葉は一度も聞かなかった。
わたしは正直、ヨーロッパでのカスタマーサービスには期待もしていなければ、今まで良い思いをさほどしたこともなかったんだが、前回の ファッションメーカー といい、今回の時計屋といい、なかなかスイスも捨てたもんじゃないと思わされた。
そういえば 前回の靴屋 でも、”固まって喋ってやる気ない店員の奴ら・・・” と思いながらサッと目をやったのが良かったのか何なのか(←?)、その後すぐに1人やってきていろいろ丁寧に話してくれたなぁ。
とにかくこの神対応(違)に満足し、ウキウキで家路に着いたのだった。
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とある日の朝食
白ワインをかけたパン→トマト→真ん中に卵→黄色いハードチーズ→チーズ用スパイス、でオーブン DON。
最後にサラミを載せて。美味。

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