スイスでの仕事探し | スイス突撃奮闘日記☆ロードオブ移住

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スイス生活14年目突入。
スイス人パートナーと2019年、2022年生まれの息子達と2024年生まれの娘の5人家族。
スイスでの日常生活、
面白いこと、腹立つこと、
いろいろ日記として書いてます。


今日はスイスに住むことになった外国人が、スイスで働きたいと思った時のことを書いてみようと思う。

何せ、仕事を探している外国人(日本人含む)、探していて見つけた人が結構いるので、自分の思うところを書いてみようと思うわけです。

たぶん、誰もそんなに自分の恥部をさらすような話ってあまりしたくないと思うので(仕事を探しているのに見つからないとか)、誰かの役に立てばいいと思う。
※長いです。


個人的な話をすると、私は昨年、ドイツ語学校でC1コースを終え、ドイツ語に自信がついたかなと思った頃から、仕事探しをぼちぼち始めた。

探すのは、仕事募集のポータルサイト、

jobs.ch
indeed.ch

を代表的なものとしてその他、グーグル検索すれば、必ず出てくるサイトにて。

そんなに必死で毎日何十、総数にして何百も応募したわけではないが、自分に合っていると思われるものに応募していた。

キーワードに Japanisch(日本語)
地域に Zürich 

と入力すると、何かしら出てくる。
大抵はレストランのウェイターやシェフで、わたしが探すオフィスの仕事は、ほとんどと言っていいほど、無い。
※ ちなみに、レストランと言えども、仕事につくのは容易ではないので、舐めたらアカン


キーワードには他、自分の興味のある職種、内容を入れ、とにかく探す。


たまに募集があると、即座に応募してみるが、面接にも呼ばれず撃沈する。お断りメール内容の、お祈りメールが届くのだ。
先月か先々月のチューリヒ大学の研究室のアシスタント職は、日本語は必須ではなかったが応募してみた結果、お断りメールの中に、「150以上もの応募があった」と書いてあった。


それでは、私にはチャンスなど無いであろう・・・
アシスタント経験者か、その分野の知識があるものか、英語が達者なスイス人が入っていたら、私など存在すらスルーが現実。


とまぁ、他にもいくつか「これなら他の候補者と肩を並べられるかも」と楽観的に考えて思われるものに応募してみるものの、一向にダメで、考え始める。
こちらの職安のアドバイザーに、「求められるスキルが自分に100%合っていなくても、とにかく応募してみると良い」という言葉が信じられなくなってくる。


そもそも、1つの職種に何十人と応募があり、その中に私の手の及ばない優秀な人がいたら、その時点でもう結果は見えている。

優秀なスイス人(私が思うに、スイス人は優秀な人が多い)、EU圏の人ですら仕事を探しているのに、その人達を押しのけて自分が優位に立つものを、自分は有しているのか・・・

そう考えると、応募すら億劫になる。


とまぁ、こんなプロセスを経て、なかなか仕事が見つからない。
働きたい気持ちは表現しきれないほどあるのに、意欲はレジュメでは伝わらない。


単に面接にも呼ばれず、(最終面接に呼ばれても、スイスドイツ語やドイツ語がネイティヴでないからと理由で落とされた友人もいる)、いつも断られてばかりいると、自分の存在が分からなくなってくるものである。


「日本でなら学歴も経験もあるし、もっと簡単だろうに・・・」と思うこと多し。
「日本なら言葉の壁もないし、もっとスムーズだろうに・・・」と思うことも多し。


でもここはスイス。
そんなことに思いを馳せても、何にもならず、さらに虚しくなるだけで、精神的にやられる、これが職探し。

振り返ると、応募数も圧倒的に足りていないのだが、そもそも応募しても通らないことが確実な案件が多いから、応募できるものがないのだから、言い訳がましいが、仕方があるまい。

私の知り合いのスイス人ですら、200社に応募したというのに。
スイス人ですらこれやのに、私が数十社で、そんなに簡単に見つかるわけがない。



個人的にとても羨ましいパターンがある。
旦那が会社を経営したりしていて、そこで働ける外国人妻のパターン。

これは本当に羨ましい。
私は人のことをそれほど羨んだりはしないが、ここだけは口をチャックできない。

彼女たちは「仕事を探す」という苦労をせず、職業人としての人生を歩み始めるのだから。


次に魅力的なのが、強力なコネを持っている人達。
”コネ”と日本語で聞くと、少し聞こえが悪いが、こちらでは誰かの知り合いを通じて仕事にありつけることが結構ある。既に働いている人や知り合いの推薦状が非常に有効だったり、ネットには出ていない仕事の空きというのが、このコネで成り立っていて、職安のアドバイザーの話だと確か、60%がオープンでない仕事だったはず。


友人談だが、別にEU圏の人間でなくとも、ドイツ語ができず英語だけで、割といいオフィスの仕事につけていたりするのだ。
強力なコネは、その文字の通り、強力である必要があり、「ちょっとそこで働いている人を知っている」というぐらいでは、仕事の紹介まではたどり着かないから、友人曰く、その人を何年も知っていたり、良好な関係である必要がある、という。


残念ながら、私にはそんな強力なコネがなく、誰かを斡旋することなど、もちろん出来ない。
もしそんな強力なコネが自分にあれば、自分がまず、さっさと職業人としての人生を歩み始めてるわ。



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ここまで、自分が体験した、見聞きした現実を書いてみたが、どう思うであろうか。


まずはスイス人、次にEU圏と雇われて、アジア圏は最後にくると言ってもいいかもしれない。


就きたいのがどんな職種かにもよるが、海外と関連したバックグラウンドが何も無いものが、スイスで良い仕事に就くのは、はっきり言って難しい。


私には日本での金融のバックグラウンドがあるが、そんなものはこっちで働くためには役にも立たない。
日本の有名大学を出ていたって、何にもならない。

ではどうしたらいいか?と次の段階を考えた時、私が思うのは、スイスで学校を卒業する方法だ。



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まずは、スイス人やライバルと、同じスタートラインに立つ必要がある。
スイスと日本の教育システムは、あまりに違いすぎている。


日本では猫も杓子も大学に行き、みんな学士を持っているが、こちらはそうではない。
ほんの一部の優秀な人しか持っていない。
そして、学びの途中でも一回単位を落とすと、その分野は二度と学べない。戻れないシステムになっている。
つまり、みんな本気で勉強して、その道を極めていく。


日本の学士はスイスから見たら外国の学士。そんなものは、こちらで認定されて、ペーパーで証明されても、こちらの実際の採用担当者から見れば、よく訳が分からないものであり続けるだろう。


だから、こちらで大学やビジネスカレッジと呼ばれる場所に通い、スイスで有効なディプロマを手に入れるのが有効である、と私は思い始めている。

そしてそれは、若ければ若いほどいい。


また個人的な話をすると、私の場合、のんびりドイツ語を学びすぎたと思っている。
スイスに来たのも30歳前でそれほど何かを始めるには、お世辞にも若いとは言えない。今年でスイス生活も5年目となり、こちらに来た当時は確かにドイツ語なんて皆無で、ドイツ語で何かを学ぶなんて考えられなかった。
ようやく今になって、ドイツ語で何かを・・・と思えるようになったわけだが、それにしても、(何かを学ぶに遅すぎることはないとしても、it's never too late to learn something new! ) 今からまた2〜3年かけて学校に通い、卒業できたとしても、
(※ちなみに、卒業時の成績も大事で、修了書に書かれる場合、就職の際に詳しい成績の提出の義務がある場合があるので、内容も無視できない)
その後また間を空けて働かなければ、また無職期間が上乗せされるだけで、意味をなさない。


すぐに採用とはならず、必ず試用期間というものがら設けられているから、使えないと思われれば、仕事には就けない。


いろいろと右往左往する期間も含め、立派に一人前の給料を取ろうと思うなら、それなりの年数がいる。
特に女性の場合、家族を新たに設けたい場合など、キャリアを追求したいと思っても、家庭と仕事をどうするのかというテーマも付いて回るだろう。
スイスでは、いわゆる育児休暇といわれるものは、出産時期を含めてか、3ヶ月ほどしかなく、私の周りの優秀な知人も、なくなく仕事を辞め、子育てに入った。
環境から子育てに助けが得られない彼女は当時、かなり嘆いていた。
育児保育所も高いから、何のために働いているのか分からず、仕事をやめ、家庭に入る女性は多い。
ちなみに、私のドイツ語学校のとある先生は、「家庭に入るなら、女は大学に行っても仕方がない」、と話していたなぁ。


話が脱線してしまったが、しっかり働くわけではなく、家族が増えたりしたタイミングで、時間の調整がしやすい職種に、途中で、例えば教師の道などにそれる人もいるようだが、そんなことができるのも、スイス人なら容易いが、外国人ならまず、ドイツ語ができなければ、お話にならない。



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長々と書いたが、ここでまとめると、外国で大学を出た、外国で働いていた、などの経験がない者は、強力なコネクションを持つこと。

それがない、けどしっかり働きたいのなら、無職の期間が長くなる前に、スイスで有効な修了書なりを手に入れること。


英語が本当に堪能なら、ドイツ語なんか学ぶ前に、英語で何かを学んだ方がいい。


ドイツ語未経験者がたった1〜2年で、ドイツ語で何かを学べるだけの語学力が身につくのかは、本人の努力もあるけど、分からないから。


かくゆう私もまだ就活はやめていないが、以上の結論から自分の進む道を未だに模索中・・・


他の形で仕事をしている方ももちろんおられると思うが、私のようなフツーの日本人には、難しい世界です。
誰かの参考になれば何より。


気分が沈める記事を書いたかも。
ここまで長ーーーーーーい記事を読んでくれてありがとう。


沖縄の海。本当に綺麗だったー
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