私はケイティ
今
夜の遊園地にいる
パパと一緒にきたの
空はもう暗くなってるけど
ライトアップされた観覧車は
大きなクリスマスツリーみたいだ
園内にはたくさんの人がいて
アトラクションの周りをぐるぐる歩いてる
にぎやかな音楽に合わせて、まるで踊っているみたい
突然
観覧車の後ろから花火が上がった
大きな音に合わせて、大人も子供たちも歓声を上げる
みんな夜空を楽しそうに見上げている
私はケイティ
機械いじりが好き
「パパー!今日も観覧車の機械室の中。見てくるね!」
「遅くなる前に戻ってくるんだよ」
私はかけ足で
裏口に回り
こっそりと機械室へ入る
薄暗い部屋の中
様々な計器や操作盤が動いている
「これは油圧計。これは電圧器…」
忙しなく動く機械の仕組みや作りを想像する
見てるだけでワクワクしてくる
「あっ!もうこんな時間。パパ待ってるはず!」
夢中になり過ぎて、数時間はいたみたい
慌てて機械室の外へ飛び出す
あたりは暗くなり
静かになっていた
人の気配もほとんどない
すでに
閉園の音楽が流れていて
アトラクションの明かりが
ひとつ、またひとつと消えていく
「パパーッ!どこなの!」
私は叫んだ。返事はない
不安にかられ
大声で探しながら駆け出す
ひっそり閑した園内に
私の声だけ吸い込まれていく
音楽は止み、明かりが消えた
周りは真っ暗になってしまった
不意に足元を取られ
私は転んてしまった
誰もいない…
ひとりぼっち…
寂しさに胸がキュッと締め付けられる
地面に顔を伏せてると
涙が滲んできた
「ケイティ!ここにいたんだね。探したよ」
遠くからいつもの優しい声!パパだ!
彼は駆け寄り
私をゆっくりと起こし、抱っこしてくれた
泣き続けるわたしの頭を
撫でながらパパはなだめてくれた
「ケイティ、上を見てごらん。お外は真っ暗だけど、そのぶん星がよく見えるよ」
私は涙を拭いて、星空を見上げた
満天の星々
そのきらめきに圧倒される
「もしかしたら、あの星のどこかにパパたちと同じような人たちが暮らしてるのかもしれないよ。パパたちはひとりぼっちじゃないのかもね」
パパは私を抱えたまま、出口へ歩き出す
「じゃあママと同じ人もいるの?」
「そうかもしれないね」パパはちょっとだけ寂しそうに笑った
「決めた!わたし、星を回ってママと同じ人を探すの」
私は小さな腕でパパをキュっと抱きしめた