ダヴィッド・モロー&グザヴィエ・パリュ監督脚本のスリラー。
「絶対に結末を明かさないように」
この常套句を間に受け、なんとか結末を見る為に
思った以上に退屈なフランス夫婦の逃走劇に集中する。
そして絶望的なオチ。
文字通り絶望的だ。
2002年ルーマニアで起こった事件を基にしたこの映画は
日々ニュースで凶悪犯罪を嫌というほど見慣れている我々にとっては
ある意味、実にとるに足らない結末で終わる。
ストーリーはシンプルだ。
ルーマニアに住むフランス人夫婦を謎の集団が襲う。
逃走の果てに、絶望的な結末が…。
そして「謎の集団」の正体とは。
この映画は、途中夫婦を追う謎の集団のことを、結局謎のまま
何一つ憶測させるほどのネタもださず、なんとなく最後のオチに到達してしまう。
一直線なストーリー展開のため、そのオチはあまりにも唐突で「意外!」と感じるまでもない。
観客にショックを与えたいのなら、観客が「謎の存在」を劇中で予想した上で、それを上回る
オチを見せなければいけないのではないか。
普通のサスペンスなら、ミスリードさせるような描写の1つや2つは挟んでくるだろう。
しかしこの映画は、観客に「謎の存在」を予想させてくれるような、ヒントを与えない。
それはつまり、劇中で逃げ惑う「夫婦」と同じ立場になってくれ、ということだ。
「夫婦」が分からないことは、すなわち観客も分からないのだ。
恐らく製作者たちはラストのオチで驚愕してほしいのだろう。
しかし昨今、この手の犯罪は巷に溢れている。
いや我々の日常はもっと残虐になってしまっている。