この恨み、はらさでおくべきか③
from:ぢゅんぢょヴィ
to: パックン
sub:Re:Re:Re:Re:Re:KFにて
いかかでした?
わたくしの小説。
来年のポプラ小説大賞狙ってます。
ちなみにわたくしは200万円びた一文返しませんけど。
完全に返信が途絶えました。
恐らくわたくしの繰り出す攻撃に奴のガラスのハートは粉々に砕け散ったに違い有りますまい。
数日後。
臨時の休みが取れた「パックン」。
「イトウ先輩」の釣り応えが忘れられないのかまたまた釣行に出かける「釣りキチ」っぷり。
その晩再びわたくしへ釣果報告のメールが届きました。
from:パックン
to :ぢゅんぢょヴィ
sub:今日
10時に目が覚め……
昼前に釣り場に着き……
活性も高く楽しい時間を過ごし………
最後………………
“竿”を折りましたけど何か( ̄□ ̄;)!!
「イトウ・パイセン」の祟りか。
はたまた
わたくしの怨念か。
あまりの出来事にわたくしは優しい言葉を送るのでした。
もちのろん、顔は満面の笑みを浮かべながら…。
from:ぢゅんぢょヴィ
to: パックン
sub:Re:今日
ええ!?
ま、マジで………
今日近所の釣具屋特売してます……としか言えません(泣)
from:パックン
to :ぢゅんぢょヴィ
sub:Re:Re:今日
でも保証期間中なので直してもらえそうです(^^) v
………ちっ!!
返信しませんでした。
to: パックン
sub:Re:Re:Re:Re:Re:KFにて
いかかでした?
わたくしの小説。
来年のポプラ小説大賞狙ってます。
ちなみにわたくしは200万円びた一文返しませんけど。
完全に返信が途絶えました。
恐らくわたくしの繰り出す攻撃に奴のガラスのハートは粉々に砕け散ったに違い有りますまい。
数日後。
臨時の休みが取れた「パックン」。
「イトウ先輩」の釣り応えが忘れられないのかまたまた釣行に出かける「釣りキチ」っぷり。
その晩再びわたくしへ釣果報告のメールが届きました。
from:パックン
to :ぢゅんぢょヴィ
sub:今日
10時に目が覚め……
昼前に釣り場に着き……
活性も高く楽しい時間を過ごし………
最後………………
“竿”を折りましたけど何か( ̄□ ̄;)!!
「イトウ・パイセン」の祟りか。
はたまた
わたくしの怨念か。
あまりの出来事にわたくしは優しい言葉を送るのでした。
もちのろん、顔は満面の笑みを浮かべながら…。
from:ぢゅんぢょヴィ
to: パックン
sub:Re:今日
ええ!?
ま、マジで………
今日近所の釣具屋特売してます……としか言えません(泣)
from:パックン
to :ぢゅんぢょヴィ
sub:Re:Re:今日
でも保証期間中なので直してもらえそうです(^^) v
………ちっ!!

返信しませんでした。
この恨み、はらさでおくべきか②
【この物語は事実にもとづいて描かれた作品ですが登場人物などにつきましては実際の人物とは関係ございませんので御了承くださいませ】
N川は久しぶりの「KF」に着いた。
来年の春を迎えずにここが廃業するのを噂で聞きつけ、久しぶりにやって来たのだった。
細々とタックルを準備し、チケット売り場の小屋へ足を向けた。
中年の女性が座っている。
早朝に起きて一つ峠を越えてやってきたのだ。三時間では少々物足りない。
「五時間で。」
N川は声を掛けた。
「はい。」
女性は手馴れた手つきでチケットに時間を書き込み値段を言った。
N川はつとめて明るい声で声をかける。
「来年で終わりだそうで……残念です。」
「ほんとそう言って頂けるとねえ…。」
女性は微笑んだ。
するとにわかに後ろで車のドアの閉まる音がした。
ここ「KF」の管理人、A社長その人である。
荷台に乗っていた愛犬のK太郎くんもその大きな体を翻し社長の後を追った。
N川はすかさず用意してあったズボンのポケットに忍ばせた茶封筒を掴みA社長に近づいた。
ああ、と顔を合わした社長の右手を掴み握手をする。
右手に茶封筒を握らせながら。
「社長。いろいろと大変でしょう。K太郎くんに何か食わせてやってよ。」
「いやあ……N川さん、いつもすいませんなあ。」
A社長は表向き眉を下げ少々困ったような顔をしながらも、握った茶封筒をブルゾンのポケットにねじ込みながら言った。
「今日はどちらを「攻め」られるんで?」
「「3号」で大物でも狙おうかな…。」
N川は受付の背後、一段高くなった、ここKFの名物池の「3号」、またの名を「大物池」と呼ばれる水面を粘ついた笑みを浮かべながら指差した。
「了解です。」
A社長は愛犬K太郎に待てのジェスチャアをしてから「大物池」に進んだ。
そして一段上がった立ち板の上で屈み込み、板をリズミカルにノックした。
数十秒経ったであろうか、A社長のすぐ前の池の水の中から1人の男が静かに頭を出した。
「へい。お呼びで。」
「鱒夫。今日もN川さんがお心付けをくれたよ。大物をご要望だ。よしなに計らってくれよ。」
「へい。」
そう言うと「鱒夫」と呼ばれた男は今度も静かに池の中へと頭を沈めて行ったのだった。
「N川さん、ささ、どうぞどうぞ。頑張って下さいね。」
A社長に促されるまま「大物池」の立ち板に立ってN川は頷きながらキャスティングした。
数分後。
N川のリールは大物を知らせる大きなドラグ音を鳴らすのだった。
【完】
N川は久しぶりの「KF」に着いた。
来年の春を迎えずにここが廃業するのを噂で聞きつけ、久しぶりにやって来たのだった。
細々とタックルを準備し、チケット売り場の小屋へ足を向けた。
中年の女性が座っている。
早朝に起きて一つ峠を越えてやってきたのだ。三時間では少々物足りない。
「五時間で。」
N川は声を掛けた。
「はい。」
女性は手馴れた手つきでチケットに時間を書き込み値段を言った。
N川はつとめて明るい声で声をかける。
「来年で終わりだそうで……残念です。」
「ほんとそう言って頂けるとねえ…。」
女性は微笑んだ。
するとにわかに後ろで車のドアの閉まる音がした。
ここ「KF」の管理人、A社長その人である。
荷台に乗っていた愛犬のK太郎くんもその大きな体を翻し社長の後を追った。
N川はすかさず用意してあったズボンのポケットに忍ばせた茶封筒を掴みA社長に近づいた。
ああ、と顔を合わした社長の右手を掴み握手をする。
右手に茶封筒を握らせながら。
「社長。いろいろと大変でしょう。K太郎くんに何か食わせてやってよ。」
「いやあ……N川さん、いつもすいませんなあ。」
A社長は表向き眉を下げ少々困ったような顔をしながらも、握った茶封筒をブルゾンのポケットにねじ込みながら言った。
「今日はどちらを「攻め」られるんで?」
「「3号」で大物でも狙おうかな…。」
N川は受付の背後、一段高くなった、ここKFの名物池の「3号」、またの名を「大物池」と呼ばれる水面を粘ついた笑みを浮かべながら指差した。
「了解です。」
A社長は愛犬K太郎に待てのジェスチャアをしてから「大物池」に進んだ。
そして一段上がった立ち板の上で屈み込み、板をリズミカルにノックした。
数十秒経ったであろうか、A社長のすぐ前の池の水の中から1人の男が静かに頭を出した。
「へい。お呼びで。」
「鱒夫。今日もN川さんがお心付けをくれたよ。大物をご要望だ。よしなに計らってくれよ。」
「へい。」
そう言うと「鱒夫」と呼ばれた男は今度も静かに池の中へと頭を沈めて行ったのだった。
「N川さん、ささ、どうぞどうぞ。頑張って下さいね。」
A社長に促されるまま「大物池」の立ち板に立ってN川は頷きながらキャスティングした。
数分後。
N川のリールは大物を知らせる大きなドラグ音を鳴らすのだった。
【完】
この恨み、はらさでおくべきか
先日、「つりぼり十番勝負」、「B-boy決定戦」でお馴染みの我が永遠のライヴァル、
「ヒロスエと結婚出来るなら俺は耳にニジマスを挿すね」
と豪語するアラウンド40「パックン」が写メールを送ってきたのでした。
from:パックン
to :ぢゅんぢょヴィ
sub:KFにて
釣れました!
81センチ!!!
これ見よがしに竿の横に横たわる巨大な魚。
その模様といい、面構えといい………
まさしく伝説のトラウト「イトウ先輩」に他ならないようです。
わたくしはあまりのショックに携帯を落としました。
とうとうこんな日が訪れてしまったようです。
大物といえば管理釣り場「OF」にて60オーバーの「真鯉」を釣り上げ、「鯉の魔術師」と言われていた パックン。
とうとう今回人生初の「イトウ・パイセン」を上げたようです。
しかもその超ド級の大きさ。
なんて事でしょう。
わたくしだって手放しで驚き、喜びあいたい………。
釣り上げたのが「パックン」でなければ。
何故って、覚えていらっしゃいますか?
わたくしが「イトウ師匠」を釣り上げたあの日のことを ………。
「パックン」の奥底に潜む悪魔に出会ったあの日のことを ………。
さあ今こそ、「リヴェンジ」の時です。
自慢げに写メールを送りにやけている我が奸賊に一泡吹かしてやりましょうぞ!!!
from:ぢゅんぢょヴィ
to: パックン
sub:Re:KFにて
いやあ……最近の写真合成技術は凄いですね。
インターネットのどこで魚の画像を拾ったんですか?
from:パックン
to :ぢゅんぢょヴィ
sub:Re:Re:KFにて
そうそうGoogleで……っておいっ!
大物池でデカいミノー投げたら釣れました!!
「ノリツッコミ」に余裕が伺えます。
こうなったら一切信じない方向で。
from:ぢゅんぢょヴィ
to: パックン
sub:Re:Re:Re:KFにて
竿のミニチュアはどこで手に入れました?
しかしながら釣り上げた魚に班点などのらくがきするのは僕はどうかと思うな。
from:ぢゅんぢょヴィ
to: パックン
sub:Re:Re:Re:Re:KFにて
チケット代の他に幾ら包んだんですか?
………汚いよね
………大人って。
パックンからの返信が途絶えました。
さて、仕上げとまいりましょう。
わたくしは用意した文章を送信するのでした。
【つづく】
「ヒロスエと結婚出来るなら俺は耳にニジマスを挿すね」
と豪語するアラウンド40「パックン」が写メールを送ってきたのでした。
from:パックン
to :ぢゅんぢょヴィ
sub:KFにて
釣れました!
81センチ!!!
これ見よがしに竿の横に横たわる巨大な魚。
その模様といい、面構えといい………
まさしく伝説のトラウト「イトウ先輩」に他ならないようです。
わたくしはあまりのショックに携帯を落としました。
とうとうこんな日が訪れてしまったようです。
大物といえば管理釣り場「OF」にて60オーバーの「真鯉」を釣り上げ、「鯉の魔術師」と言われていた パックン。
とうとう今回人生初の「イトウ・パイセン」を上げたようです。
しかもその超ド級の大きさ。
なんて事でしょう。
わたくしだって手放しで驚き、喜びあいたい………。
釣り上げたのが「パックン」でなければ。
何故って、覚えていらっしゃいますか?
わたくしが「イトウ師匠」を釣り上げたあの日のことを ………。
「パックン」の奥底に潜む悪魔に出会ったあの日のことを ………。
さあ今こそ、「リヴェンジ」の時です。
自慢げに写メールを送りにやけている我が奸賊に一泡吹かしてやりましょうぞ!!!
from:ぢゅんぢょヴィ
to: パックン
sub:Re:KFにて
いやあ……最近の写真合成技術は凄いですね。
インターネットのどこで魚の画像を拾ったんですか?
from:パックン
to :ぢゅんぢょヴィ
sub:Re:Re:KFにて
そうそうGoogleで……っておいっ!
大物池でデカいミノー投げたら釣れました!!
「ノリツッコミ」に余裕が伺えます。
こうなったら一切信じない方向で。
from:ぢゅんぢょヴィ
to: パックン
sub:Re:Re:Re:KFにて
竿のミニチュアはどこで手に入れました?
しかしながら釣り上げた魚に班点などのらくがきするのは僕はどうかと思うな。
from:ぢゅんぢょヴィ
to: パックン
sub:Re:Re:Re:Re:KFにて
チケット代の他に幾ら包んだんですか?
………汚いよね
………大人って。
パックンからの返信が途絶えました。
さて、仕上げとまいりましょう。
わたくしは用意した文章を送信するのでした。
【つづく】