心地よいローラーの刺激
台風一過の爪痕はわたくし「釣りキチ五平」、そして「釣りキチ三平」の『パックン』(お勧めした渓流の管理釣り場で平地は晴れていたにもかかわらずそこだけ集中豪雨に見舞われるリアルレインマン)にも大きく残されていました。
ギラギラと照付ける真夏の太陽は、いつもは念入りに塗る「日焼け止め」を台風だからとしなかった甘い考えの「荒フォー」二人のおっさんの肌に襲いかかったのでした。
直後は「湯で上がった蟹」の様な色合いにその皮膚を変化させ熱いシャワーと湯船を拒み、そして落ち着いたかと思った刹那、その皮をズルムケにする「脱皮」という暴挙に出たのです。
「皮がムケて良かったです。」
などと若き日の想い出は遥か昔の事。40近くのおっさん二人では何だかこ汚いったらありゃしない。
かと言ってズルムケ続けるその皮を止める事も出来ずに成すがまま、成されるがままにしていた我が家での出来事です。
リビングでお気に入りのクッションに身を横たえていると、我がマイ・スイート・ワイフ「ジャイ子」
が雄叫び……ならぬ「雌叫び」を上げたのでした。
「うわっ!!!何じゃこりゃぁぁぁーっ!!」
もちのろん「太陽にほえろ」の「Gパン刑事・殉職」のワンシーンではありません。
寝転がるわたくしのクッション、更にはその下にひかれたカーペットにわたくしの分身…「ズルムケっちょ皮」の破片が所狭しと陳列しているのでした。
「あたたっ!ご、ごめんなさい。」
すかさずいつもの華麗なる「土下座」
に移行しようかとも考えましたが、ここはこの「ズルムケっちょ皮」を片付けるのが先!と掃除機を取りに向かおうと立ち上がる体勢に入った刹那、わたくしはマイ・ラブリン・モンロー「ジャイ子」に胸倉を掴まれ押し倒されました。
瞬時の事で何事か分からないわたくしを横目にジャイ子は「コロコロ」を手にしていました。
そうです。あのカーペットのお掃除に活躍する粘着テープのアレです。
なるほど!ここは「コロコロ」が最適かと納得していると彼女はその「コロコロ」をわたくしの柔肌へと突立てたのです。
恐ろしく素晴らしい粘着性を持ったそれは、わたくしの皮膚に何とか引っ付いていた「ズルムケっちょ皮」、さらにわたくしの柔肌を守るべく生える「わたくしのナイーヴさ」の象徴とも言うべき体毛をも一気に「コロコロ」と引抜いていくのでした。
激しい痛みに声を上げてしまいました。
しかし体毛を引抜かれる痛みは、いつしか激痛を通り越して快感へと変わっていくのを感じました。
わたくしは日に焼けていない箇所をもジャイ子の前に晒して
「おかわり…………。」
「コロコロ」が「鈍器」に変わったのは言うまでもありません。
ボルチンスカヤの殺人スパイク
アナウンサー
「さあ!「火の鳥ニッポン」、序盤から大変厳しい戦いとなっております。解説の仲田さんいかがでしょう?」
解説者
「そうですね。立ち上がりからの連続ポイントで自分達のペースを崩しているようですね。ここはタイム・アウトを…………」
『ピーピーッ!』
アナ
「おっと!解説の仲田さんのご指摘の通り、監督堪らずここはタイム・アウトを取る様です!」
解説
「ええ。良いタイミングだと思います。」
アナ
「さて、ベンチにカメラが向けられます。監督はどういった言葉をかけるのか。」
解説
「そうですね。落ち着かせる様な指示が欲しいですね。」
アナ
「聞いてみましょう。」
選手
「ドンマイ!ドンマイ!これから!これから!」
監督
「おいおいっ…、どうした?飯喰ったろ?え?……おまえは?………納豆?ほう。よし納豆の様に粘り強く行こうぜ!……よしっ!円陣組んでっ!行ってこいっ!」
選手
「はいっ!!…ファイトォッ………オオッ!!!」
アナ
「(笑)いやあ、今回は技術的な事は抜きにして、朝ご飯の事でしたね(笑)、仲田さん。」
解説
「(笑)そうですね。でも出だしの緊張をほぐす意味でしょうね。良いんじゃないですかね(笑)。」
アナ
「さあ、監督の粋な計らい、アットホームな話題で緊張の呪縛から脱出できるか、火の鳥ニッポン!」
解説
「そうですね。これでリズムが変わって欲しいですね!」
アナ
「いやあ!またも相手のポイント!なかなか流れを変えられないニッポン………いかがでしょう?」
解説
「そうですね…少し守備のシステムに狂いが生じているようです。ここは一度確認をとって………」
『ピーピーッ!』
アナ
「監督も同じ思いなのでしょう!すかさずタイム・アウトを要求しました!」
解説
「そうですね。システムの立て直しが急務かと思いますね。」
アナ
「さて監督はどんな指示でこの窮地を脱しようとするんでしょうか!」
選手
「ドンマイ!…取りあえずサインの確認………」
監督
「おおい!どうした?おい、キャプテン。何か顔が腫れぼったいぞ!呑んだのか?え?焼酎か?……え?カルピス…何?バカッ!スケベ!それとお前!その髪の毛の色何だ!…「コリー犬」みたいだぞ!あと、お前!髪の毛結ばない方が似合うと思うんだけど……え?邪魔?だったら………」
『ピーピーッ!』
監督
「時間か………よし。行ってこい。」
選手
「は、はい!……ファイトォッ!……オオッ!」
アナ
「ええと……またも技術的な事はありませんでしたが…。」
解説
「そ、そうですね……緊張からのシステムの狂いと監督はみているのかもしれません……ね?」
アナ
「なるほど。ではここから一気に追い上げるか!ニッポン!」
解説
「そうですね。期待しましょう。」
アナ
「さて、ここから雰囲気を変えて・・・」
『ピーピーッ!』
アナ
「………またタイム・アウトですか?」
解説
「そ、そうみたい…です。」
アナ
「どういった意図があるんですかね?」
解説
「えっ!?…ええと……技術的な訂正を……」
アナ
「聞いてみましょう。」
選手
「一本!一本!」
監督
「おい!そういえばお前!昨日彼ピとデートしたろ?え?……何処行ったの?……お台場?……夜は?…何照れてんだ!あはっ!エッチ!それとお前!ブラジャーはスポーツブラ?…え?そうか?下チチだなあ!えへ!…ならいい。あとおまえ!…ユニホームの下がデカい!もっとピッチピチの方が好き!!それに、おまえ!顔が「プレデター」に似てるっ!」
『ピーピーッ!』
監督
「それにおまえ!何かこうもうちょっと……」
選手
「……フ……ファイトォッ!……オオッ!」
アナ
「………………どう………ですか?」
解説
「は………はあ………。」
何となくバレーボールのタイム・アウトの時ってたいした事話してない気がする・・・。



