大胆なバンド名、めしや。
じゃなくてメシア、メサイア、救世主。
MESSIAH
84年結成、スイス、バール出身のトリオ。85年にデモ制作、86年「HYMN TO ABRAMELIN」に続く87年の2nd。
EXTREME COLD WEATHER
激寒天気。
この寒々しいシロクマジャケを当時輸入盤屋で見かけた覚えがあるのだが、デス寄りのスラッシュということも知ってたからあまり興味がなくて買わなかった。以降何度も再発されてるようで安い中古CDがあったから一応買った。2010年のHIGH ROLLER盤。
ジャケや吹雪のSEから極寒のイメージ、デスメタルというよりブラックメタル風味のヨーロピアンスラッシュって感じ、北欧のその手の雰囲気もあるが、同じスイスのCELTIC FROSTの邪悪さを思わせる要素もあってそういう部分はブラックメタルの源流に通じるものがある。
エクストリームメタル創成期のポンコツ感が嬉しい。Keyも多用され劇的と言えるほど曲構成や展開は凝っているのにドカスカ感のが強く出てる、だから聴き辛いのに我々にとっては聴きやすいような、オールドスラッシャーにはこちらのが楽しめる。後のジャンルとして確立されたブラックメタルよりずっといい。
音質も悪くてギターがなんかライン録りみたいな音。
後半観客の声が入ってる、アナログ発売時からA面スタジオライブ録音、B面ライブの変則アルバムだった。
この後88年に一旦解散していたようで(DrのR "JAZZI" ヘーアはPOLTERGEISTに加入)90年に再結成、NOISEと契約して91年の3rdアルバム。
CHOIR OF HORRORS
ジャーマン系を数多く手掛けるアンドレアス・マーシャルのジャケ絵が目を惹く。NOISEから出ていたおかげかよく見かけた。MESSIAHの作品中、最も入手しやすいアルバムだったのではないかと思う。
B以外いなくなって、しかもそのBがGに転向、新たにVo、Dr、Bを迎えて4人組になった。
ガチャガチャしてた2ndよりもずっとスッキリして演奏自体は少々テクニカル寄りのヨーロピアンスラッシュ、聴きやすくなった。しかしVoが完全にデス声になって耳を覆いたくなる、Voなしで聴きたい。
ちょうどデスとスラッシュの中間みたいな、これを良いとこ取りとするか中途半端と感じるかで評価が変わるかもしれない。個人的にはもっとスラッシュ寄りがいい、演奏面はとてもカッコいい、曲展開も悪くない、だからVoにもっと緊張感があると良かった。スリルのあるデス声ってのはあまり多くない。デスメタルが嫌いな最大の理由でもある。結局は退屈だから。歌メロもないし。
この前に「PSYCHOMORPHIA」というEPを出していて、こちらがNOISEと契約しての初作品のよう。
以降、4th「ROTTEN PERISH」、94年に5th「UNDERGROUND」をNOISEから発売、3rdから加わったVoが脱退したため5thではTHERIONのクリストファー・ヨハンソンがゲストで歌っている。
メンバーチェンジのゴタゴタのせいか95年に解散する。
2000年代にに再再結成、Voのアンディ・カイナも復帰、2作発表するもアンディが2022年にこの世を去る。R.I.P.
しかし解散せず新Voを迎え、唯一のオリジナルメンバーであるR.B. ブロッジ(G)を中心に現在も活動中。最新ラインナップには元CARRION~POLTERGEISTのV.O. プルヴァー(G)の名もある。
優れたバンドではあるが所詮はデスメタル、自分の好きなタイプではない。ドカスカ型の2ndだけでいい。
"Extreme Cold Weather"
"Hyper Borea"
"Nero"
"Choir Of Horrors"