日本のメタル好きにも名前だけは知られているであろうフランスメタルを代表するバンドのひとつ。なぜなら例のあれに載っていたし、B!創刊号でもレビューされていたから。
同時期に現れたHIGH POWERDEMON EYESSORTILEGEと同じぐらいこのH-BOMBも好きで良く聴いていた。
そんなことを思い出しながら創刊号のレビュー調べてみたら、残念ながら55点と評価は低い。初期B!のレビューは特に辛口、ましてや一般的に知られていなかったフランスメタルなどほとんどなめられた感じでレビューされていた。聴く前から「フランスメタルなんて」と先入観のようなものがあったのではないかと思う。

バンド名の読み、昔は「エッチボム」だと思っていたが、実際は「アッシュボム」。
このブログ始めたころに(もう8年も前か)一回取り上げたことあるんだけど、あんまりいい加減だったからそっち消してもっかいやる。


H-BOMB


82年、フランスのドラヴェイユ出身の5人組。
MERCYFUL FATEのデビューEPやEVILASTAROTHなどマニア好みのバンドを出していたことで知られるオランダのRAVE-ON RECORDSから83年、「COUP DE METAL」というミニアルバムでデビュー。残念ながらこれは当時入手出来なくて、未だにオリジナルは持ってない。
初めて聴いたのは84年のこっち、この1stフルアルバムの強烈なジャケが目を捉えて離さなかった。


ATTAQUE


メンバー全員が死んでいるというインパクト絶大のジャケ。
裏のメンバー写真と合わせて当時手に取った、まだまだ純真無垢だったク○ガキを震えさせた。同時に「凄いアイデアだなぁ」とも思ったことを覚えている。

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当時はスラッシュメタルみたいな紹介のされ方をしていたが年代的にそこまで行かない、JUDASが基礎にあるような正統派のパワーメタルで、そこにやや線の細いVoスタイルやフランス語による違和感、さらに例のフランス独特の品のあるメロディが相まって、これまた強烈にフランスメタルらしさを感じさせてくれる。
フレンチメタル?と問われたらかなり早い段階で頭に浮かぶようなフランスメタル代表的バンド。

今冷静に聴いてみればジャケのインパクトほどのパンチはなく少々地味な印象も受けるが、よく聴けば良い曲であることが伝わるしバンドの才能も十分感じ取れる、なによりフランスメタルにあるべき要素やエッセンスが全てあるから好き者にはたまらない物がある。
オープニングの “Attaque” から “Exterminateures” への流れは今聴いても鼻息がふんふんするぐらい激しく興奮する。
空襲警報のような緊張感で始まり、疾走感溢れる曲構成と優しいメロディの絶妙な組み合わせがフランスメタル好きの脳髄を刺激する。
“Gwendoline” の切ないメロディはフランスメタルの真骨頂、派手さはないものの全編を通して良曲が支配、聴けば聴くほど味わいの出るスルメ盤的名盤。
このバンド、演奏力も確かな物を持っていると思う。だらしなさがなくかっちりしてるから。

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最新のメタル好きはクサレメタルなど聴いてもゴミだとしか思わないだろうし、へんてこなフランスメタルなど聴いてみようという気すら起こらないだろう。だからフランスメタル好き限定でお勧めしたい。



この後、彼らの名を聞くことはなく人知れず消えていったのだろうと思い込んでいたのだが、86年に出ていたらしい2枚のシングルとEPの存在を後に知る。
「STOP THE LIGHTS」は変形ピクチャーシングル、もうひとつのEPは「TO FEEL IS PAIN」というピクチャーディスク。

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当時から異常に入手は難しく、ハナからそんなの手に入れることは諦めていたのだが、長い年月を経てCD化されようやく入手出来なかった音源も聴けるようになった。

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COUP DE METAL

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ATTAQUE


ジャケが変わっているのが気に入らん。こっちのロゴは好きじゃない、爆弾がでぶっちょになったほうは。初期のスマートな爆弾のほうがカッコいい。
この最後の両ピクチャー二枚のころすでにVoが替わっていて、好きだったH-BOMBとはかなり印象が違う。
英語で歌うVoが入ったことによってフランスらしさが減退、音楽性もややソフトになった。“To Feel Is Pain” などはらしいメロディでとても良いのだが。。
その新Voであるパトリック・ダイアモンドはCLOVEN HOOFの初代Vo、デヴィッド・ポッターであったということが後に知られることになる。
誤った情報だとメタルの辞典に書かれていた。マジか、ずっとそうだと思いこんでいたのに。

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MONTROSEの “Space Station No.5” のカバーをやっているという小ネタもあるのだが、なによりこのCD、その貴重な部分で針飛びを起こすという大失態を犯している。
一応マニア的には有名なAXE KILLERからの再発なのに初めて聴いた時、唖然とした。
今聴いてもイラっとする。担当者は打ち首だ。(笑)



“Attaque / Exterminateurs”


“Gwendoline”


“H-Bomb”


“Coup De Metal”


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今日このメタネタやるのは不謹慎だと思われてしまうかもしれない。

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