ベルギーの名門、MAUSOLEUM RECORDS。80年代に数多くのメタルアルバムを乱発(良くも悪くも)、イギリスのEBONYと並んで個人的に深い思い入れのあるレーベルだった。
そのMAUSOLEUMから2枚のアルバムと12インチシングルを残したイギリスのWILDFIRE。それぞれNWOBHM時代のバンドであるMOREとWEAPON、その元MOREでありIRON MAIDENのオリジナルVoでもあるのポール・マリオ・デイ、元WEAPONのブルース・ビスランドが在籍していたことからNWOBHM末期のバンドとして認識されているかもしれない。


WILDFIRE


82年、ロンドンで結成された5人組。


BRUTE FORCE AND IGNORANCE


初めて聴いたのは2nd「SUMMER LIGHTNING」。


SUMMER LIGHTNING


当時よく輸入盤や中古盤のバーゲンに出掛けて3枚千円とかのレコードを買い漁っていた。だから特に興味のない欲しくもない、どんなのか全く知らないレコードなんかも普通に買っていた。このアルバムもそんなとき買った1枚。
その1曲目 "Prelude In F Flat Minor~The Key" は何の知識もなく何の期待もせずに聴いて完全にKOされた必殺曲。これ書くために久しぶりに聴いたらやっぱ倒れた。
他にも "Passion For The Sun"、"Screaming In The Night" など悶絶ものの名曲が数多く収録。



NWOBHM時代、日本でも人気のあったPRAYING MANTIS、その哀愁漂うメロディが日本人の心を捉えたのだが、このWILDFIREは勝るとも劣らない、個人的にはPRAYING MANTISに匹敵する、あるいは上回るほど強力なバンドだった。
しかし日本盤が出なかった。今まで一度もこのバンドのアルバムが日本で発売されたことはない。ただそれだけの理由で彼らは日本では無名なのだ。
世界中の全てのレコードを日本で発売することは不可能、しかし「何故だ?」と思えるような盲点のようになってしまった名盤は実は数多く存在する。これはまさにそんなアルバム。日本盤はないものの、CD化はされているので興味のある人はぜひ聴いてみてほしい。
今でも探せばさほど入手は困難ではないはず、MAUSOLEUM CLASSIXのラインナップにも載っていたし、



2000年代にも改めてCD化。



当時のあのイギリスの音に浸りたければ必聴。



85年、シングル「JERUSALEM」発表後、ポール・マリオ・デイを除くメンバーは元MSGのゲイリー・バーデンと合体、STATETROOPERとしての活動を開始したためWILDFIREは消滅する。さらにその後、ブルース・ビスランドはPRAYING MANTISに加入し日本でも名を売ることになる。現在はTANKに在籍していたはず。



"Summer Lightning FULL ALBUM"


"Another Daymare"


"Goldrush"


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