昨年あたりから、マイコレのダイヤモンドバックテラピン(DBT)の中に、甲長10 cmを超えても尾が伸びてこないオスが見受けられるようになった。以前より餌を多く与えるようになり、成長スピードが速くなったせいで、甲羅の成長に性成熟が追い着いてきていないのかもしれない。いずれにせよ、甲長10 cmを超えて雌雄が決定しないのは、精神衛生上良くない。そんなストレスを抱えた老若男女の皆さん、今宵、汽水屋の取って置きを伝授しよう。
さあ、前回の続きですね ![]()
前ページに掲載した雌雄DBTの頭部のイメージ図には、致命的なミスがありました。
こちらがイメージ図の修正版です。
イメージ図の④に示しましたように、DBTメスの場合、頭部を真上から見た時に、目の上の鼻の両サイドに明瞭なスペースが存在しているのを、確認できると思います。
従って、DBT雌雄判別のためのチェックポイントは、2022年に提案した3ポイントに次の④を加えて、4ポイントになります。
④ 鼻の両サイドの三角スペース(イメージ図の④の箇所)
メスの場合、④で示した箇所に、直角三角形をあてはめることができるスペースが存在します(直角三角形あてはめ法:Right Triangle Fitting Method)。
オスの場合は、鼻の形・大きさとくちばし(顎)の形・大きさがほぼ一致しているので、鼻の両サイドにこのスペースが認められないか、認めても極めて狭いスペースしか存在しません。
極めれば、この④のチェックポイントと方法だけで、DBTベビーの雌雄判別が可能になります。
さあ、雌雄が決定した甲長10.0 cmを超えた2024年CBで直角三角形あてはめ法の妥当性を検証していきましょう。
こちらは、2024年CBのオルナータDBTオス確定個体です。
2024年CBオス
尾が伸び始めているので、オスとわかります。
尾を見なくても右下の画像の頭部写真を見れば、頭部が三角形で鼻が突き出しているので、オスだと断定できますね。
問題はこちらです。
2024年生まれのオルナータDBTメスです。
2024年CBメス
甲長11 cmでこの尾の状態なので、メスで間違いありませんが、右下の頭部の写真を見ると頭部が細く、鼻先がシャープなので、単独で眺めていると、とてもメスには見えませんね ![]()
前のオスの頭部の写真と比較して、メスかな、という感じだと思います。
それでは、この2024年CBのオスとメスの鼻の両サイドの三角スペースを見比べてみましょう。
まず、オスからです。
2024年CBオス
このオスは、鼻と上くちばしの大きさ、形がほぼ一致しているので、鼻の両サイドに直角三角形をあてはめるスペースは、無いですね。
つづいて、メスです。
2024年CBメス
頭部の中心を通る直方形の鼻が、オスより深く、明瞭に彫り刻まれ、鼻の側面より明らかに外側に上くちばし、顎のラインがありますので、鼻の両サイドに直角三角形を当てはめるスペースがあります(右側だけ、直角三角形をシュミレーションしています)。
これがDBTメスの頭部の形状なんですね![]()
最後に、雌雄判別最難関のノーザン亜種について、2024年CBのオスとメスを用いて、直角三角形あてはめ法を適用してみましょう。
まず、オスの頭部からです。
ノーザンDBT 2024年CBオス
鼻の両サイドに一見三角形のスペースがあるように見えますが、これはオスの鼻の形が直方形ではなく、上面からくちばしに向かって山の斜面のような傾斜面を形成するため、その部分が三角スペースに見えているだけです。
これに対してメスの頭部は、
ノーザンDBT 2024年CBメス
鼻が直方形で、両サイドが上くちばしに達するまで深く彫り刻まれています。
その鼻の基底部の両サイドに直角三角形をあてはめられるスペースが存在していますね。
以上、直角三角形あてはめ法を生後1年の雌雄が確定したDBTに適用し、その有効性を検証してきましたが、次回は、究極のDBTベビーにこの方法を適用してみます。
乞うご期待下さい![]()
つづく







