黒龍血統について、お詫びと訂正 ② | ダイヤモンドガメに魅せられて Fascinating Diamondback Terrapin

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アメリカ合衆国の汽水域に生息しているダイヤモンドバックテラピンの魅力を紹介します。

前回のブログ以降、めっきりアクセス数が減った。そりゃそうだろう、カロリナコンセントリックと言っておきながら、ノーザンコンセントリックの間違いでした、はないだろう。しかも、この期に及んで、純血のノーザンってなにさ、汽水屋は信用できない、全部ハッタリじゃねえか。皆様方のそんな怒りが、ひしひしと伝わってくる今日この頃。

トランキーロ、あ・せんなよ。

 

 

見せたかったのは、これだ。

 

James Lee&Stephen Chew著「Diamondback Terrapins」

 

前回、汽水屋の黒龍血統の両親(オス:KT、メス:くろ)には、カロリナよりノーザンダイヤモンドバックテラピン(DBT)の特徴が表れているが、断定するに足る判断ポイントがないという話をしました。

さあ、今回は、黒龍血統が純血ノーザン亜種のコンセントリックDBTだ、という確固たる証拠をお見せします。

 

ところで、上の書籍は、James Lee&Stephen Chewの著書「Diamondback Terrapins」のノーザン亜種に関する説明です。

 

文中に、These famed “Chesapeakes” of old can be distinguished by a carapace that flares out and upwards at the posterior(昔からチェサピークとして有名なこれらは(ノーザンDBTの事)は、背甲の後方が広がっていて上を向いていることで見分けることができる)という文面があります。

 

これこそが、探し求めていたノーザンとカロリナDBTを判別する際に、主観の入る余地のない決定的な相違点です。

 

それでは、実際に黒龍血統の種親“KT”と“くろ”の背甲の形状を横と後方から見ていきましょう。

まず、オス親KTからです。

 

KTの背甲側部

 

KTの背甲後方

 

なるほど、世界のDBTトップブリーダー2人が指摘した通り、背甲後方の縁甲板が、上に反り返っているのが分かるかと思います。

だったら、カロリナDBTはどうなっているのか、興味があるところですね。

 

下の画像は、汽水屋カロリナコンセントリックVL血統のオス親“タイガー”の背甲の写真です。

 

タイガーの背甲側部

 

タイガーの背甲後方

 

背甲後方の縁甲板は、見事に下を向いています。

 

メスではどうでしょうか?

黒龍血統のメス親“くろ”とカロリナコンセントリックVL血統のメス親“チビ”とを比較してみました。

 

くろの背甲側部

 

くろの背甲後方

 

黒龍血統くろに関しても、ノーザン亜種の特徴である背甲後方が、明確に上を向いています。

 

こちらは、カロリナコンセントリックVL血統のチビの背甲ですが、後方は明かに下を向いています。

さらに、カロリナDBTのメスに関しては、前回のブログのカロリナDBTの特徴4「背甲側部の縁甲板が、外側が強く巻き上がる」が確認できます(赤まるで囲った部分)。

 

チビの背甲側部

 

チビの背甲後方

 

James Leeの著書の写真はもとより、海外DBTサイト、およびJames Leeが日本に輸出してきた過去販売個体を調べてみました。

もちろん例外はあると思いますが、ノーザン亜種においては、背甲後方が上を向き、カロリナ亜種においては、その逆になる傾向は確かにあります。

 

以上、この亜種判別法をまとめると次のようになります。

1.背甲後方が上を向いている個体は、純血のノーザンDBTかノーザンとカロリナDBTのハイブリッドの可能性がある。

2.背甲後方が下を向いている個体は、純血のカロリナDBTかカロリナとノーザンDBTのハイブリッドの可能性がある。

 

黒龍血統のオス親“KT”とメス親“くろ”は、共に背甲後方が上を向いており、かつ頭部が細くシャープで背甲幅も広いので、純血のノーザンDBTの可能性が高いのですが、ノーザンとカロリナDBTのハイブリッドである可能性はぬぐい切れません。

 

純血かどうかを確かめるには、交配させてその子供の形質を精査すれば良いでわけで、ハイブリッドでしたら、必ず、ノーザンDBTの形質を持った子とカロリナDBTの形質を持った子が、混ざって誕生してきます。

 

これまで3年間黒龍血統の繁殖に取り組み、計43匹孵化させましたが、里子に出して一部フォローしきれていない個体もおりますが、マイコレおよび雌雄決定個体販売会用の在庫のお蔭で、28匹の個体に関しては背甲、頭部の形状が確認できております。

28匹全ての個体の背甲は、下記画像のように後方で明瞭に幅広くなる楕円形で、後方の縁甲板は上向きに反り返っています。

さらに、メスでも頭部が細くシャープで、典型的なノーザン亜種の特徴を有しております。

 

 

黒龍血統2021CBメス 背甲と側部

 

 

黒龍血統2023CBメス 背甲と側部

 

以上、黒龍血統について、お詫びと亜種訂正を2回に渡ってお話して参りました。

 

今回、黒龍血統の亜種誤認に関し、皆様方に多大なご迷惑をおかけしましたこと深くお詫び申し上げます。

汽水屋黒龍血統は、純血ノーザンコンセントリックとしてまた一から出直す所存です。

今後ともお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。