今日もお姉ちゃんを卵から守りました。油断も隙もありゃしない。
今日は少し昔の話をします。
あれは姉さんが第一子を妊娠中。4年前です。
トイレに行こうと廊下を歩いていると
洗面所で全裸の姉さんが何か洗っています。
自分が裸でも驚きませんが、人が裸で立ってるのは驚きましょう。
「何、破水?」
「…」
「猫が…おねいちゃんにおしっこかけた…」
は?
あなたがへその緒が付いて捨てられてるのを助けて
もう10年にもなる黒いあいつですか?
「スプレー(注/猫が縄張りを示すためにおしっこを飛ばす行為だと思って下さい)が酷いから
怒って、めっちゃ掃除してやれ一息、ってベッドに腰かけたら…シーって…」
「…猫が」
「猫が」
「壁でも隣のクッションでもなく」
「あいつが…おねいちゃんに向かって高く尻尾を上げ…」
「マーキングされたの?」
「マーキングだねえ…」
そんな話聞いた事無いよ姉ちゃん。
甘く見られてるどころか物扱いだよ。
凄い勢いで意気消沈しています、何とか励ましましょう
…
「今日ワンピースだし!
おなか大きくなったから…ただの大きな布に見えたんじゃないかな」
…励ませてませんよ。
取り敢えず掃除を手伝い、ちょっと良いおやつを買い与え、なだめる事半日。
その甲斐あって、姉さんはその事を深く考えないようにしました。
また3日後に同じ惨劇が起きるなんて。まだ誰も知りません。